誘惑のアフロディーテ Mighty Aphrodite

●「誘惑のアフロディーテ Mighty Aphrodite」
1995 アメリカ Miramax Films,Sweetland Films,Magnolia Films 95min.
監督・脚本:ウディ・アレン
出演:ウディ・アレン、ミラ・ソルヴィノ、ヘレナ=ボナム・カーター、マイケル・ラバポート他

  <1995年度アカデミー賞・ゴールデングローブ 助演女優賞受賞作品>
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WOWOWのウディ・アレン特集の1つ。私としてはウディの作品の中ではかなり上位に
位置する映画だと思う。面白く観ました。いかにもウディらしい。ヒューモアとウィット、
人生の皮肉を彼一流の描き方で表現できているのではないか。舞台もNY、音楽もジャズと
いうのもいつものこと。NY的ソフィスティケイトの味、とったら誉め過ぎか。
時間も95分でちょうどいいし、ややギミックか、と思われたギリシア悲劇のコーラス隊を
狂言廻しに使う手法も、寸止めで効果的だったといえよう。
ラストの「When you're smiling」のオープン・ハーモニーをバックに出演者の笑顔が
映し出されていくカタルシスの取り方も、私としては好きだった。
エロール・ガーナーやデイヴ・ブルーベックのジャズも効果的だ。

主にボクシングを主戦場とするスポーツライター、レニー(ウディ)は、画廊に勤める
妻のアマンダに、妊娠するのはいやだけど赤ちゃんが欲しい、養子をもらおう、と
持ちかけられ、だんこ断わる。自分たちの子供を作ればいいじゃないか、と言っても
自分の画廊を持ちたいアマンダは勤めはやめられないと主張する。

アマンダはレニーに無断で、養子斡旋所から、産まれ立ての男の子を貰ってきてしまう。
いったん子供が家にくると、レニーの態度は一変。大甘のパパとなってしまう。
名前もグルーチョだの、セロニアスだの、シュガー・レイだの、知っている人が聞いたら
爆笑もののアイデアを連発。結局マックス、と命名したのだった。マックス判事、
マックス上院議員、マックス博士、うん、どれも響きがいいな、と親ばか全開。

賢いマックスは、IQの高い保育園に入れ、将来を楽しみにしているが、どうみても
甘やかしすぎ。やがてレニーは、どうしてもこの子の母親がだれかを確認してみたい
衝動を抑えきれなくなる。その影には、妻アマンダとの仲が冷え始めている裏返しに
マックスの母に、愛情を求めているとも見えた。

養子斡旋所を訪れ、当然断わられたのだが、すきをついてファイルを盗み出す。
これを手がかりに、母親を探すのだが、さぞや眉目秀麗の美女か、と想像していたが
探していくうちに、彼女は女優のタマゴで、当面ポルノに出ていたが、今や娼婦に
なっている、と聞き愕然!それでも、彼女リンダ・アッシュ(ミラ)を探して、アパートに
やってきた。背の高い美女ではあるが、おバカ丸出し。親戚に優秀な人はいるか?と
尋ねても、殺人者や詐欺、泥棒、ヤクチュウ、ならずものなどなど、まともな親戚は
一人としていない。マックスは長じて大丈夫なのか???

一方、妻のアマンダは独立して画廊を経営したかったのだが、これを後援してくれた
ベンダーといい仲になってしまう。
レニーはやがて妻の浮気をしるところとなり、妻にもリンダの存在を疑われる。こうして
二人の仲は冷えていった。寂しさを紛らわそうと?再びリンダのアパートを訪ねた
レニーは、一夜を過ごしてしまう。レニーはリンダのボスに掛け合い、アメフトのいい
シートと交換に彼女を自由にしてもらうことに成功する。そして、ボクシングジムの
頭はチョイと悪いがタマネギ農家に帰りたがっている男とお見合いをしかけたりする
が、おバカ同士で上手く行きかけたが、リンダが娼婦であることがばれてしまい、
農夫のボクサーは田舎に帰ってしまう。リンダは田舎に帰ってかつてやっていた
美容師として生きようと、NYを離れる決心をする。田舎に帰るクルマを運転中、ヘリが
近くに不時着。
パイロットを町まで送ったことから彼と恋に落ち、結婚。自分が娼婦であったことも
笑い飛ばしてくれる男だった。やがてリンダにも赤ちゃんが産まれたが、当然この子は
レニーの子である。

そしてしばらくして、NYに買い物に出てきた赤ちゃんづれのリンダとばったり出くわす。
レニーはバギーの中の赤ちゃんが自分の子であることを勿論しらない。
そして、リンダの子であるマックスを、再びレニーの元に帰ってきたアマンダと育てる
決意をしたのだった。

この映画でリンダを演じたミラ・ソルヴィノはアカデミー助演女優賞などを獲得したが、
スタイルは抜群で、おバカを上手く演じていた。彼女、本当はハーバード出の才媛だ。
痛い娼婦をウディの演出に乗って自然に演じてましたね。とても綺麗な人なので
もっと出て欲しいと思いました。
尚この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
Tracked from やっくんのお部屋 at 2009-04-22 10:12
タイトル : 「誘惑のアフロディーテ」
{{{:[[attached(1,center)]]養子縁組をきっかけに巡り合った男と女の奇妙な関係を軸に 愛に迷い、理想を追い、ままならぬ現実と格闘するニューヨー カーたちの姿を ウイットに富むエピソードを満載にして描いた ウディ・アレン監督作品。 生まれたばかりのベビーを養子に迎えたワインリブ夫妻。 ル ックス、 IQ、性格の三拍子揃った息子マックスの成長ぶりに 夫のレニーは鼻高々だったが、 一方で彼らの夫婦仲は崩壊 寸前。その反動から、レニーは息子の実の母親探しに熱中し ...... more
Commented by やっくん at 2009-04-22 10:15 x
初めまして!
この映画は、私もウディ・アレン作品の中では気に入っています♪
運動音痴なスポーツライター、ハーバード大卒の娼婦…
アレンのアイロニーも利いていましたね。
TBしていきますので、よかったらこちらにも来てみてください。
by jazzyoba0083 | 2007-11-03 23:00 | 洋画=や行 | Trackback(1) | Comments(1)