2008年 12月 31日
地球最後の男 オメガマン The Omega Man
1971 アメリカ Warner Bros.Pictures,98min.
監督:ボリス・セイガル 原作:リチャード・マシスン
出演:チャールトン・ヘストン、ロザリンド・キャッシュ、アンソニー・ザーブ、ポール・コスロ他
2008年の見納めがこれか、といささか映画好きとしては残念な作品だった。しかし、今年
最初に映画館で観た映画が「I am regend」だったので、奇しくも、同じ原作の映画を
スクリーンで観て、前作をWOWOWで観て、1年を締めくくるというのも何かの因縁か。
というわけで、今年の正月映画で、ウィル・スミスが主演した「I am regend」の2度目の
リメイクだ。ストーリーはほとんど一緒だが、なにせ37年前の映画であるがゆえに、SFX
やCGなど無かった頃。まあ仕方ないと言えば仕方ないのだが、何か方法があったろうに、
と思う。美術監督の失敗か?ヘストンの「猿の惑星」は1968年の作品だから、作ろうと
思えば、何も特殊撮影に頼らなくてもSF映画は出来るのだが。事実、冒頭などの誰もいない
街のロングショットなどはよくできているのに、ゾンビが出てくると一気に鼻白んでしまう。
ウィル・スミス版はそのあたりを考慮して、ゾンビを最後まで出さない。しかし出てくると
やはりがっかりするんだけどね。
冷戦時代のこと、細菌戦争の果てに、地球上から2億人という人が消えた。生き残っても
日の光や光線に弱く、夜にしか活動できない。ゾンビ(というには思想的には健全だったり
するのだが)たちはマシアスというリーダーに率いられ、武器を否定し、火や石を使って
攻撃してくる。軍関係の医学の研究をしていたネヴィル(ヘストン)は、自ら実験中の血清を
注射して、生き残り、街中空っぽになったなか、ゾンビたちの毎夜の攻撃をかわしながら、
毎日街をパトロールしてはゾンビを射殺して回っていた。
ある日、ついにゾンビに捕らえられ処刑される寸前にリサという黒人女性に助けられた。
彼女らは、たまたま菌に侵されず、郊外にサンクチュアリを形成して暮らしていた。
リサの弟が発病しそうだ、というので、自分の血を輸血して(血液型は合っているのかな)、
抗体を作り助けようとした。薬石効あって、弟はピンチを脱した。
ゾンビたちの攻撃の手は弛まず、健康になった弟はゾンビの親分を説得するために彼らの
巣窟に行くが、逆に殺されてしまう。更に、リサも発病し、彼の家はついにリサの手引きで
占拠され、いったん血清を持って脱出したネヴィルだったが、家の前の噴水で槍を投げつけ
られ、それが胸に刺さる。一夜明けて、リサの仲間で生き残った人々がネヴィルのもとに
やってきて、絶命寸前の彼から血清を受け取ると、街を脱出していった。そしてネヴィルは
絶命したのだった。
チャールトン・ヘストンという名優が出ているB級映画の恨みは免れない出来だな。ウィル・
スミス版も、途中までは良かったけど、ゾンビの出し方で失敗したと感じた。難しいんだろうな。
この映画では、髪の毛と皮膚が白くなり、瞳も白くなる、という痛い風体になるのだが、
これがどうにもねえ。
そういえばチャールトン・ヘストンも今年4月に亡くなったんだ。映画の出来とはまた別に
感慨深いものがある映画ではあった。
この映画の情報は
こちらまで。気味の悪いゾンビと映画の大体のカットは
このTheOmegaManまで。