ジャスティス Hart's War

●「ジャスティス Hart's War」
2002 アメリカ MGM映画提供 125分
監督:グレゴリー・ホブリット
出演:ブルース・ウィリス、コリン・ファレル、マーセル・ユーレス、テレンス・ハワード他
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批評はかなりきついものが多いが、私は大変面白く観ました。ただし、ラストで
語られる、軍人を美化する、「勇気、自己犠牲・・・」などという愛国心を煽る文言は
白けてしまいました。言わずもがな、でしょうに。まあ、9・11以降のアメリカの
この手の映画はこうなるのはしかたのないことだったのでしょうね。

ブルース・ウィリスと、コリン・ファレル、それにナチ捕虜収容所長のマーセル・ユーレスの
渡り合いは見ごたえがありました。

冒頭のシーンからぐいぐいと引き込んで、息付くひまがないくらい、いいテンポで
意外性を発揮しながら進んでいきます。カメラワークもいい。

上院議員の息子ハート中尉は、父親のお陰で最前線には配属されない。今日も
司令部へクルマの運転をして、大尉を届ける役。
途中で出くわしMPが実はドイツ軍の変装で、大尉は射殺される。ハート中尉は
ジープを突進させて逃亡を図るが、木に激突して、捕虜となってしまう。
収容所に列車で送られるときに、味方のP-51が飛来し、攻撃を仕掛けてくる。
列車から飛び出した捕虜たちは、皆で人文字でPOW(戦時捕虜)を描くと
やっと戦闘機は去っていった。しかし多くの同胞が死んでいった。

ベルギーの1944年暮れの出来事で、ナチの劣勢は明らかとなりつつあった。
ハート中尉は収容所に来る前に、ナチの拷問にあっていて、火薬集積所の場所を
寒さに耐えられず、ゲロッてしまったのだ。

彼が連行された収容所のアメリカ軍捕虜のボスが、マクナマラ大佐(B・ウィリス)。
ハート中尉は将校なのだが、将校用の宿舎が満杯で下士官用の宿舎に
入れられる。そこにはベッドフォードという、ドイツ軍を相手に商売をしている
悪い軍曹がいた。
ハート中尉は、位こそ高いが、イェール大学の法学院の3年生だった。

そんな収容所に、黒人の空軍パイロットが二人捕虜として入ってきた。
二人とも少尉だったのだが、白人の下士官たちは敬意を払わない。
やがて、アーチャー少尉が、庭の柵を抜き取りベッドの下に隠したという濡れ衣を
着せられ、銃殺されてしまう。怒るもう一人の黒人少尉スコット。
黒人差別主義のベッドフォードらの企みだったのだ。

ところが、このベッドフォードがある夜、クビの骨を折られて死んでいるのが発見
される。そばにスコット少尉がいたことから、銃殺されそうになるが、
マクナマラ大佐は、少尉は軍法会議を受ける権利がある、と主張、ハート中尉に
スコットの弁護をするように命じる。困惑するハートだが、引き受ける。

そしてドイツ軍も立ち会っての軍法会議が開かれる。ドイツ軍兵士も証言にたち
アメリカ軍捕虜も証言する。しかし、スコット少尉の犯行を積極的に否定する
証言がでない。
所長のヴィッサー大佐は実はイェール大学の卒業生で、ハート中尉を所長室に
迎え、軍法会議のマニュアル本を、プレゼントする。彼は裁判を楽しんでいるのだ。
そうこうするうちに、実はこの裁判には裏があることが判明する。

それは、収容所の幹部を裁判に釘付けにし、その間に前から掘り進めていた
トンネルを通って、35人が脱走することになっていたのだった。
ドイツ軍と通じているベッドフォードが、穴掘りに気が付き、これをドイツ軍に
取引材料として利用されてはかまわん、ということで、大佐一派がベッドフォードを
殺してしまったのだった。
ある夜、ある兵士の後を追いかけ、穴掘り現場を目撃したハート中尉は、事実を知り
マクナマラ大佐を非難する。このままではスコット少尉は銃殺になる、と。
しかし大佐は気の毒には思うが、戦争に犠牲はつき物だ、と主張する。

そして最終弁論。ハート中尉は、スコット少尉に殺人はしていない。と熱弁。
「殺したのは私だ」と、自ら泥を被ってしまう。
この間に、35人は脱走。所長は、ハート中尉が、自分がやったと証言したことから
即、彼を銃殺にすることを決定。捕虜全員を外に集合させる。
しかし、35人足りない。怒った所長は裁判にかかわった全ての米兵を銃殺する、
と宣言、まずはハートからだ、と銃を構えた瞬間、脱走したはずのマクナマラ大佐が
ドイツ軍兵士の変装用軍服を脱ぎながら、再び収容所の正門から入ってきた。

ヴィッサー大佐は「兵士たちを救うために戻ってきた、というわけか。Very well」と
いうと、マクナマラをその場で自らの手で射殺。兵士たちは罪に問わなかった。
すぐ近くには、連合国軍の砲撃が迫っていた・・・・。

にせMPがジープの大尉を突然射殺するシーン、見方の戦闘機に撃たれてしまう
シーン、マクナマラ大佐が射殺されてしまうシーン、など見ごたえ十分。
ドイツの収容所長のその後はどうなったか?捕虜たちは3ヶ月後に開放され、
故郷に戻ったことは語られるのだが。親切なのか、陰険なのか、極悪人なのか
よく判らないキャラクターだったなあ。

放題のジャスティスというのは、あまり映画にそぐわない感じ。原題のままの方が
良かったかもしれない。「プライベート・ライアン」みたいに。
ブルースが男らしくていい、これほどの自己犠牲があるだろうか、と素直に感動できる
のだが、冒頭にも書いた、ブルースの勇気を称える、愛国心高揚っぽいコメントに
白けるのだ。ここだけ残念。
尚この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
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Tracked from 映鍵(ei_ken) at 2010-07-13 18:14
タイトル : ジャスティス
舞台はナチスの捕虜収容所だけど、基本的には「サスペンス」として楽しむべき作品でしょう。酷評する人もいますが、架空の国や時代を背景にして作ればよかったのかもしれませんね。個人的には、鑑賞中に「そうか、ヤラれた」と感じたことだけで、優秀作品と評価します。... more
by jazzyoba0083 | 2007-05-14 23:20 | 洋画=さ行 | Trackback(1) | Comments(0)