ツイステッド Twisted

●「ツイステッド Twisted」
2004 アメリカ Paramount Pictures.97min.
監督:フィリップ・カウフマン
出演:アシュレイ・ジャッド、サミュエル・L・ジャクソン、アンディ・ガルシア、デヴィッド・ストラザーン他
e0040938_1627192.jpg

<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想 注:ネタバレしています>
事前にネタバレの評価を読んでしまったので、バイアスが掛かってしまった。
IMDbの評価も低いし、録画だったがみるのをやめようか、と思ったが、まあまあ、
自分はどう感じるか、短い作品だし、観てみました。サミュエルの立場を知って見ちゃったので
楽しさ半分以下になってしまったのが残念だったが・・・。

アシュレイ・ジャッドは好きな美形女優さんだったのでこれにサミュエルとアンディならば
監督も監督だし、と思って録画しておいてのですがね。
さすがに10年前とはいえ、ふっくらしていた頃のアシュレイに比べればいささか容色は
衰えたとはいえども、まだまだ十分に美しい。しかし、アクションの動きがまるでなっていないので
(監督、NGを出さなかったのかなあ)、そのあたりは確かに鼻白む。
アシュレイの個人的ベンチマークは「ダブル・ジョパティ」「サイモン・バーチ」なので、それに
比べるとミスキャスト感が漂う。もう少し若い女優さんを使ったほうが良かったかなあ、と。

皆さんが指摘されるのは脚本のダメ具合なのだけど、この本を書いたサラ・ソープさん、
「バウンティ・ハンター」でもラジー賞候補になるので、あまり才能なかったのかな。2本で
終わってるし。 確かにいろいろとツッコミを入れたくなる流れではあるが、ボコボコに
言うほどでもない、「普通に出来の良くない」映画、といったことろじゃないか。

サミュエルが出てきた途端にネタがバレたという人もいるが、確かに怪しいツラしているけど
そうかなあ。途中で、アシュレイ演じるジェシカ刑事の父が母の浮気を知り母を殺して
自殺した、といわれている事件に関わっているというのは分かってくるのだけど。
本来、ジェシカがヤリマン刑事という設定の上に、そのヤッた相手が次々と惨殺される、と
いう事件が発生し、ジェシカはその犯人を追いつつ自分が犯人じゃないのか、と思う。
その辺りをせっかくカウンセラーと語る時があるのだから、あるいはフラッシュバックシーンも
あるのだからもう少し丁寧に語っておけばなあ、と。

両親を一気に失ったというPTSDなんだね。で、男を漁り、酒浸りとなったという・・。
こういう性癖のある警官が、殺人課の捜査官に昇進するんだが、そのあたりから「??」と
いう感じが。で、育ての親である本部長=サミュエルが真犯人なのはいいとして、その
動機が、ジェシカの母親への横恋慕だったと。確かに母親はジェシカそっくり(あ、逆か。
写真は同じジャッドだったと思う)の美人だったから無理もないけど。そんなかつての
憧れの君にそっくりな娘を大切に育てて、見事刑事にした本部長さん、第一容疑者の
ジャッドを捜査から絶対に外さないんだな。この辺りも、ネタばらしな感じだ。
パートナーであるアンディ・ガルシアの存在も勿体無い扱いだ。キャラクターがはっきり
しない。彼も殺されるのではないか、と濃く匂わせるとか。薬を盛った犯人と思わせるのは
無理がある。

警察専任の精神科医のカウンセリングを受けているような警官が殺人課の刑事になる
という設定、ジェシカという女性のキャラクター設定、真犯人=本部長の殺しの動機など
決定的とも言うべき欠点は確かに皆さんのご指摘通り。映画館まで行く映画では確かに
無いな。 残念な映画ではあることは確かだが、家で横になりながら暇つぶしに見るなら
まあ、見れないことはない。冒頭の霧のサンフランシスコはいい感じ。ジャッドの瞳に映る
カモメもいい感じ。実はジャッド、クビにナイフをつきつけられているんだけどね・・と
始まりはいいのだが。羊頭狗肉?
e0040938_16271919.jpg

