2018年 03月 11日 ( 1 )

●「ナイスガイズ! The Nice Guys」
2016 アメリカ Misty Mountains,Bloom and more. 116min.
監督・(共同)脚本:シェーン・ブラック
出演:ラッセル・クロウ、ライアン・ゴズリング、アンガーリー・ライス、マット・ボマー
   キム・ベイシンガー他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
面白い! 前知識無しで観たのだが、作品中のエピソードの「あり得なさ」加減のアイデアや
描写が工夫されていて、画面から目が離せない。細かいギャグも散りばめられ、それに乗って
オスカー俳優の二人が見せる、バディもの、という仕立てだ。

時代設定は1970年代。タイトルロゴや音楽・衣装もバッチリ70年代している。現代から
見れば既に分かっている過去を描くアイデアだ。当時カリフォルニアを中心に自動車の排ガス
規制は厳しさを増し、「マスキー法」という法律も出来てくる。そうした時代背景を上手く
利用しスモッグに霞んだLAを舞台に、二人のポンコツ探偵が活躍するのだ。

主役の二人はもちろん安定した演技なのだが、ゴズリングの娘ホリーを演じた
アンガーリー・ライスが大人びた演技でなかなか良かった。彼女、最近作ではニコール・
キッドマン主演の「ビガイルド」に出演するなど、これからが楽しみな女優さんだ。
彼女がこの本作でもキーになっている。(賢いという点でね)

開巻、道路の下に建つある家の中。夜である。家人の不在をいいことに、一人の少年が
エロ雑誌のグラビアを眺め悦に入っている。と、そこに上の道路からクルマが突入し家の
中を通過し、庭で大破する。少年が駆けつけると、中には全裸の瀕死の女性が一人・・・。
「私に乗りたい?」と言って絶命する。少年が観ていたのは彼女のグラビアだったに違い
ないのだ。
このシーンだけでも「あり得なさ加減」は相当なものだけど、この事故が起きる直前、
少年がエロ本を眺めている背後の窓にクルマが道路から落下してくる小さい映像が
写っている。すべからく、そういう細かさのある映画だ。そうした丁寧さがきちんとした
面白さに繋がっている。

ポンコツ探偵二人のうち、ギャグ担当はゴズリングなのだが、彼のカラダを張った
「あり得なさ爆発」のギャグの出来もいい。例えば、ドアガラスを手にハンカチを巻いて
割って鍵を中からあけようとするも、ガラスで手首を切り、出血多量で救急車を呼ぶハメ
になった、とか、高層ビルでのアクションで悪いやつと二人で落下するも、自分はプールへ、
悪党はプールサイドでグシャグシャになる、とか。仕掛けがよくできていて笑えるわ、
痛快だわ。また自動車排気ガスの規制を巡る陰謀のネタあかしでは、告発映画の上映に
まつわる老女の証言なども良く出来ていたと感じた。

やっていることは下卑ていて粗野だけど、映画としての面白さのツボをちゃんと押さえて
あるので、面白いわけだ。手を抜いていない、ということだね。
最初にも書いたが、今を知っているから面白い70年代ギャグ、排ガス規制を厳しくして
アメリカの車メーカーを潰すわけにはいかないのだ、とするキム・ベイシンガー扮する
司法省の偉いさん。そう、実際はその後、ビッグスリーはいずれも国からの資本を注入される
ほどに弱まるわけだ。そしてゴズリングが「5年後には日本製の電気自動車で溢れているさ」
とご託宣を述べるのだが、それはプリウス旋風の事であることが僕らは既に知っているから、
ニヤリと出来る仕掛けだ。

全体として、まとまりがよく、吹っ切れているし、アクションもいい。そして演者たちの
役どころを抑えた演技も良い。(個人的には)まったく死角に入っていた作品だったが
十分に楽しませて貰った。
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<ストーリー>
ラッセル・クロウとライアン・ゴズリングが演じる凸凹コンビが、少女失踪事件の捜査を
機に巨大な陰謀に巻き込まれていく様を描くサスペンス・アクション。『スパイダーマン:
ホームカミング』にも出演する新鋭アンガーリー・ライスがヒロイン役を務めるほか、
キム・ベイシンガーやマット・ボマーらが脇を固める。

1970年代、ロサンゼルス。13歳の娘ホリーを抱えるシングルファーザーのマーチ
(ライアン・ゴズリング)は、酒を飲んでばかりの情けない私立探偵だった。
ある日、示談屋のヒーリー(ラッセル・クロウ)に強引に相棒にさせられ、彼と一緒に
失踪した少女を探す羽目に。車の運転もこなすホリーを加え少女を捜索するうちに、
ある映画に関する連続不審死事件、さらに国家を揺るがすような巨大な陰謀に行き当たり、
次々に殺し屋が現れ狙われていく。(Movie Walker)

<IMDb=★7.4>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:92% Audience Score:78% >




by jazzyoba0083 | 2018-03-11 15:30 | 洋画=な行 | Trackback | Comments(0)