カテゴリ:洋画=た行( 272 )

●「TAXi ダイヤモンド・ミッション TAXi 5」
2018 フランス EuropaCorp and more. 103min.
監督:フランク・ガスタンビドゥ 共同脚本・製作:リュック・ベッソン
出演:フランク・ガスタンビドゥ、マリク・ベンタラ、ベルナール・ファルシー、サルバトーレ・エスポジト他

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<評価:★★★★★☆☆☆☆☆>
<感想>
リュック・ベッソンが脚本を一人で手掛けていた頃の「TAXi」は物語性もしっかりしていてアク
ションとの両輪が上手く回ってちゃんと面白かった。久しぶりに観るこのシリーズ、最近どう
いう具合になっていのか確認も含めて鑑賞。ベッソンは名前貸しだけな感じだ。

主役のスーパー・ポリス、マロを演じるフランク・ガスタンピドゥが監督も努めた。フランス版
おバカ映画となっていた。確かにチューンナップされたタクシーはカッ飛びはするけど、それ
だけで、中身がカスカス、コメディにもなり切れていないし、CGバリバリの時代にカー・
アクションを上手く魅せていくことは難しいとは思うけど、マロの左遷先であるマルセイユの
市警メンバーや市長のステレオタイプのおバカぶりも知恵が足りない。
(マルセイユ市警から抗議が来なかったのかな、と思うくらいのおバカぶりだった。)
ゲロまみれ多数、糞便まみれあり。

デブのエロ婦警、瞳孔が開いちゃった危ない系、小人・・・。差別映画スレスレの人物構成。
最後にプジョーのパトカーが空を飛んで、クルーザーに突き刺さるところは見せ所なんだろう
けど、「おお!」とはならないんだな、今の時代。アイデアとしても陳腐だし。
悪役弱いし、警官そう強くないし。

こうしたご時世でまだこのシリーズ、作り続けるつもりだろうか。客、入らないだろうなあ。

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<ストーリー>
リュック・ベッソン製作・脚本による人気カー・アクションのシリーズ第5弾。地方都市に
左遷されたスピード狂の問題警官が、宝石を狙うイタリアの強盗団を捕まえるため、間抜け
なタクシードライバーとタッグを組み立ち向かう。
『TAXi』シリーズのファンだったというフランク・ガスタンビドが警官役だけでなく自ら
監督も務める。

検挙率No.1ながら、スピード狂で問題だらけの警官マロはパリ警察から、地方都市マルセイユ
へ左遷されてしまう。赴任したその街ではフェラーリなどの高級車を駆使し、華麗に宝石を
盗むイタリアの強盗団が犯行を重ねていた。マロは街を熟知している間抜けなタクシー運転手の
エディとタッグを組み、彼らの犯行を阻止しようとする。(Movie Walker)

<IMDb=★6.4>
<Metacritic=-->
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:0% Audience Score:35%>
<KINENOTE=59.2>



by jazzyoba0083 | 2019-12-11 22:40 | 洋画=た行 | Trackback | Comments(0)

●「チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛 Tulip Fever」
2017  アメリカ・イギリス Worldview Entertainment,Paramount Pictures,Ruby Films.105min.
監督:ジャスティン・チャドウィック 
原作:デボラ・モガー 『チューリップ熱』(白水社刊)/『チューリップ・フィーバー』(河出文庫刊)
出演:アリシア・ヴィキャンデル、デイン・デハーン、ジャック・オコンネル、クリストフ・ヴァルツ、ジュディ・デンチ他

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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
1600年代のオランダには実際にチューリップ相場があり、投機熱が加熱しバブルの様相を呈した時期が
確かにあった。そうした事実とフェルメールやレンブラントの時代でもあった2つの当時のオランダの
光に焦点を当ててデボラ・モガーが著した小説の映画化。

なかなか個性的な登場人物がチューリップの球根を巡っての駆け引きを結構上手いプロットで描くが、
アリシア・ヴィキャンデル演じる主人公の行動が、ちょっと私の常識を逸脱していて、ラストのどんでん
返し?もそんなに上手くいくものかなあ、という蓋然性に納得がいかず、結局引いてしまって終わったの
だった。また、魚屋の子供を宿し、結果お金持ちから財産をごっそりいただいちゃった家政婦マリア
(ホリディ・グレインジャー)に物語を乗っ取られてしまったような塩梅も、如何なものか、という感じだ。

まあハッピーエンドとして描かれているが、お金持ちコルネリス(クリストフ・ヴァルツ)=孤児院から
ソフィア(アリシア)をお金で妻に貰い受けたものの、それを負い目に感じていた=は、妻に絵かきと
浮気された上に子供もマリアと魚屋の子供であったことを知り、世をはかなんで、東南アジア(東インド
会社か?)に行ってしまったのだが、彼の地で現地の妻を迎え子供も出来幸せを手に入れたと言われても
なんだかなあ、という感じだ。

また医師と助産師を抱き込んでお棺まで用意して死んだふりをして周囲を騙したソフィア、コルネリスに
腕を見込まれてソフィアの肖像画を描いたのは良かったがソフィアと出来てしまい、その後チューリップ
相場で失敗する絵かきのヤン(デイン・デハーン)は教会の絵描きとして再スタートを切ることが出来て
いるとか、都合の良い状況にいささか鼻白んだ。球根で金儲けをしている教会のジュディ・デンチなど
いいキャラがいるのにもったいなかったな。球根を酔っ払って玉ねぎと間違えて食べちゃったヤンの抜けた
友人の存在は傑作だったけど。

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<ストーリー>
作家デボラ・モガーがフェルメールの絵画から着想を得た小説を映画化。チューリップへの投機が盛ん
だった17世紀のオランダ。孤児だったソフィアは成人すると、有力な商人コルネリスに嫁ぐ。
ある日、夫が肖像画を描かせようと若手画家ヤンを家に招くが……。
監督は、「ブーリン家の姉妹」のジャスティン・チャドウィック。
出演は、「リリーのすべて」のアリシア・ヴィキャンデル、「アメイジング・スパイダーマン2」の
デイン・デハーン、「恋におちたシェイクスピア」のジュディ・デンチ、「ジャンゴ 繋がれざる者」の
クリストフ・ヴァルツ。

17世紀のオランダ、アムステルダム。チューリップの投機が盛んで、中でも希少な縞模様の入った
ものを“ブレイカー(色割れ)”と呼んだ。孤児として聖ウルスラ修道院で育った美しい少女ソフィア
(アリシア・ヴィキャンデル)は成人すると、富豪で有力者である商人コルネリス・サンツフォールト
(クリストフ・ヴァルツ)に嫁ぐ。
なかなか子供を授からないソフィアは、ソルフ医師(トム・ホランダー)に相談する。

一方、サンツフォールト家の女中マリア(ホリデイ・グレインジャー)は、魚売りのウィレム(ジャック・
オコンネル)に恋をしていた。コルネリスは妻との肖像画を描いてもらおうと、絵画商人マテウスから
若手画家ヤン・ファン・ロース(デイン・デハーン)を紹介してもらう。ヤンはソフィアの姿を観た瞬間、
恋に落ち、ソフィアも徐々に彼に惹かれていく。
その頃、ウィレムはマリアとの結婚のため、チューリップの球根の所有権証明書を手に入れる。ウィレムが
証明書への署名をもらうため所有者であるウルスラ修道院の修道院長(ジュディ・デンチ)を訪ねると、
修道院には白と真紅のブレイカーが1輪咲いていた。“マリア提督”と名付けられた球根の証明書を入手し、
幸せを掴んだはずのウィレムは、ヤンと逢瀬を重ねるソフィアの姿をマリアと勘違いしてしまう。