<ストーリー>
「ついに憧れのサンフランシスコ市警殺人課捜査官に昇格したジェシカ・シェパード
(アシュレイ・ジャド)は、連続殺人犯として指名手配されていたカルターを一人で逮捕する
という好調なスタートを切る。だが新しい同僚は、ジェシカが女というだけで差別的な
視線を投げ掛ける。彼女には気分転換のため、バーで男を拾い、行きずりのセックスを
楽しむ習慣があった。捜査官になってから精神鑑定を要請されたジェシカだが、担当の
フランク医師(デイヴィッド・ストラザーン)は、彼女の両親が25年前に殺された事件を
知っていた。

そんな時、水死体が発見される。それはジェシカが、少し前に寝た男だった。そして第二の
殺人事件。その被害者も、ジェシカが数日一夜を共にした男。偶然では済まされない事態と
なり、ジェシカは同僚から犯人扱いされてしまう。
新しいパートナーのマイク捜査官(アンディ・ガルシア)や、父親代わりのミルズ本部長
(サミュエル・L・ジャクソン)からも注意を受けた。だが第三の被害者として、やはり一度
肉体関係を持ったことのある弁護士レイ(D・W・モフェット)が殺害された。第一発見者と
なってしまったジェシカはついに取り調べを受ける。だがやがて、彼女の血液から
レイプ・ドラッグが検出され、容疑は最近彼女に接近していたマイクに向けられる。
しかし犯人は、実はミルズ本部長だった。25年前にジェシカの両親を殺したのも
彼だったのだ。それを知ったジェシカはミルズを追い詰め、抵抗した彼を射殺するの
だった。」(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-11-13 22:50 | 洋画=た行 | Trackback | Comments(0)

刑事マディガン Madigan

●「刑事マディガン Madigan」
1967 アメリカ Universal Pictures.101min.
監督:ドン・シーゲル 原作:リチャード・ダワティ 『コミッショナー』
出演:リチャード・ウィドマーク、ヘンリー・フォンダ、インガー・スティーヴンス、ハリー・ガーディノ
    ジェームズ・ホイットモア、スーザン・クラーク、マイケル・ダン、シェリー・ノース他
e0040938_16191059.jpg

<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
本作の後、「マンハッタン無宿」や「ダーティー・ハリー」などクリント・イーストウッドを組んだ
作品など、西部劇も含め一貫してアクションを描いたドナルド・シーゲルの作品。
ウィドマーク主演と聞いただけで時代が分かっちゃうが、私が中学3年の時のものだ。
事件を追うというよりも、またアクションというよりも、刑事たちの人間性に重心を置いた映画で
この路線が「ダーティ・ハリー」などへと継がる感じだ。ただ、恋愛模様や、H・フォンダらの
警察幹部の思いなど、いろんな要素が短い時間に詰め込まれていて、逆に平板な感じ
になってしまった感がある。

この頃の刑事モノなどのアクション映画によく使われたような雰囲気を持つドン・コスタの音楽が
時代を感じさせるが、調和は時代にあっていて良いと感じた。ラロ・シフリンとかああいう
感じのジャズっぽいオーケストレーションだ。
ウィドマークは流石だが、フォンダも含め後のキャスティングは今ひとつぴんとこない演技だと
思った。というか物語がたら~としているからそう見えたのかも知れない。

冒頭、ギャング部屋に踏み込むものの、銃を奪われ逃げられてしまうウィドマークとガーディノの
コンビ。必死に彼を追い、最後には対決、ということになるのだが、その間、ウィドマークの嫁と
の関係のもうひとつぴりっとしない描写、息子の不正行為を親友の警察委員長(フォンダ)に暴かれ
警察をやめようとする本部長(ホィットモア)との間の葛藤、黒人牧師からの抗議、不倫、
(ウィドマークのほうもよくわからない関係の不倫?をクラブ歌手としているのだね)
など、エピソードが沢山ある割に、どうも全体としてピリッと締まらない感じを受けた。
原作がタイトルから見て「コミッショナー」だから本来の主人公はフォンダの警察委員長
(コミッショナー)の物語ではなかったか。それ故、ボケた感じになったのでは?
e0040938_16194949.jpg

逃亡犯が街中で発見され、警官が撃たれて死亡するあたりからようやく緊張感が出てくる
感じかなあ。これがウィドマークの最高傑作なの?
それと撮影を担当したラッセル・メティって、名手らしいけど、今はもう使わない急激な
ズームイン、ズームアウトでは、画がぶれている(よたっている)んだけど、あれは下手なん
じゃないのかな?あれも演出?

