スーパーマン Superman

●「スーパーマン Superman」
2025 アメリカ Troll Court Entertainment,The Safran Company and more. 129min.
監督・脚本:ジェームズ・ガン
出演:デヴィッド・コレンスウェット、レイチェル・ブロズナハン、ニコラス・ホルト、エディ・ガテギ、
   アンソニー・キャリガン、ネイサン・フィリオン、イザベラ・メルセード、スカイラー・ギソンド他

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<評価:★★★★★★★★☆☆+α>
<感想>
元祖DCコミックスの英雄が1周回って(どころか2周目、3周目くらいかも)再映画化された。
テレビでモノクロのドラマを観ていて、映画になってからも初編を始めずっと観続けてきた
私としては、もういいかな、という感じだった。

ところが、トランプ政権が本作のポスターのパクリをホワイトハウスのHPに乗せるという愚行を犯し、
これにジェームズ・ガンが不満を漏らし一気に注目されるに及び、これは観に行かなくちゃと、本日
シネコンに出かけた。

今、スーパーマンを作るならこう作るぞ!というジェームズ・ガンの心意気が凄い。これはヒーロー
映画を借りたアメリカ現政権の告発映画といえるだろう。これはハリウッドは快哉を叫ぶだろうし、
トランプ政権やMAGAは不快きわまりないだろう。ジェームズ・ガンは今回のスーパーマンは移民として
の存在として描くと語っている。また「この映画は“優しさ”について描いた作品であり、それは誰もが
共感できるものだと思う」と語っ(TheHollywoodReporter)てもいる。

どうみてロシアと見られる国が、どうみてもパレスチナを思われる国を侵略するのをスーパーマンが停める
のだが、それをどうみてもトランプかイーロン・マスクとしかみられない大富豪がハイテクを駆使して
金儲けのために邪魔をするというお話。メタファーとかなんとか言っている場合ではない、そのものズバリ
ものね。ちょっと驚く。スーパーマンの行動を合衆国がそれを内政干渉として告発し、しまいにゃ逮捕
しちゃう。ボットを使ってスーパーマンをディスるフェイクSMS投稿発信マシンが、いかにもトランプ
とMAGAの世界のアメリカらしい。

エンタメとしてスルッと観ることはもちろんできるが、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」でも
結構クセの強い社会性を含ませるジェームズ・ガンなのだが、ここまでアメリカを代表するヒーローを
使ってここまで描こうとするのか、アメリカの分断は深刻だなと思う。私は、本作での役を現実に当てて
想像してみつつ、スーパーマンのセリフに注目しながら観ていた。こうした観方が今回は正しいような
感じだ。

本作のスーパーマンは極めて人間的な存在として描かれ、不寛容な世界、差別に満ちた世界を告発している。
開巻から戦いに敗れたスーパーマンが登場するのは初めて観た。
また相棒の犬、やんちゃな犬「クリプト」(CGで出来ている)の存在が、人の言うことを聞かない
いわば自由のメタファーとして活躍するのが面白いと感じた。一方で、スーパーマンに味方する存在
(グリーンランタンやホークガールら)が、優しさに満ちた人間社会の救いとして感じられたのだった。

しかし、コミック出自のスーパーヒーロー映画にこうした映画が出来てくるということそのものが、
アメリカの病理と現在地を語っているといえる。

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<ストーリー>
ジェームズ・ガン監督が、元祖スーパーヒーローのスーパーマンを、新たにデイヴィッド・コレンス
ウェット主演で再映画化したアクション映画。
大手メディア“デイリー・プラネット”で働くクラーク・ケントは、スーパーマンの正体を隠して日々、
人々を守って戦っていた。そこに、彼を地球の脅威と考える天才科学者レックス・ルーサーが現れる。

大手メディア“デイリー・プラネット”で平凡に働くクラーク・ケント(デイビッド・コレンスウェット)。
彼の正体は、人々を守るヒーロー、スーパーマンだった。
子どもから大人まで、愛する地球で生きるすべての者を守るため日々戦うスーパーマンは、誰からも
愛される存在だった。
そんな中、彼を地球の脅威とみなして暗躍するのは、最強の宿敵=天才科学者にして、大富豪のレックス・
ルーサー(ニコラス・ホルト)。やがて、世界を巻き込むルーサーの綿密な計画が動き出す……。
(キネマ旬報)

<IMDb=★7.7>
<Metascore=68>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:83% Popcornmeter:93%>
<KINENOTE=77.8点>
<映画com=3.7/5>


by jazzyoba0083 | 2025-07-16 12:10 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)