傷心のなか酒場で財布を盗まれ、恋人も財産も失ったウィレムは、そのままアムステルダムから姿を消す。
ウィレムを失ったマリアは、彼との子供を授かっていることをソフィアに告白する。ソフィアはマリアの
子供を自分の子供だと夫に思い込ませることを思いつく。妊娠により妻と夜を共に過ごせなくなった
コルネリスは、仕事と偽りユトレヒトの女の元へ行き、数週間留守にする。その間ソフィアとヤンは幸せな
日々を送る。
しかし、ヤンはソフィアのために金を工面しようと、チューリップの球根を盗みにウルスラ修道院へもぐり
こみ、捕えられる。それでも球根を諦めきれず、チューリップ売買に乗り出すが……。(Movie Walker)

<IMDB=★6.2>
<Metacritic=38>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:10% Audience Score:43%>
<KINENOTE=71.6点>




by jazzyoba0083 | 2019-11-24 22:50 | 洋画=た行 | Trackback(1) | Comments(0)

●「ディザスター・アーティスト The Disaster Artist」
2017 アメリカ Good Universe,New Line Cinema and more. 104min.
監督:ジェームズ・フランコ
出演:ジェームズ・フランコ、セス・ローゲン、デイヴ・フランコ、アリ・グレイナー、アリソン・ブリー他

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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
カルトな映画制作者をカルトに撮るジェームズ・フランコ。そこにあるのは「映画愛」だ。とか
いう惹句が付きそうな「変な映画」。
実話に基づいた映画で、2003年に全米1館で公開され、1週目の興行収入が1800ドルだったという
史上最低の映画を作った謎の人物トミー・ウィソーとその映画「ザ・ルーム」の制作過程に焦点を
当てた日本未公開(だろうなあ)なれど、愛すべき逸品。

映画の終わりに本作で撮られた映像と本家の「The Room」がどれだけ似ているカットを作っている
かを比べたカットがいくつか並んべられるが、ほんとにここまでやるんだ、というフランコの気概を
感じる。またトミー・ウィソーとジェームズ・フランコが気持ち悪いくらいそっくりなんだな。

もうこれは観て頂くしかないのだが、とにかくトミー・ウィソーという怪人物の映画に対する愛情を
感じられればOKなのではないか。映画が好きでサンフランシスコからハリウッドに親友を連れて
出てくるが、演技の経験がまるでないトミーは当然オーディションに落ちまくる。親友とても同じ
ようなもので、そこでトミーが言い出したのは「じゃあ、自分たちで作っちゃえばいいじゃん」
ということ。
低予算のインディーズ映画ではなく、ハリウッドのちゃんとしたスタッフを雇い、ハリウッドの役者を
オーディションで採用し、撮影用のキャメラはレンタルするのが普通なところを
「35ミリとデジタルHDカメラ、両方とも買うから」とか言い出す。映画の事は何も知らないが
とにかく見様見真似と映画愛に満ちた唯我独尊のスタイルで現場を仕切りまくる。

ストーリーは一応恋愛悲劇であるのだが、カット回収されず突然意味のないシーンが入ったり、
主役であるトミーの演技が下手すぎな上に、変な訛りがあり(本人はニューオリンズだというがそうは
聞こえないという)現場スタッフから激怒されたり、ものすごい現場が描かれていく。撮影期間は
どんどん伸びていくが不思議とお金はどこからか出てくる。スタッフにも相当のギャラが支払われるのだ。
自分でこの映画は600万ドル使った、とかいう。

やっと完成した作品をプレミア上映するという。その頃には親友はたもとを分かち小劇場で舞台俳優を
やっていた。しかし、トミーから君と作った映画じゃないか、といわれ、当日トミーが用意した
とんでもない長さのストレッチリムジンで劇場い乗り付けた。
作品は最初のうちは目を背けるようなヘタレな出来に観客は唖然としていたが、次第にツッコミどころに
爆笑が湧き始めた。最後には大爆笑で、トミーの名前が連呼される事態になった。
途中で悄然として「客が笑っている・・・」というが、親友は「ちがうよ、ウケているんだよ。
ヒッチコックがウケたか?」と励ます。劇場に再び入ると場内はスタンディングオベーション!
トミーは「私のコメディーを楽しんでくれたかい?この映画が出来たのは親友がいたからだ」とか
美しいことを口にするのだった。因みにタイトルと中身は全然関係ない(とされる)。

最初は大失敗の映画だったがその後、口コミでカルトな流行が広がり、今でも世界中で公開が続いて
いるという。トミー・ウィソ-は依然として謎な人物なままだという。

少し前に史上最低の監督といわれた「エド・ウッド」をジョニー・デップ主演で観たが内容は異なれど
共通するのは映画に対する異常な愛情だ。
ジェームズ・フランコ自身も頭はいいのにセス・ローゲンなどと組んでおバカ映画ばかりつくっているし
しかもこの映画をIMAXで上映したというから、何を考えているのかよくわからないのはトミー・ウィソー
に似たりよったり。彼の映画に対する映画愛がこれを作らせたのだな。先にも書いたがラストでの、何ら
本編に影響のないこだわりのそっくりカットを観ればそれが分かるというものだ。
個人的に好きなシーンは、トニーが屋上に出てきて、「殴ってない!オレはリサを殴ってない!嘘じゃない!(と空のペット
ボトルを床に投げつけ、)やあ、マーク!」という下り。トニーの感情の移動が出来ないセリフ棒読みが
たまらない。

WOWOWで放映した本作、何も知らずに観たのだが、「エド・ウッド」並の衝撃を受けて、Blu-rayに
保存することにした。またゆっくり見る機会もあるだろう。ジョン・カーペンターの感覚に似ているの
かもしれない。こうした映画バカによってハリウッドから名作も駄作も作られていくんだな、という
感慨が湧くのだった。

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<ストーリー>
1998年のサンフランシスコ。俳優になるために演技学校に通っていたグレッグ・セステロは、そこで
トミー・ウィソーという一風変わった男性と知り合いになった。
当初、ウィソーのオーバーな演技に唖然としていたセステロであったが、彼の独特な風貌とアクセント、
エキセントリックな振る舞い、自分の過去を決して語らないというスタンスに好印象を持つようになって
いった。その一方、演技指導を担当していたジーン・シェルトンはウィソーの演技を厳しく批判した。
「ここで燻っていても道は開けない」と考えたウィソーの薦めで、セステロはロサンゼルスに引っ越す
ことになった。

それが功を奏したのか、セステロは芸能事務所と契約することができた上に、恋人(アンバー)を
見つけることもできた。一方のウィソーはオーディションに落ち続けていた。親友が公私ともに順調なの
を見て、ウィソーはグレッグに嫉妬心を燃やし始めた。
しかし、セステロも映画出演には至れず、徐々に苛立ちが募っていった。そんなある日、セステロは
冗談のつもりで「自分たちで映画を作ってしまえば良い」と言ったところ、ウィソーはそれを本気にして
しまった。彼は何かにとりつかれたように『The Room』の脚本を書き上げていった。