個人的には、あの時代までは男は結構帽子を被っていたのだなあ、と言うこと。
携帯とかネットのない時代の刑事ドラマのアナログな面白さはあるかもしれない。
これをヒントにテレビの「マディガン刑事シリーズ」が誕生したのだそうだ。
e0040938_16192817.jpg

<ストーリー>
マディガン(リチャード・ウィドマーク)とロコ・ボナーロは、スパニッシュ・ハーレム地区
第23分署の敏腕刑事である。ある日2人は、ブルックリン地区の、名うてのやくざ、
ベネシュのアパートに踏みこんだが、ちょっとしたすきに逃げられてしまい、そのあげく、
拳銃をも、奪われてしまった。
署に帰った2人は、逃げたペネシュが殺人容疑者だと聞かされ驚いたが、それ以上に
気になったのは、奪った拳銃を使ってベネシュが第2、第3の殺人を続けやしないか、
ということだった。

ところでマディガン刑事は、常に仕事第1の男で、そのために妻のジュリア(インガー・
スティーヴンス)は、いつも不満だらけだった。一方、警視総監のラッセル(ヘンリー・
フォンダ)は、マディガンの失敗に頭をかかえたものの、自分にも、いろいろと面倒な
問題がふりかかっていた。というのは、彼の親友ケイン警部が売春汚職にまきこまれ
たり、関係をもつ上流夫人から別れ話を持ち出されたり、黒人指導で高名な牧師から
抗議されるなど、悩みはつきなかった。

マディガンと、ロコは、72時間以内にベネシュを逮捕せよ、との厳命を受けた。
2人は躍起になって聞きこみを始めた。妻ジュリアの不満が爆発点に達していると悟った
マディガンは勤務中ではあったが、彼女を連れて警察官のパーティーに行った。
だが、それとほとんど時を同じくして、街頭でベネシュを発見した2人の警官が彼に射たれた。
1人は即死、もう1人は重傷だった。しかもベネシュの凶器はマディガンから奪ったものだった。
必死の聞きこみでベネシュの隠れ家が分かった。多数の警官が非常線をはり、マディガンと
ロコが踏みこんだ。体当たりで室内に入ろうとした時、マディガンはベネシュの弾をうけて倒れた。
その時ロコの拳銃がベネシュの胸へ。ベネシュが倒れたことを聞いたマディガンは救急車の
中で息をひきとった。彼は最後まで妻のジュリアに心を残していた。ラッセル総監が彼女を
慰めようとしたが、彼女は総監を人殺しと呼んで痛罵し、夫のマディガンを返せ、と
叫ぶのだった。」(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-11-12 22:40 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)

ブロークン Broken

●「ブロークン Broken」
2012 イギリス BBC Films,Bill Kenwright Films,Cuba Pictures,Lipsync Productions.91min.
監督:ルーファス・ノリス
出演:ティム・ロス、キリアン・マーフィ、エロイーズ・ローレンス、ロリー・キニア、ロバート・エムズ他
e0040938_161095.jpg

<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
個人的には、あまり趣味ではない映画ではあるが、なんか不思議と観てしまった。
イギリスっぽいテイストを感じる。最初のうち、この監督さんや製作サイドは本作で
何を言いたかったか、という「意味」を求めてしまったのだが、結局タイトルが示す通り
「壊れる」というとはどういうことか、ということを、3つの家族を中心として「表現」した
ということなんだな、と私としては得心した次第。 娯楽性というよりイギリス独特の
曇天の薄ら寒さを感じる作品なので、日本では劇場で公開されていない。WOWOWで
鑑賞。面白いとは思う。

スカンクという珍しい名前を持った女の子が主人公。この子、美形ではないけどいい演技を
していた。(エロイーズ・ローレンスが演じている)
このスカンクの家はイギリスによくみられる、行き止まり道のサークルにぐるりと並んだ家の
一つ。その家族と、向かいに住むオズワルドという母親が居ない、嘘つきで暴力的な娘3人と、
更に暴力的な父親の家、更に、精神的に不安を抱えたリッキーがいる家。

