2007年 11月 23日
16 ブロック 16 Blocks
2006 アメリカEquity Pictures,Emmett/FurlaFillms,Donners'Company,101min.
監督:リチャード・ドナー
出演:ブルース・ウィリス、モス・デフ、デヴィッド・モース、ジェナ・スターン他

昨年(06)秋の封切だったのだが、シネコンに行く間もあらばこその終了だった記憶が
ある。で、WOWOWで放送を鑑賞。
ブルース・ウィリスの刑事モノというと、どうしても『ダイ・ハード』シリーズが思い出されて
しまうが、この映画もいいも悪くも、『ダイ・ハード』を引きずっての鑑賞となってしまう。
ただ、やれ『ガントレット』だの小型版『ダイ・ハード』だの、言われるが、まあストーリーが
やや弱いかなあ、とう弱点はあるものの、私は楽しく観ましたよ。特にラストはベタだけど
良く伏線が生きていて、ホロリとさせられました。映画はこういう風に終わってくれないと!
という典型ですな。
ブルース・ウィリスはくたびれた役作りに励んだ結果、見たことの無いような青白い顔と
くたびれた表情、腹はでて肩は落ちて、最初、誰か判らないくらいの変身振り。でも
アクションになると切れがでちゃうのは、サガか?
NYの分署に勤めるジャック・モーズリー刑事は、頭痛薬をウィスキーで飲むような
へたれ刑事になり下がっていた。夜勤明けで帰ろうとしたとき上司から、裁判所へ
証人を送るように命じられる。たった16ブロックを移動するだけの簡単な仕事と
思われた。留置所から、黒人の青年エディを受け取り、クルマで移動し始めたのだが
途中でアルコールを買おうとクルマを止め、雑貨屋に入ったとき、彼らを付け狙って
きた男たちが、エディを殺そうと銃撃を始めた。応戦するジャック。

逃げ込んだバーから応援を求めると、やってきた刑事たちは、おかしなことを言い出す。
ニュージェント(モース)らは、悪徳刑事であり、エディが証言しすると、この悪事がばれて
しまう。ニュージェントらはこれを恐れてエディを無きものにしようとしているのだった。
20年間相棒を組んできたニュージェントは、ジャックにエディを渡せと迫るが、ジャックは
断わり、刑事の一人の足を撃ち、NYの街に逃げ出した。

追われるジャックとエディは、妹の家に行き、銃を用意して、更に裁判所を目指した。
自分の受け持ち地区であるため、何処に何があるか熟知しているジャックは、巧みに
逃げ回るが、次第に包囲網は狭まってきた。
二人は市バスをジャックし、これに立てこもり、検事とテレビを連れてくるようにいう。
しかし、ジャックは仲間の刑事たちが自分の言うことを聞くとは思わなかった。
覚悟を決めたジャックはエディに客のスーツを着せて、人質解放のドサクサで逃げろ
と指示。バスの中にジャックしかいなくなり、いよいよ突撃隊が突っ込むというときになり
エディが現れ、またバスに乗り込んでくる。自分を助けてくれたジャックを見過ごせなかった
のだ。全部の車輪をパンクさせられていたバスで、包囲網を破り、再びビルの1室に逃げた
二人。追い詰めるニュージェントら。市警も気が狂った警官が暴れているということで
ジャックの逮捕に向かってきた。

ビルの一室から検事を呼んでくれ、と電話をかけるが、この電話をキャッチしたニュージェントら
は、部屋を襲う。が、ジャックの方が一枚上手で違う部屋番号を知らせて、隙を作ったのだ。
逃げ出そうとしたとき、ニュージェントが階下で待っていた。
しかし、エディとのコンビネーションでニュージェントの手から逃れ、街に逃げ出した。

しかし、エディはバス襲撃の時にわき腹を撃たれていて、手当てが必要。ジャックは消防署
の救急隊に勤める妹に助けを求め、彼を病院に送り、自分が法廷に立とうと決心する。

そう、彼も数年前まで悪徳警官の一味だったのだ。悔いたジャックはケーキ屋を目指す
エディを逃がし、自分が法廷に証人として立つ覚悟を決めたのだ。
そしてポケットにバスの中で拾った小型テープレコーダーを忍び込ませ、敢えて
ニュージェントと対決、重要な自白を言い合いの中から収録した。そして裁判所に単身
乗り込む。後を付けるニュージェントの仲間、銃を忍ばせて。そして裁判所で名乗った
とたん、狙撃隊が彼を囲む。しかし狙撃隊の隊長の銃のスコープには、ジャックの背後に
迫った警官が銃を取り出している姿も映っていた。そこについに検事が登場、ジャックが
上着のポケットからテープレコーダーを取り出そうとしたとき「銃だ!」との掛け声が!
続きいて銃声!倒れたのは、ジャックではなく背後にいた悪徳警官の一人だったのだ。
ジャックの身柄を確保し、録音したテープを押収して大陪審へとジャックを連れて行った
のだった。

自らの罪も償ってシャバに戻った2年後。彼の誕生日と出所を祝う集まりが開かれた。
送られて来たケーキは勿論、シアトルの妹の所へ行き、ケーキ屋を開業した
エディからのもの。店の名がなんと「エディ&ジャックズ」。彼に感謝して付けた名前だ。
(ケーキ屋開業資金3万1000$の謎も映画の中で明かされる)
ケーキの上には「チャック・ベリー、モーリス・ホワイト、ジャック・モーズリー、エディ・
バンカー、人生変らないことはない。」と記されていた。そして、店の前で誇らしげに
笑うエディの写真が添えられていた・・・・・。
逃避行の際に、ジャックがエディに人は簡単に変るもんじゃない、と言っていたのを
自分が更正したことを例えに、皮肉って見せたのだ。「俺はケーキは嫌いだし、ケーキの
上に書く文句なんて無い」といっていたジャックに皮肉タップリに・・・。
人生を諦めていたジャックがエディと出会うことで、再び生きる力を得たというお話し。
お互いの出会いは「いい兆し」であったのだ。
ある嵐の日、クルマを運転していたあなたは、バス停に今にも死にそうな老婆、
命の恩人の親友、理想の女性の3人が待っていた。乗せて行きたいが1人しか乗れない。
あなたはどうするか?
この答えもなかなか洒落ていた。
配役で言うと、悪徳刑事の親玉ニュージェントを演じたデヴィッド・モースがいい味を出し、
敵役として活き活きとしていた。それとエディのモス・デフは、ブラックアメリカン訛り丸出し
の、ストレートな青年を好演し、美味しいところを持って行った感じ。
バスが舞台の1つとはいえ、「ガントレット」を目指したわけでもないし、マッチョ刑事の
活躍を描こうとしたわけでもない。中年刑事の「とあるお話し」を、いい感じで纏め上げた
作品とみれば、心地よく観る事ができると感じた。ハリソン・フォードにも、歳食ってからの
刑事の映画があったな。もちろんイーストウッドも。ブルース・ウィリスはこの後で
『ダイ・ハード4,0』を撮っているわけだが・・・。
尚この映画の詳しい情報は
こちらまで。