ウィソーの行動力は並外れたもので、資金や機材、スタッフを次々に調達してきた。しかし、彼には映画
製作に関する知識も経験もなかった。当然、そんなウィソーが指揮を執る撮影現場は大混乱に陥ることと
なった。(引用:Wikipedia)

<IMDb=★7.4>
<Metacritic=76>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:91% Audience Score:86% >
<KINENOTE=74.2点>



by jazzyoba0083 | 2019-11-20 10:30 | 洋画=た行 | Trackback | Comments(0)

●「ターミネーター:ニュー・フェイト  Terminator:Dark Fate 」(2回目)
2019 アメリカ Paramount Pictures,Twentieth Century Fox,Skydance Media.129min.
監督:ティム・ミラー 製作:ジェームズ・キャメロン 脚本:ジェームズ・キャメロン
出演:アーノルド・シュワルツネッガー、リンダ・ハミルトン、マッケンジー・デイヴィス、
   ナタリア・レイエス、ガブリエル・ルナ他

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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
連続して同じタイトルのブログを書くというのは恐らく初めて。今日再びシネコンに行って
来た。何故か。ジェームズ・キャメロンの脚本が一回観た時に感じたように、スカスカなはずは
無い、と思って確認してきたのだ。

どうやら、眠気に負けてかなりの重要な部分を見損ねていたようで、そこはキャメロンとティム・
ミラー監督に謝らなくてはならない。T2の正統な続編ということでタイムラインを揃えるのに苦労
するのだが、ラストシークエンスは分かりづらいと感じた。以下、整理してみる。(ネタバレです)

・冒頭、サラ・コナーが押さえつけられながら1997年の8月に人類は滅びるのよ、と絶叫する
 シーンが登場する。
・次のシーンは1998年。結局、サラ・コナーの活躍により、核爆発による人類の絶滅は回避された
 ということが示される。(サラ・コナーとジョン役のエドワード・ファーロングはCGにより若い
 姿で登場する)
・そこに、シュワちゃん風貌のT800が現れて、ジョンを射殺してしまう。
 (T2で溶鉱炉に消えたT800とは別タイプの機械ということになる)
・さらに22年後。ということは2020年ということになると思う。舞台はメキシコ。
 夜空から全裸の女性が降ってくる。彼女は強化型人間の兵士グレースであった。
・未来の世界。「リージョン」というAIが人類に戦争を仕掛けた。(これは「スカイネット」
 と同様の構図。しかし、この映画では「スカイネット」の未来は存在しない。)
 その戦争から人類を救う自動車工場で働くダニ-という女性を守るためにグレースは2043年の
 未来から送り込まれたのだった。
・ダニーを抹殺スべく送り込まれたのはREV-9というターミネーター。彼は液体金属で出来て
 いて、変幻自在に姿を変えバラバラになってもまたくっつくというT1000より高度な殺人
 マシンであった。この辺りまでは前回観た時の感想のように、1,2作目の筋書きとほぼ同じ
 スタイル。
・最初のグレースとREV-9の戦いの場は自動車工場。プレス機にREV-9を挟むのは初作への
 オマージュだろう。これではREV-9は死なないけど。
・手強いREV-9に追われ、カーチェイスになる。なぜ自分が逃げているのか、途中で弟が殺さ
 れるのだが、その不条理も理解出来なかった。しかしグレースの話を聞くと次第に事情が分か
 って来たのだった。
・カーチェイスで追い詰められたグレースとダニ-。そこに一台の車が。サラ・コナーの登場だ。
 彼女はすごい武器を使ってREV-9を橋の下に落とし、手榴弾を投げて爆発させる。
 「I'll be back」と言って橋の下にREV-9が死んだかどうか確認に降りた時、グレースと
 ダニーはサラ・コナーが乗ってきた車を奪い逃走した。REV-9は死んでいなかった。
・サラ・コナーはジョンを救えなかったことを嘆き、酒浸りになりつつ、22年間復讐のターミ
 ネーター狩りをし続けていたのだった。
・グレースは未来の反乱軍で兵士をやっていたが、志願して強化型となった。全身機械ではない
 ので水や食料、また薬が必要となる、という点が説明される。
・薬局を襲い、薬を手に入れたグレースとダニーにサラ・コナーは追いつく。
・そこでグレースから人工知能「リージョン」に支配され何十億もの人間が殺される世界が
 未来にあり、その世界を救うのがダニ-なのだ、と未来の出来事が語られる。その時は
 まだサラ・コナーはダニーが生む子供がジョンのように世界を救うのだと信じていた。
・しかし、未来のダニーにグレースは救われ、世界を救うのはダニ-本人であることが分かる。
・サラ・コナーには発信人不明のメールが来て、ターミネーターの居場所を教えてくれるので
 それで狩りをしていたと説明。今回グレースたちのもとに来れたのもそのメールが来たから。
 メールにはいつも最後に「For John」と書かれているという。
・グレースはサラの携帯を取ると分解し、指に当てると、発信地がアメリカのテキサスである
 ことが分かる。「未来の常識」だと。
・ヘリでテキサスに向かうと、ログハウスにはあのT800がいたのだ。怒りに震えるサラは彼を 
 殺そうとするが、グレースらに止められる。
・ジョンを殺害後姿をくらましていたT800は、カールと名乗りカーテン屋を営んでいた。彼は
 シングルマザーを引き取り男の子と生活していた。「スカイネット」の未来がなくなり指令が
 来なくなったT800は親子の生活を重ねるとサラの気持ちが分かるようになり、改心して人間
 らしく生きようと決意してきたという。しかしターミネーターが現れると感知出来、この情報を
 サラにメールで送っていたのだった。
・REV-9の必殺武器を米軍の少佐が持っている情報を得て、彼らは国境を超え基地を目指す
 ことに。
・一行はダニーの叔父の手引で国境を超えてアメリカに密入国しようとするも、REV-9が先
 回りしていて、あっさり国境警備隊に捕まる。エネルギーが切れていたグレースは医師らに
 よって体の秘密を知られてしまう。

その後、執拗に追い続けるREV-9とダニーを守るグレースとT800の戦いが続く。その
アクションシーンはキャメロンいわくT2の2倍だというが、実際はそれ以上に感じる。CGの出来が
T2時代から遥かに進んだこともあり、空中戦などは迫真で観ていてチカラが入る。

最後はダムに墜落した輸送機と追ってきたREV-9の戦いだ。結局、何をしても死なないREV-9
に対し、グレースは自分の体内エネルギー発生機を使えばREV-9の神経系をダメにできると
いう。それをやるとグレースは死んでしまう。だがグレースは自分はダニーを守るために送られて
きたし、未来ではグレースはダニーに助けてもらったから、と自分の体内の装置を取り出せという。
泣く泣くグレースからエネルギー発生機を取り出し、REV-9の目に突き刺す。しかし、なかなか
REV-9は死なない。そこに気絶していたT800が再起し、REV-9の頭を押さえ、発電タービンの
中で大爆発を起こしREV-9を道連れにして両者とも破碎されて絶命したのだった。