冒頭、洗車しているリッキーと会話しているスカンクの横をオズワルド氏が上半身ハダカで
近寄り、リッキーをいきなり殴り倒すというシーンから始まる。リッキーが真ん中の娘を
レイプしたというのだ。で、リッキーは警察に捕まるが、検査をしたけっか娘は処女であること
が判明。娘がコンドームを持っていたのでこれに怒った父親が自宅のテレビを壊そうとした
のでとっさに嘘をついた、というのだ。
リッキーははさみで父親を傷つけたことから精神病院送りになる。スカンクには同世代の
ボーイフレンドがいる。彼女は第1種糖尿病で、毎日血糖値を測り、自分でインスリンを
注射するという病を持つ。兄が一人。

スカンクの父は弁護士なのだが、母は会計士と駆け落ちして家を出て行ってしまっていた。
母親の位置にいるガールフレンドがカシャという女性。カシャはスカンクの通う学校の
先生であるマイクと恋仲。スカンクの家にもやってきたりするが、このあたりの家族構成と
カシャという、スカンクの父親と再婚することになる女性らの関係や構成がいまいちはっきり
しなかった。

作品で表現される暴力のほとんどの源泉はオズワルド一家。真ん中の娘は、何と
スカンクの兄(両方共中学生)と廃車の中でセックスし(スカンクに目撃される)、妊娠して
しまう。娘はこれを教師マイクのせいにし、オヤジは学校に乗り込み、マイクをボコボコに
殴りつける。一方、スカンクもカツアゲを繰り返す末娘に学校帰りに殴られる。
さすがにオズワルド氏は逮捕され、家にはどうしようもない娘3人が残されるが、こいつら
仲間を多数呼んでタバコ吸ったり酒飲んだりセックスしたりの乱痴気パーティーを開く。
スカンクの兄は、真ん中の娘に「妊娠の責任を取る。結婚しよう」と、これまたバカなことを
いうのだが、娘は「何馬鹿言ってるの」と相手にしない。このヤリマン娘、妊娠の相手が
スカンクの兄だという証明はないのだ。
しかし、この娘、パーティーの最中に大出血して、病院に運ばれるも死亡してしまう。
事情を聞かされ釈放されたオズワルド氏は、おそらくマイクに復讐をするためタクシーで
家に帰る。
そのころ、精神病院を退院したリッキーは家に帰ってきたが、その時がちょうど真ん中の
娘が救急車で運ばれる所だった。一番上の姉から、「変態のお前のせいだ」と罵られ、
リッキーはたちまちまた不安定な状態になり、階段から母親を突き落とす。(おそらく死んだ
のだろう)、そこへ父親が帰ってきて惨状を目撃、リッキーに「何をしたのだ」と詰め寄るが
父親もリッキーに殴られてしまう。

父親との些細な諍いから家出したスカンクは、退院したリッキーを訪ねた。
しかし、そこで糖尿病の発作を起こし瀕死になってしまう。家についたオズワルド氏、
リッキーの家に入ってみるとエラいことになっている。発作のスカンクを見つけ、彼女の
父の名前を呼ぶ。探しあぐねてベッドに横になっていた父は慌てて駆けつける。

死線をさまよったスカンクは、父の元に戻ってきたのだった。

少しずつ時制をずらして表現する手法は面白とは思ったが何度も繰り返されると
最後のほうはイライラした。結局、3家族ともそれぞれの思いで子供を守ろうとして
いたのだ。が、頭の悪いオズワルド一家が発火点となり、その思いがバラバラに
なっていく。途中で廃車を大きな爪で掴み上げるところとか、暴力=破壊という
趣旨の映像が挿入される。オズワルドのビッチ3姉妹のうち、嘘つきの真ん中の
娘は死んじゃうのだが、一番悪い上の姉はどうにもならないのね。まあ一番下は
小さすぎるのだけれど。結局もともと精神的に弱いリッキーを追い込んでしまうのも
ビッチ三姉妹なんだものね。
そういうわけで、イギリスの郊外の向こう三軒両隣で起きた「破壊」の風景なのでした。
e0040938_1612183.jpg

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-11-11 22:30 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)

●「もうひとりの息子 Le fils de l'autre」
2012 フランス Rapsodie Production,Cité Films.105min.
監督:ロレーヌ・レヴィ
出演:エマニュエル・ドゥヴォス,パスカル・エルベ,ジュール・シトリュク,マハディ・ザハビ,アリーン・オマリ他
e0040938_11254639.jpg

