2008年 11月 01日
ナンバー23 The Number 23
2007 アメリカ New Cinema Line,99min.
監督:ジョエル・シューマカー
出演:ジム・キャリー、ヴァージニア・マドセン、ローガン・ラーマン、ダニー・ヒューストン他
思わせぶりなタイトル。歴史上の事件や人物がいかに23という数字に絡んでいたかを
見せていく。そして現実。動物管理局の犬捕獲人ウォルターは、誕生日に奥さんの
アガサ(マドセン)から、立ち寄った本屋で、赤い表紙の薄い本 「23」を買ってもらう。
彼の誕生日が2月3日だからという理由で。
その本には、23という数字に取りつかれた男の話が書かれいた。彼は身の回りにある
数字がすべて23に収束していく様に、ある種精神病的になり、付き合っていた女性
ファブリッツアを殺してしまう。次第に、どうもこれは自分のことを書いているのではないか
と疑い始めたウォルターは、著作者探しに走る。
私書箱に工夫を凝らして誘い出し、やってきた老人。彼に著者はお前だろう、と迫ると彼は
とっさに自ら首を掻き切って自殺してしまう。さらに、本の中のファブリツア殺しと思われる
犯人に、この本を書いたのはお前か、と迫ると、彼は自分はそんな本は書いてないし、
第一自分が女性を殺していない、と主張するのだった。
彼の23という謎解きにいつしか巻き込まれていた息子と、本の中の謎解きを進める。
すると23語置きに出てくる数字を並べていくと、ある公園のある場所が特定できた。
さっそくスコップをもってその場所にいく。階段を23段下ったところを掘り起こしてみると
確かに頭蓋骨が出てきた。急いで警察に連絡し、警官が駆けつけると、すでに遺骨は
掘り出されていて無かった。
こうしてますます現実と小説の中の自分が重なりあい訳が分からなくなってきたウォルター。
妄想に取りつかれ、自分が妻を殺してしまうのではないか、との恐怖に取りつかれる。
そして、本を書いたのは、妻では無いのか、と疑い始める。
その小説は22章で終わっていた。妻は、「本を書いたのはあなたよ、あのホテルの23号室
に行って見て」と。その部屋の壁紙を破いてみると、23章が現れたのだ。
23という数字に取りつかれた昔のウォルターは、大学生時代に付き合っていた女性を
殺し埋めた。そして、告白をしようと書き始めた文書が、長く長くなりいつの間にか本に
なるまでになった。これをもらった教授が出版社に持ち込み本になったのだ。売れなかったが。
教授も23にとりつかれ、自分の首を切って自殺したのだった。
ウォルターは、23という数字に追い詰められ、しかも人殺しまで犯し、窓から飛び降り自殺を
試みたのだ。一命を取り留めたが、記憶喪失になっていたのだ。だから自分が本を書いた、
ということすら忘れていたのだ。記憶が無くなってから、今の妻と結婚したというわけだ。
すべての事実が明らかになったことで、ウォルターは無実の人間を刑務所に入れておく
わけにはいかないと、自首し、自ら刑に服することになった。幸せを取り戻した親子3人の
面会室の時計は2時15分(3のところ)を指していた。
映画前半は、23というこじつけをどう解釈していくのか、本を書いたのはいったいどういう
人物か、妻が書いたのか?とか結構緊張して見ていたが、ラストで、著者は自分で
かつて人殺しを犯し、そしてそれを償うことになるという、ある意味ハッピーエンドであった。
こういうカタルシスの付け方もありか、と思ったけど、出だしの緊張からすると軽いオチで
あったのは否めない。謎をなぞとしてほっぽり出すよりはましだけど。
allcinemaの感想にもあったけど、「伏線をはりまくり、その伏線のつじつま合わせに終始
した後半」と。まったくそのとおりだと思った。
息子が素直にオヤジの応援をするのが不自然。もう少し綾がほしかったな。ヴァージニア・
マドセンは、「サイドウェイ」の頃からのファン。ここでも影がありそうでなさそうな不思議な
存在を好演していた。
ジム・キャリーは、陰影のある役どころを上手く演じていた気がする
がこの年のラジー賞にノミネートされちゃいました。この人、私としては「ライアー・ライアー」
のおバカな役どころが好きです。
この映画の情報は
こちらまで。
『それは一冊の本からはじまった』 コチラの「ナンバー23」は、ジム・キャリーが数字に執着する男をシリアスに熱演するR-15指定のスリラーで、奇しくもって言うかきっと狙ってでしょうけど、11/23に公開となったのですが、早速観て来ちゃいましたぁ〜♪ 本国アメリ...... more