ラストシークエンスは公園で遊ぶグレースと呼ばれる娘を見つめるダニ-。そこにサラ・コナーが
ジープで乗り付け、未来に対する覚悟を促す。そこで映画は終わる。

眠気にかまけていた前回鑑賞時に比べると、アクションが堪能出来たし、筋もよく見えた。最後の
グレースという少女は犠牲になったグレースとは違う人物だよね。「グレースに二度目の苦労を
味あわせたくない」とダニーは言うが。

キャメロンの脚本もよく理解できたし、T2からの経緯の細かい綾みたいなものもよく見えた。
だがしかし、である。やはり「T2」を観た時の衝撃以上のものは感じられなかったな。
最後にT800が自己犠牲になるシーンも前に溶鉱炉に消えたシーンを観ているから、あまり
悲しいとは言えなかったし。

それより、ダニーが将来「リージョン」とどう戦うようになるのか、次作に期待したいところだ。
(ストーリーや各評価サイトの情報は前回のブログを参照ください)

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by jazzyoba0083 | 2019-11-15 12:20 | 洋画=た行 | Trackback | Comments(0)

●「ターミネーター:ニュー・フェイト  Terminator:Dark Fate 」
2019 アメリカ Paramount Pictures,Twentieth Century Fox,Skydance Media.129min.
監督:ティム・ミラー 製作:ジェームズ・キャメロン
出演:アーノルド・シュワルツネッガー、リンダ・ハミルトン、マッケンジー・デイヴィス、
   ナタリア・レイエス、ガブリエル・ルナ他

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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
ずっとこのシリーズを観てきて、最近のグダグダ具合から、「オワコン」か、と感じていたが、
初作、2作目を監督したジェームズ・キャメロンが後ろに付いている、という事、監督が
私の大好きな「デッドプール」のティム・ミラーであること、前宣伝が「パート2」の正式な
続編、と、わざわざ断っていたこと、などから大いに期待してシネコンに出かけたのだった。

正直言えば、肩透かしを食った。眠かった。ネットで日本での公開からの感想を読むと高評価を
与えている人が多いが、私はそれほどでもない、と感じた。

まず、ストーリーが、初作からパート2へと続く物語のオルタナティブなものじゃないかと
感じたこと。T800のシュワちゃんの役割を女性版のグレースを置き、(グレースはジョン
の立場のあわせ技という感じ)みんなでチカラを合わせて未来から送られてきたREV-9という
新型のターミネーターと戦うのだ。これは、1と2の流れと根底は同じだ。ラストはやや平和な
描き方となるのも弱いかな、と感じた。続編はありな感じ。

さらに未来から送られてくる(すでに「サイバーダイン」社の「スカイネット」ではなく新しい
「リージョン」という人工知能がコントロールする世界らしい)REV-9は、T-1000以上の
トランスフォーム能力を持っていて、ちょっとやそっとでは破壊できそうにない感じではある。
だが、T2当時のT1000のあの金属が自在に変化する驚きほどの感じはない。
(各戦闘シーンは華々しいが)
故にあの手この手で対抗するがなかなかREV-9を破壊できない。故に戦闘シーンが長い。
故に眠くなる。

「ターミネーター3」以降は無かったことにして、冒頭サラ・コナーと息子ジョンの登場、
ジョンを殺すシュワちゃん様のT800の顛末が描かれ、これは3以降の全く別の世界が展開さ
れるのだな、という意思を表明する。
そしてサラ・コナーの活躍で未来が救われた22年後、シュワちゃんは隠遁生活をしていたの
だった。つまりT2でジョンを救い溶鉱炉に消えたT800とは別のT800なのだ、という事
なのだ。本作のT800は、ジョンを殺したのち、人間らしい暮らしをしていたのだった。
(ありゃまw)
サラ・コナーはこの戦いにシュワちゃんを引っ張り出す。彼には家族がいたのだ。それもまた
新鮮なシチュエーションではあった。出かけるときに「I won't be back」と言って去るのも前作
へのオマージュだ。そうしたオマージュは各所に見られる。全体を通してオマージュが過ぎる感じ。

未来からやってきたのは今度は女性。グレースと名乗りREV-9と戦う。それはメキシコの自動車
工場で働くダニ-という女性を守るためだ。ネタバレでいうが、本作ではこの女性が生む子供が
将来の地球を救うという前回のストーリーをなぞるのではなく、ダニー本人が将来世界を救うと
いう(か、「リージョン」の脅威となる)存在として描かれる。

彼女の存在を消すべく「リージョン」はREV-9を現在に送り込み、これに対決すべく追いかけて
きたのがグレース。
彼女に味方するのがサラ・コナーとシュワちゃんのT800なわけだ。グレースはTシリーズの
ように完全に改造された人型アンドロイドではなく、人間に近い、「強化人間」という点も
前作との違いを付けている点だ。

長々と書いたが結局、全体のコンセプトは初作とT2と同じということ。グレースは悲劇的な
最期は遂げず、将来のグレースが強化人間にならないように、今のグレースを大切に育てる
ことになったということで幕となる。

うーん、初作とT2好きの私としては物語のニューマンな点などは買いたいし、各アクション
シーンは工夫されていたと思うけど、あまりにも繰り返しが長すぎて飽きるんだよね。
確かにストーリーはT2からの繋がりとはなっているけど、なっているだけの感じで、続編を
作りたいために製作しました、って感じを拭えない私。

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<ストーリー>
「ターミネーター」シリーズの生みの親ジェームズ・キャメロンが製作・原案として「ターミ
ネーター2」以来の復帰を果たし、同じく同作以来のシリーズ復帰となるサラ・コナー役の
リンダ・ハミルトンを主演に迎え、改めて「ターミネーター2」の直接の続編として贈るSF
アクション大作。
シリーズの顔アーノルド・シュワルツェネッガーも再登板し、“審判の日”が回避されたはずの
人類を待ち受ける新たな衝撃の運命を描く。
共演はシリーズ初参加となるマッケンジー・デイヴィス、ナタリア・レイエス、ガブリエル・ルナ。
監督は「デッドプール」のティム・ミラー。

 メキシコシティの自動車工場で働く21歳の女性ダニーは、未来からやって来たターミネーター
“REV-9”の突然の襲撃に遭う。絶体絶命の窮地を、今度は未来から送り込まれた強化型兵士の
グレースが救う。それでも執拗に迫ってくるREV-9にグレースが手を焼いていると、どこから
ともなく伝説の女戦士サラ・コナーが現われ、REV-9を撃退する。
グレースによると、ダニーの命には人類の未来がかかっているという。やがてダニー、グレースと
行動をともにするサラの前に、かつて溶鉱炉で消滅したはずの旧型ターミネーター“T-800”が姿を
現わすが…。(allcinema)

<IMDb=★6.5>
<Matacritic=54>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:72 Audience:84>
<KINENOTE=74.0点>






by jazzyoba0083 | 2019-11-09 12:15 | 洋画=た行 | Trackback(1) | Comments(0)

「誰もがそれを知っている Todos lo saben(Everybody Knows)
2018 スペイン Memento Films Production and more. 133min.
監督・脚本:アスガー・ファルハディ
出演:ハビエル・バルデム、ペネロペ・クルス、リカルド・ダリン、エドゥワルド・フェルナンデス他