<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
イスラエルとパレスチナという今なお激しい対立が続くエリアでの、衝撃の出来事を
家族というレベルで描いた、なかなかの佳作。終わり方も悲劇的でないので、本作を
悪くいう人はそう居ないとは思うけど、個人的にはやや美しく仕上がりすぎで、平板だ
ったかな、という印象。故に★は8に届かなかった。

12年の東京映画祭でグランプリを獲った作品なので、実力はあるのだと思うが、
東京で獲ったというのが、日本人のメンタリティ視線が大きいと感じる。欧米では
こんな綺麗事で済むか、というもっとな生々しい現実なんだろう。

とはいえ、単純な赤ちゃん取り違え事件から家族という単位で、人間の本質、
民族や宗教での対立や不寛容の不条理と現実を魅せつけていく流れは見やすく
彼の地での絶望感みたいなものを始めとして、見ている人はおそらく人間に関する様々な
思いが去来するだろう。その辺りはすっきりしていて良いと思った。
取り違えられたパレスチナの家族がもう少し貧しい(十分貧しいのだがベンツ乗っているもの)
描き方で落差を付けたほうがより悲劇性が際立ったのではないか。

またヤシンの兄が、実は本当の弟ではないと分かってからの態度が、母から「心を
開きなさい」と言われたことをきっかけに、割りと早いうちに、イスラエル側と馴染んで
しまうのもやや不自然さを感じた。両家とも当地ではそこそこ恵まれた家であったのも円満
解決の遠因であったようだし、取り違えられた子同士がいいやつだし、母親同士も
頭いいし、そのあたり無難だったかな。

しかし、赤ちゃん取り違えで、世界で一番やってはいけないユダヤとアラブの取り違えと
いうのは思いつきそうでなかったテーマなんだな。そうなる設定が難しいのかも。
イスラエル人とアラブ人の赤ちゃんが同じ病院にいる、とうのが。今回はそれを
湾岸戦争のドタバタを利用したわけだ。

18年間、自分はユダヤ人でイスラエル人と思っていたヨセフ、片やパリで勉強した
パレスチナ人ヤシンも、自分の出自はアラブであり、パレスチナに医師として帰って
来ることを夢見ていた。その二人がある日突然、アイデンティティの崩壊に瀕する
訳だ。それはそれはショックだったと思うけど、二人は仲良くなっちゃうんだな。
それぞれの両親も18年間自分の子供として大切に育ててきたのにある日、自分らの
子供ではないことが分かるショックというものは、私らの想像を超える。それが
イスラエルとパレスチナという構図の中では、日本人はリアリティを持ちにくいだろう。

結局2つの家族は様々な難局を乗り越えて、心を通わしていくわけだが、
「人類は皆家族」「地球上の人間がいがみ合っていてどうする」というお気楽な感想が
出てきてしまうのだが、現実はそう簡単ではないのだな。
この女流監督さんは、人類の壮大な矛盾を家庭というミニマムな社会単位において
告発しているのだが、その表現の優しさゆえに物足りないとするか、いやいや優しさ
故に余計に胸に響く、という二手の見方になるのではないか。

見て損はない佳作である。
e0040938_1126984.jpg

<ストーリー>
「いまなお根深い対立が続くイスラエルとパレスチナの問題を背景に、それぞれの家族の
間で子どもの取り違え事件が発生したら、という衝撃的な題材で描き出す感動の家族
ドラマ。
子どもの誕生から18年目にあまりにも残酷な事実を突きつけられた憎しみ合う2つの
家族の動揺と、幾多の葛藤を重ねながら辿る選択への道のりをリアルな筆致で描き出す。
監督は本作が長編3作目となるフランス人女性、ロレーヌ・レヴィ。
2012年の東京国際映画祭では、みごとグランプリと最優秀監督賞の2冠に輝いた。

 テルアビブに暮らすフランス系イスラエル人家族の18歳になる息子ヨセフ。ある日、兵役
検査で両親の実の子ではないことが判明する。18年前、湾岸戦争の混乱の中、病院で別の
赤ん坊と取り違えられていたのだ。しかも相手は高い壁の向こうに暮らすパレスチナ人夫婦の
息子ヤシンだった。最初は事実を受け止めきれず激しく動揺するヨセフとヤシン、そして
それぞれの家族たちだったが…。」(allcinema)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-11-10 22:30 | 洋画=ま行 | Trackback | Comments(0)

●「100歳の華麗なる冒険 
          The 100-Year-Old Man Who Climbed out the Window And Disappeared」
2013 スウェーデン NICE FLX Pictures,Nice Drama,FLX Comedy AB.115min.
監督:フェリックス・ファーングレン 原作:ヨナス・ヨナソン「窓から逃げた100歳老人」
出演:ロバート・グスタフリン、イヴァル・ヴィクランデル、ダーヴィッド・ヴィーベリ、ミア・シャーリンゲル他
e0040938_1364413.jpg

<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
こういう作品がシネコンに掛かるとは思っていなかったので、奥さんと終わっちゃわない
うちにと速攻出かけてきました。朝一の上映で、さぞかしガラガラ、と思ったら、さにあらず、で
私らみたいな高年齢層のご夫婦がけっこう入ってました。

スウェーデン製の映画は何本か見ていますが、言葉では言い表しづらいですが、やはりどこか
北欧の空気感というかテンポ感がありますね。本作もそんな感じでした。
原作があるのでそのストーリーが面白いのでしょうけど、映像化してもなかなかの出来では
なかったかと思わせる、いい時間を過ごせました。 ブラックユーモアのテイストをまとった
人生ドラマ、とでも言えるでしょうか。
100歳の誕生日を迎えたアランが老人ホームから脱出、途中で5000万クローネという大金を
抱えながらの脱出劇を縦軸に、自分の人生の来し方を横軸に、ダイナミックな動きの中で
その両方のアドベンシャーを描いていく。

「人生、自分ではどうにもならない時がある。そして、どうなるかは分からない」「明日は違う
風が吹く」というのがアランの人生モットーだ。
自分で努力した、というより、上記の人生訓に基づいて思うままに歩いてきた人生。歴史上の
とんでもなく偉い人に何人も遭遇するのだが、それとて自分の選択ではなく、「たまたま」そう
なり、成り行きをあまり気にしないアランの行動が、次々と新しい巨人との出会いを作って
行く。その辺りの過去の人生の経過が面白いのと、100歳のジジイが脱走、途中の駅で
大金をどこからか強奪してきた青年に金が入ったトランクを持っててくれ、と言って持ったまま
バスに乗って消えてしまったの、ギャング団も大騒ぎ。でも、彼らもアランと行動すると
何故か自爆気味になってしまうのだ。その辺りの縦軸もよく構成されていて、時制の混乱も
なく、最後まで引っ張られた。ひとつ分からなかったのはポポフの息子を養子に迎えた
アランだったのだが、最後、四発の輸送機で、養父を迎えに来てバリ島まで飛ぶのだが
あの息子はなんの商売をしてあんな飛行機を自由に扱えるのだっけ?

さて、アランの人生は、トンチンカンな革命家の父、ロシアに行き革命を、と仕掛けたものの
銃殺されてしまう。帰ってきた遺品の中にあった「ファベルジェ」?を質屋に二束三文で
売るのだが、実はそれがとんでもない高価な品で、質屋はいきなり大金持ちに。
しかし、質屋は愛人と手に入れた車でドライブ中、幼い頃から爆破に興味を持っていたアランの
爆破実験の場所で小便をしていて、爆死の憂き目にあってしまう。アランは精神病院に入れられ
「人種人類学者」によって、おそらく「断種」手術を受けさせられてしまう。母は結核?で亡くなる。
そんな感じで、その後スペインのフランコ、スターリンと出会いマンハッタン計画に入り、
オッペンハイマーとの出会い、アインシュタイン、ポポフとの出会い、ソ連とアメリカの間での
2重スパイ、レーガン、ゴルバチョフとの出会いなどなど、歴史上の大物との出会いを経て
来たのだった。

それぞれの大物との出会いは楽しいのだが、そこはもう漫画のような世界だ。アランが希望して
会いに行くのではなく、大物がアランに近づく状況が出てきてしまうのだ。自分では相変わらず
トンチンカンなことしかしないのに。