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<評価:★★★★★★☆☆☆☆+α>
<感想>
「スペインの田舎町を舞台に、盛大な結婚パーティのさなかに発生した少女誘拐事件をきっかけに、
事件解決に奔走する家族がひた隠していた秘密が少しずつ明らかになる中で、それぞれに闇を抱えた
登場人物たちが織りなす疑心暗鬼と愛憎の人間模様を描き出す。」(allcinema)

超手短にいうとそういうことなんだけど、何だか「家族親族の秘密は愛憎が薄皮を剥ぐように」
あからさまになっていく面白さをあまり感じなかった。時間がかかってダラダラした感じを受けた。
ハビエル・バルデムはワインの葡萄を生産する農家。この土地の所有を巡ってひと悶着ある上に、
結婚する妹の姉が、今はアルゼンチンで生活するペネロペ。かつてハビエルと恋仲だった。
しかし、ハビエルは別の女と結婚しブドウ農家として成功していたのだ。

結婚披露宴の最中に、ペネロペの娘がいなくなり、誘拐したので身代金を用意しろ、と要求が来た。
警察には一切知らせない。事件を知らされたペネロペの夫リカルド・ダリンもアルゼンチンから
駆けつけた。ハビエルは農園を売って身代金を出す、と言い出す。当然今の妻はなぜ?と彼を
責めるわけだ。

実はペネロペの娘はハビエルの子なのだな。夫のダリンもそのことを知っている。
しかしペネロペがハビエルに告白したことから妻がしるところとなってしまう。
故にハビエルは実の娘を救い出したいわけだ。一方、ペネロペの父は自分の土地をハビエルが
安く買い叩いたと文句をいい、ぶどう畑を売って身代金を用意すべきだ、と主張する。

しかし、この誘拐、実は親類が起こした事件だったのだ。裏にはペネロペの父の土地を
巡る怨念があった。

この監督の「セールスマン」は観た。どこか人生や家族の不条理みたいなものを感じた
覚えがある。本作もその手の雰囲気を持っていると感じた。
しかし、どうも全体として締りがない。誘拐された娘がハビエルの娘だということがクローズ
アップされ過ぎた感じで、肉親や大家族の相克みたいなものが薄いと見えた。
もっと話を整頓して時間も2時間以内にしたほうが締まったし説得性が出たのではないか。
玄人受けする映画。

スペイン美人がみんなペネロペに見えて困った。結婚式で友人が撮影したという体のドローン
映像が面白かった。

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<ストーリー>
「別離」「セールスマン」のアスガー・ファルハディ監督が、ペネロペ・クルスと
ハビエル・バルデムを主演に迎えたサスペンス。
スペインの故郷で久々に再会したラウラの家族と幼なじみ。しかし、結婚式で起きた娘の
失踪をきっかけに、家族の秘密と嘘が綻び始める。共演は「しあわせな人生の選択」の
リカルド・ダリン。(後略)

アルゼンチンに暮らしているラウラ(ペネロペ・クルス)は、妹の結婚式のため故郷
スペインに帰省し、ワイン業を営む幼なじみのパコ(ハビエル・バルデム)や家族との
再会を果たす。
だが、その喜びも束の間、結婚式の後に催されたパーティーの最中、ラウラの娘イレーネが
行方不明となり、やがて何者かから巨額の身代金を要求するメッセージが届く。
絶望のどん底に突き落とされるラウラ。
そんななか、パコは時間稼ぎに奔走し、ラウラの夫(リカルド・ダリン)もアルゼンチン
から駆けつけるが、疑心暗鬼に陥った家族の内に長年隠されていた秘密が露わになって
いく……。(Movie Walker)



<IMDb=★7.0>
<Metacritic=68>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:79 Audieice Score:61>
<KINENOTE=75.3点>




by jazzyoba0083 | 2019-10-06 16:00 | 洋画=た行 | Trackback | Comments(0)

●「テルマ&ルイーズ Thelma & Louise」
1991 Pathé Entertainment (presents),Metro-Goldwyn-Mayer (MGM).128min.
監督:リドリー・スコット  脚本:カーリー・クーリ
出演:スーザン・サランドン、ジーナ・ディヴィス、ハーヴェイ・カイテル、マイケル・マドセン、ブラッド・ピット他

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<評価:★★★★★★★★★☆>
<感想>
1991年の作品を2006年に初見。その時の感想は当ブログに記載されているので下に貼っておきます。
このところBlu-rayで買い溜めてあった作品を観ているのですが、本作は既に観ているものの、再度観たく
なるだろう、観ておいたほうがいいだろうと感じてライブラリに加えておいたもの。

全体にアメリカン・ニューシネマの匂いがするが(特にラストは)90年代に入ったアメリカ、特に南部に
おける女性の立場が生んだ事件の背景をベースに置いて今日性を担保(※)し、個性豊かな二人の女性の、
次第にのっぴきならなくなる様子を活写した上質・上級なロードムービーとしてアメリカ映画史に残る
作品となった。

※=ラストシークエンスでハーヴェイ・カイテル扮する刑事が、FBIによる銃撃を止めさせようと
「彼女らは長いこと痛めつけられて来たんだ」という台詞に象徴されている。

13年前の初見の際の感想より、より深い物語を読み取ることが出来たと思う。それはテルマ(ジーナ)と
ルイーズ(スーザン)の全然違うキャラクターが、どうして最期は一緒だったのか、という絶望感と希望
の裏返しを私なりに読み解くことが出来たからである。

ルイーズはダイナーで働く女性で、恋愛関係にあるミュージシャンの男がいる。彼は結構誠実だ。家庭を
大事にするような男で、ルイーズを愛している。彼女は実際友人テルマと、ダイナーの経営者が持つ湖畔の
別荘に釣りをしたりする休日を楽しもうとしていたに過ぎない。しかし彼女の心の底には「女性は抑圧
されている」という不満はくすぶっていた。

一方、テルマは主婦であり、旦那は女房をセックス付きの家政婦くらいにしか観ていないDV男だ。女
なんか理解し無くて当たり前、家のことだけやってりゃいいんだ、と外では浮気をするという「クズ男」。
よってルイーズより普段から自分の人生に対する直截的な不満は感情レベルで沸騰気味だった。

それだけでは救いのない映画になってしまうところ、彼女らの犯行を追う刑事のカイテルが彼女らの理解
者として設定される。

そんな二人が出かけた先で、羽目を外したテルマが酒場でハーランという男とダンスしたのは良かったが
スケコマシのハーランにレイプされそうになり、それを助けたルイーズがたまたま用心に持ってきた38
口径で、女性として我慢がならない言葉に激怒して射殺してしまうところから、二人の人生そのものが
大きく変わっていく。

いろいろと理屈に沿って考えるタイプのルイーズに対し、直線的、感情的に行動する頭があまり良いとは
思えない(頭のネジが一ダースくらい緩んで抜けているような)行動をとる。二人は間逆な性格なのだが
特にルイーズがテルマのダメ亭主ぶりを理解している面が目立つ。そうした一見仲良くなれそうにない
二人が逃亡の道行き上、心を合わせ、そして最期は手を取り合ってジャンプしたか、は先に注釈で触れた
カイテルの言葉に象徴されるように、抑圧された女性の感情の共通性、共有ではなかったか。

やはりこの年のオスカーとゴールデン・グローブの脚本賞を獲ったクーリの脚本が良く出来ている。更に
ハズレがいないキャスティング。若きブラピのチンピラ強盗ぶり、カイテルの刑事、二人の女性に相対する
男性群。主役の二人ももちろんだが脇がとてもいいのだ。
ブラピは「バックドラフト」の出演のためこの映画を断ったウィリアム・ボールドウィンの代役として
出演。

さらにリドリーの演出。相変わらず短いカットを積み重ね、目まぐるしい感じもするがテンポがいい。
またクロマ(彩度)を意識した西部の光景、特に追跡シーンでのカメラワークのダイナミズム。
ブルースを多用したジマーの音楽、映画を構成するすべての面がいい塩梅で、これならいい作品になるな、
と納得したのだった。

66年型のサンダーバードがこれまたかっこいい。先日観た「勝手にしやがれ」でもサンダーバードが出て
来るのだが(55年型だけど)、このクルマ、キャディラック・エルドラドと並びアメリカを象徴する存在
なのだろう。

しかし、アメリカは広いなあ、とつくづく感じるロードムービーだ。
女性が快哉をさけび溜飲を下げたい時に観るといいかな。

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<ストーリー:結末まで書かれています
旅の途中での偶発事件をきっかけに、鮮やかに自己を解放していく女性2人を描いた女だけのロードムービー。
監督は「ブラック・レイン」のリドリー・スコット。
製作はスコットとミミ・ポーク、脚本はカーリー・クォーリ、撮影はエイドリアン・ビドルが担当。
出演はスーザン・サランドン、ジーナ・デイビスほか。

アーカンソー州の小さな町に住む、子供のいない専業主婦テルマ(ジーナ・デイビス)と、ウェイトレス
として独身生活をエンジョイするルイーズ(スーザン・サランドン)の2人は、退屈な日常に別れを告げ
ドライブヘ出掛けた。夕食を取るためカントリー・バーへ立ち寄るが、悪酔いしたテルマは調子に乗り、
店の男ハーランと姿を消す。行方を追い駐車場へ向かったルイーズは、レイプされかかっているテルマを
発見、ハーランに銃弾を撃ち込んだ。

週末旅行から一転、逃避行へと化したものの有り金がない。仕方なくルイーズは恋人のジミー(マイケル・
マドセン)に助けを求めた。一方テルマは夫のダリル(クリストファー・マクドナルド)に連絡を入れるが、
身勝手な夫は一方的に責めるばかり。呆れたテルマはメキシコヘ逃亡することに同意した。

オクラホマでジミーから現金を受け取るふたりだったが、前日車に乗せたヒッチハイカーのJ・D
(ブラッド・ピット)にまんまと持ち逃げされてしまう。泣きわめくルイーズを尻目にテルマはスーパー
強盗に成功、しかしその一部始終はビデオ・カメラに収められ、犯行はハル警部(ハーヴェイ・カイテル)ら
の知るところとなった。
次第に逃走経路を狭められるまま、依然ニュー・メキシコのハイウェイを疾走。立ちはだかる警官や野蛮な
トラッカーを排除し、アリゾナ州の大峡谷へ辿り着いたが、遂にふたりは警官隊に取り囲まれてしまう。
しかしもはや後退することを知らぬ2人はアクセルを踏み、大峡谷へと車ごとダイビングしていくのであった。
(Movie Walker)

<IMDb=★7.4>
<Metacritic=88=Must See>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:84% Audience Score:82%>
<KINENOTE=75.2 点>







by jazzyoba0083 | 2019-09-03 23:40 | 洋画=た行 | Trackback | Comments(0)

●「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男 Trumbo」
2015 アメリカ Bleecker Street Films,ShivHans Pictures,Groundswell Productions. 124min.
監督:ジェイ・ローチ  原作:ブルース・クック「(映画と同名)」
出演:ブライアン・クランストン、ダイアン・レイン、エル・ファニング、ジョン・グッドマン、
   マイケル・スタールバーグ、ヘレン・ミレン他

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<評価:★★★★★★★☆☆☆+α>
<感想>
マッカーシーの赤狩りと対決したエド・マーローを描いた「グッドナイト&グッドラック」の再見に合わせて、
レンタルで鑑賞した。
終戦後から1960年前半くらいまでのアメリカにおける共産党運動がクルーニー作品と併せて観るとより立体
的に理解出来る。ダルトン・トランボはいわゆる「ハリウッド・テン」と称されるハリウッドの容共過激派と
見做された一派だが、「ローマの休日」を友人名を借りて書いてオスカーを獲り、近年その名誉が回復された
ニュースで知った人だ。今回もそのエピソードは出てくる。

マッカーシズムと言われる共産党とそのシンパの摘発がピークに達する前から、なぜアメリカに共産党員が
多くなったかという部分から本作は始まる。
第二次世界大戦当時まで連合国として枢軸国側と対峙したソ連はアメリカの同盟国で、ファシズムと戦う
その思想はアメリカのアンチ・ファシズムの労働階級に受け入れられ、市民運動と一体化して裾野が広がって
いった。しかし、終戦後は一転、共産主義はアメリカの自由主義を侵食するものとして、特に共和党から
指弾告発されるようになる。
原子爆弾の秘密をソ連に渡したとして有罪となったローゼンバーグ事件も本作に出てくる。実際ハリウッド
にも共産党員はいたし、すでに人気脚本家として活躍していたトランボも一時期アメリカ共産党に属していた
こともある。大体、トランボは大戦前から「ジョニーは戦場へ行った」などの反戦的小説を書いて当局から
睨まれてはいたのだ。

ただ、トランボはハリウッドの経営者が映画の儲けを独り占めしてしまい、スタジオの労働者たちにはその
恩恵が回らない状況を苦々しく思っていた。要するに金持ちの社会主義者だったのだ。
次第に社会主義者に対する締め付けはキツくなり、全国的に密告や告発の恐怖に覆われる暗い時代になって
しまった。
そういう時代を更に悪くしたのが、嘘八百を並べて無実の人を摘発したアル中の共和党上院議員マッカーシー
だったのだ。それを援護したのがニクソンでありレーガンだった。

ハリウッドにもジョン・ウェインを中心とする「アメリカの理想を守る映画連盟」という組織が設立され、
非米活動委員会への協力が推進されていた。ハリウッドの中でも保守派と労働運動を支持する一派が分かれ
ていたが、スタジオの経営者らはジョン・ウェインらの味方となり、トランボたちは次第に仕事を失って
いく。遂にはハリウッド・テンと呼ばれる主要メンバーは議会に召喚され、トランボは証言を拒否したり
反論したため議会侮辱罪として刑務所に入ることになってしまった・・・。

その後、トランボは出所し、偽名で脚本を書いたりして口に糊していたがマッカーシズムもマローや議会、
軍などの力で終焉を迎え、またハリウッドの中でもカーク・ダグラスやオットー・プレミンジャーといった
映画人、キング兄弟のようにB級映画製作者だが反骨精神に満ちた人々が動き出し、ハリウッド・テンや
「ブラックリスト」も次第に有名無実になっていった。

本作ではトランボと彼を取り巻くハリウッドの革新派の仲間たち、トランボに理解を示しながら家を守る
妻(ダイアン・レイン)、娘(エル・ファニング)息子の家族の団結の様子、キング兄弟(ジョン・グッド
マン)の行動、トランボの友人で最初は彼を援助していたが後に議会で彼らの名前を出してしまうエドワード
・G・ロビンソン(スタールバーグ)、保守派ジャーナリスト(ヘレン・ミレン)、それにカーク・ダグラス
やオットー・プレミンジャーの行動を描き、トランボとその時代、また家族の団結を映画いていく。
キモになるところに重要なキャスティングがなされていて映画が引き締まっていた。

結局トランボはローバート・リッチ名義でキング兄弟のスタジオで製作した「黒い牡牛」でオスカー
脚本賞を受賞、彼はリッチは自分であるとカミングアウトし、それをカーク・ダグラスらが援護し、
ハリウッドの赤狩り旋風は収束していく。カーク主演、プレミンジャー監督の「栄光への脱出」はトランボの
名前がクレジットされていた。トランボの死後、「ローマの休日」のオスカーも渡され、映画の
クレジットもトランボの名前が追加された。

トランボの正義に関わる信念と、家族の様子が一番、響いた。前半はテンポ良く背景を説明し、後半は
トランボの苦悩と時代の変化を人間味いっぱいに描いていく。個人的にはヘレン・ミレン演じた保守派の
女性ジャーナリストがもう少しギャフンとなったら良かったのに、と感じた。トランボを熱演したブライアン・
クランストンが良かったし先述のようにキモに名優と呼ばれる人たちを配したのも効果的だった。

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<ストーリー>
1940年代から50年代にかけてアメリカで猛威をふるった赤狩りによってハリウッドを追われながらも、
偽名で活動を続け、「ローマの休日」など数々の名作を世に残した不屈の脚本家ダルトン・トランボの
苦難と復活の軌跡を映画化した感動の伝記ドラマ。いわれなき汚名による迫害に屈することなく己の
信念を貫いた男の物書きとしての矜持を、愛する家族との強い絆の物語と共に描き出す。
主演はTV「ブレイキング・バッド」のブライアン・クランストン。監督は「ミート・ザ・ペアレンツ」
のジェイ・ローチ。

 第二次世界大戦が終結し、米ソ冷戦体制が始まるとともに、アメリカでは赤狩りが猛威をふるう。共産
主義的思想は徹底的に排除され、その糾弾の矛先はハリウッドにも向けられる。
売れっ子脚本家だったダルトン・トランボは、公聴会での証言を拒んだために議会侮辱罪で収監され、
最愛の家族とも離ればなれとなってしまう。1年後、ようやく出所したトランボだったが、ハリウッドの
ブラックリストに載った彼に仕事の依頼が来ることはなかった。そんな中、家族を養っていくためにB級
映画専門のキングス・ブラザース社から格安の仕事を請け負い、偽名で脚本を書きまくるトランボだったが…。
(allcinema)

<IMDb=★7.5>
<Metacritic=60>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:74% Audience Score:79% >
<KINENOTE=80.6点>





by jazzyoba0083 | 2019-07-30 23:10 | 洋画=た行 | Trackback | Comments(0)

●「タクシー運転手~約束は海を超えて A Taxi Driver」
2017 韓国 The Lamp.137min.
監督:チャン・フン
出演:ソン・ガンホ、トーマス・クレッチマン、ユ・ヘジン、リュ・ジョンヨル、パク・ヒョックオン他

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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
1980年の光州事件はすでに社会人になっていた私にはリアルタイムの経験であった。前年に朴正煕暗殺事件が
起き、軍部の全斗煥が政権にを握り当時の韓国は日本一般市民にはまだまだ距離がある混沌の国の印象だった。

全斗煥は政敵・金大中を逮捕、彼の出身地である全羅南道の最大都市光州市では、学生を中心に抗議の声が
上がった。これが後に光州事件と呼ばれる民衆弾圧の端緒だった。

本作はこの事件の最中に、ドイツメディアの東京支局ピーターが現地に取材に入り、現地で起きた事実を
全世界に発信した数少ない報道となったが、それを影で支えたソウルのタクシー運転手キム・マンソプの
悩みと行動を描いた実話に基づいている。

前半は韓国映画一流のコミカルな味わいも有りつつ、後半光州の事件現場がメインになってくると俄然
サスペンスフルな社会派な作風となる。たかだか40年前の韓国で軍部が民衆を弾圧するという民主主義に
反する事件があったのだ、と今更ながら韓国という国の成り立ちの複雑さに想いを致すと同時に、この手の
政権告発型映画が日本で作られない権力への阿り、忖度、物言えば唇寒し的な現状に怒りと諦めが湧き上がる。
(「新聞記者」がもっともっとヒットすればいいと思う。それとこれに続く昨日が生まれることを願う)

光州事件では実際にタクシーが活躍した状況があったようだが、本作でもソウルから来たタクシーと光州市の
義憤に駆られたタクシー運転手らがチカラを合わせ、権力に対峙し、自らを犠牲にしながら、マンソプと
ピーターをソウルへと逃がすのだ。(だいぶ脚色はされているだろうが) 白眉はソウルへと逃げるマンソプの
タクシーをKCIAや軍のクルマが追跡するのだが、光州市のタクシー軍団が権力側のクルマを邪魔して、
マンソプのタクシーを逃がすカーチェイスシーンか。それ以前に一度はピーターを残して光州市を去るマンソプ
の悩み、自分はピーターを空港へ無事に送り届けるという仕事を受けた義務がある、という仕事と事件を
客観的に見つめる行動が描かれ結局マンソプは引き返してピーターを乗せるのだが、それがカーチェイス
シーンに重さを与えていた。また権力側の発表のみの報道はいかに国民の目を騙すか、というシーンも
描かれていた。

映画前半の部分で多少カット出来るところがあったかな、という恨みは残るが、エンターテインメントの中に
事件を描く作品としてはよく出来ていたのではないかと感じた。ソウルの豊かでないいちタクシー運転手が
高額な代金に釣られて特派員を光州に運ぶが、事件に触れ、市民に触れるに及び次第に覚醒していく様は
分かりやすい。彼は最初は学生たちを批判さえしてたのだ。
本作の感想の一つに「韓国版キリング・フィールドだ」というのがあって、同作品を未見だった私は急いで
「キリング・フィールド」を観た。そして描かれる世界に圧倒されたのだった。事件のありようとか
規模とか異なるところは大きいが、自らの職業に自信を持つ一般市民がマスメディアの人間を助けるという
構図は多くの部分で重なる。ただし、キリング~のプランはクメール・ルージュに捕らわれ更に地獄を見るわけ
だが。

本作ではエンディングに亡くなる前の本物のピーターが登場し、「是非一度再会したい。君のタクシーで
今の韓国をドライブしたい」と語りかけるシーンがある。結局空港へピーターを届けたマンソプ(実際は
キム・サボク)は彼に偽の名前を知らせたため生涯で再会を果たすことは叶わなかったという。
しかし、本作をマンソプの息子が観て自分の父だと名乗り出た結果、ピーターの未亡人が公開後の2017年
ソウルを訪れ文在寅大統領と映画を鑑賞したという。80年代のクルマを集めるのは大変だったのではないか。

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<ストーリー>
1980年5月に韓国の全羅南道光州市(現:光州広域市)で起こった民主化を求める民衆蜂起の光州事件が描かれ
ている。史実においては全斗煥らによるクーデターや金大中の逮捕を発端として、学生や市民を中心とした
デモが戒厳軍との銃撃戦を伴う武装闘争へと拡大していった。
作中ではソウルのタクシー運転手キム・マンソプは、10万ウォンと言う高額な運賃が得られることを期待し、
ドイツ人記者のピーターを乗せ光州へと車を走らせ、検問を掻い潜り光州へ入る。そこでピーターは軍による
暴虐を目撃し、その事実を全世界に発信するため撮影記録を持ち帰ることを決意する。キムも、仲間や市民と
の出会い、そして無残にも次々に死んで行く彼らを見るうち、次第にピーターの使命を理解するようになり、
クライマックスではピーターのカメラを没収しようとする政府の追手とカーチェイスをしながらソウルへと
戻る(wikipedia)

<IMDb=★7.8>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:96% Audience Score:90%>
<Metacritic=69>
<KINENOTE=82.6 点>




by jazzyoba0083 | 2019-07-10 23:00 | 洋画=た行 | Trackback | Comments(0)

誰も知らない

●「誰も知らない」
2004  日本 シネカノン 141分
監督・プロデュース・脚本・編集:是枝裕和
出演:柳楽優弥、北浦愛、木村飛影、清水萌々子、韓英恵、YOU、平泉成、木村祐一、加瀬亮、寺島進、遠藤憲一他

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<評価:★★★★★★★★★☆>
<感想>
是枝監督作品鑑賞9本目。カンヌ映画祭で柳楽優弥が史上最年少の主演男優賞を獲得し、是枝監督の名前も一躍
国際的になった記念すべき作品。これから観る本作の3年前の作品「DISTANCE/ディスタンス」はオウム事件に
ヒントを得、本作も実際にあった事件をベースにしている。最近作「万引き家族」に通ずるドキュメンタリスト
是枝裕和の側面が強く出た社会性の強い作品だ。

彼の作品はどれでもそうだが子供の演技の上手さとそれを通しての存在が大きい。本作はまさにそのものズバリの
物語で、親に捨てられた全員父親違いの子供4人が主人公だ。配給会社のタグラインにあるように「生きているのは
大人だけですか?」との問いかけが、本作の主軸。少々長い映画だが、4人の子供の(後半物語に入ってくる一人の
女子高生紗希がいるが)「生きる」話である。彼らはひたすら「生きる」のみ。恐らく出生届けなどはしていない
のだろうから、戸籍もないのだろう。故に学校へは行っていない。特に長男明の、弟や妹の世話を焼きながら
家計を切り盛りし、それぞれの父親に金の無心にいく。やがて電気が止まり、水道も止まり、たまたま夏だった
から公園の水道を使い、得体の知れない種を拾ってきてベランダで育てて観たりする。コンビニの廃棄食料を
仲良くなった店員から貰ったり。

冒頭は引っ越しのシーンから始まる。子供は一人、と大家に説明するものの、本当は他に3人子供がいることが
バレて、その度にアパートを引っ越す生活。最初は母(YOU)も、何の商売をしているのか分からないが、金を
持ってきたし、一ヶ月も大阪に行ったままになってもとりあえずは帰ってきたり、現金書留を送ってきていたり
していた。しかし、クリスマスには帰る、と行ったきり、放置状態となった。
コンビニの女定員に「警察とか福祉事務所に助けを求めたら」というような事を言われるが、これまでそうやって
兄妹がバラバラになったことがあったらしく、明はそうしようとは思わない。あくまでも自分らで暮らしていこう
とする。

明を中心に極貧の生活を送る生活に大人が介在してくるたびに大人の無責任さがあからさまにされる。特に親が。
観ている人は、明を通して、子供を放置する無責任で頭の悪い大人に怒りを覚える。明だって当然怒りを覚えて
いるに違いないし、学校へ行きたい。妹の京子も学校へ行ってピアノを習いたかった。しかし、明は一切反発や
怒りの言葉を口にしない。それが尚辛い。12歳の明は、もはや大人に対する、或いは社会に対する信頼を失って
諦めの境地なのだろう。自分たちで出来るだけのことをやって、ダメならそれまで、と。そんなことを子供に
思わせる大人とは一体なんなんだと、と見ている人は猛烈な怒りを覚えるだろう。

案の定、一番したの妹ゆきが、椅子から落ちて死んでしまう。子供らはゆきが羽田に飛行機を見に行きたいと
行っていたことから、トランクに遺体を詰めて、モノレールで運び、飛行場が見えるところに穴を掘って埋めた。
引っ越してきた当時にゆきが隠れて入っていたバッグに入らないシーンがある。母に捨てられてからそれなりに
大きくなって、来た時のバッグには入らなくなっていたのだ。そんな細かいシーンが泣かせるし、何ものかを
訴えてくる。途中からいつも公園にいる不登校の女子高生紗希が加わる。彼女の背後に何があるのかは一切説明
されないが、やはり親から遺棄されているか、それに近い状態なのだろう。明ら兄妹の仲間のようになっていく。
自分の事はしゃべらないから身の上は一切わからないが、明ら兄妹とは自ずと同じ境遇の者同士、心が通じるの
だろう。

ラストは明ら子供らになんらかの解決の兆しもないまま、こうした生活がまだ続くのか、と思わせて終わる。
「親の愛情の欠如・無理解」「貧困」は犯罪の温床と言われる。明は学校へは行っていないが勉強もするし、
なんとか一家を支えようとする頭の良さもある。途中で悪の仲間に入りそうにもなるが、結局あまりの
貧乏に悪い仲間のほうが逃げ出す。明や兄妹や紗希がその後どうなるのかはオープンエンドである。

親に捨てられた子供の生活を精緻に描くことにより、大人への警鐘というか、大きなパンチを是枝監督は
社会に対して繰り出したに違いないと私には思えた。これまで観てきた是枝作品の上位に位置する作品だと思う。
(まあ、彼の映画は甲乙つけ難い、というのが本音だけど)

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<ストーリー>
秋。2DKのアパートに、母親のけい子と、12歳の明を筆頭に京子、茂、ゆきの4人の兄妹が引っ越して来た。
子供たちは、それぞれに父親が違い、学校にも通ったことがなかった。ある日、けい子が20万円の現金と明に
「妹弟たちを頼む」とのメモを残して姿を消した。
それから1カ月、4人での生活を続けていた子供たちの前に、ふいにけい子が戻って来る。「どこへ行っていた
のか」と尋ねる明に、「仕事で大阪へ行っていた」と嘯くけい子。そして再び、彼女は「クリスマスに戻る」と
言って部屋を出て行った。
しかしそれ以後、約束のクリスマスやお正月が過ぎても、けい子は帰って来なかった。

母親に捨てられた。そう気づいた明は、妹たちにそれを悟られないよう生活を続けていこうとするが、やがて
金も底を尽き、電気や水道も止められてしまった。明は、やりきれなさから妹弟たちに辛くあたることもあった。
そんな中、ゆきが椅子から転落して死んだ。公園で知り合った不登校の少女・紗希の力を借りて、ゆきといつか
飛行機を見に行こうと約束していた羽田へ向かった明は、そこに彼女の遺体を埋葬すると、アパートへと戻り、
遺された妹弟たちとの生活を再開する。(Movie Walker)

<IMDb=★8.1>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:93% Audience Score:93%>
<Metacritic=88=Must See>
<KINENOTE=79.1点>



by jazzyoba0083 | 2019-06-01 23:40 | 洋画=た行 | Trackback | Comments(0)