一方、現代。脱出したアランは廃駅に住む老人と意気投合。トランクを追いかけてきた青年を
冷凍庫に閉じ込め、放置したためギャングの青年は凍死してしまう。二人は死体をアフリカの
ジプチ行きの鉄道貨物に入れてしまう。
更にバリ島にいる親分の指令で次々と手下たちが老人たちを追いかけてくるが、上手いこと
金を奪還できないのだ。老人たちはヒッチハイクで知り合った18歳の学生(とはとても思えない
おっさんだが)と、サーカスから象を「かわいそうだから」とかっぱらってきた女性と出会い、
彼らと合流しさらに逃亡する。追手のギャングの一人は象に踏みつけられて死んでしまう。
その死体を載せた車はガソリンスタンドで盗まれてしまい、故買屋から廃車センターに運ばれ
死体ごとプレス焼却され、証拠は消えてしまった。
さらにギャングの手下のボスは、象を載せたバスを追いかけて、バスと激突、重傷を負い、
老人らに看病されますが、記憶喪失に。自分が何をしているのかさっぱり分からなくなります。
しかし、口から出た言葉が「バリ」。

老人らは象もつれて、息子の大きな輸送機でバリに向かいます。通関手続きとかビザとか
パスポートとかどうしたんだろう??で、ギャングの大ボスがいる所にいっちゃうのですが、
その大ボス、彼らがバリに来ていることを知り、街へ出ます。そこで、老人らが乗って大金の
詰まったトランクも積んだオープンカーを見つけて、Uターンして追い抜こうとした瞬間、
前から大型トラックが突っ込んできて、お陀仏となっちまいます。

これで大金を追いかける奴らは全滅。まんまと大金をせしめた老人たちはビーチでくつろぎ、
象を飼っている女性に、ヒッチハイクさせてくれた学生は告白するのでした。

そんな荒唐無稽といえばそうだし、ちょいと都合が良すぎやしないかい?といわれれば
そうなんだけど、ま、コメディですから。なんか「ケ・セ・ラ・セラ」という言葉が思い浮かぶ
作品で、大笑いは無いですが、クスクスの連発で、十分楽しめました。

主演のグスタフソンは今年50歳のスウェーデンを代表する喜劇俳優らしいですが、
特殊メイクも決まって、大活躍です。結構アクの強い映画なので、ダメな人もいるかも。
e0040938_13725.jpg

<プロダクションノート&ストーリー概要>
「スウェーデンの小説家ヨナス・ヨナソンが生み出した世界的大ベストセラー『窓から逃げた
100歳老人』(西村書店・刊)を映画化し、同国のアカデミー賞にあたる2014年ゴールデン
・ビートル賞観客賞を獲得したコメディ・ドラマ。
100歳の誕生日に老人ホームから抜け出した男性が、自分の人生を振り返りながら
大冒険を繰り広げていく。
主演は「ぼくのエリ、200歳の少女」のトーマス・アルフレッドソン監督と組んだ
「Fyra nyanser av brunt」(未)で高い評価を受けたロバート・グスタフソン。
かつて名うての爆弾専門家だった男の青年期から100歳までを演じている。
監督は、スウェーデンで俳優としても活躍するフェリックス・ハーングレン。」(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-11-09 11:30 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)

●「42~世界を変えた男~ 42 」
2013 アメリカ Warner Bros.Pictures,Regendary Productions.128min.
監督・脚本:ブライアン・ヘルゲランド
出演:チャドウィック・ボーズマン、ハリソン・フォード、ニコール・ベハーリー、クリストファー・メローニ他
e0040938_17173774.jpg

<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
大リーグ初の黒人メジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソンの物語。大リーグでは
毎年4月15日の試合は全選手が42の背番号を付け、その42は全球団の永久欠番となって
いるという話は結構有名だ。
★は7,5。もっとあげたいような感動的作品ではあるけど、ちょっと単調かなあ。ジャッキーも
偉いけどそれよりもっと偉大だったのは、ブルックリン・ドジャーズのGMのリッキー(H・フォード)
であることは見ているとよく分かるだろう。「我々はファシズムに打ち勝った。次は人種差別を無く
すことだ」と、キリストと聖書を野球と同じくらい心から愛していた男が、「不平等」に立ち向かったのは、
終戦直後のアメリカにおいてどのくらい驚天動地で、困難なことだったか、むしろ、リッキーを
主人公にして映画を作って欲しかったくらいだ。 
「善人はどこにでもいる」というように、心の底まではわからないが、女優との不倫でクビになって
しまったレオ監督も、野球を勝つにの肌の色なんか関係ない、黄色でも黒でもシマウマ模様でもな、
とジャッキーが入ってくることにビビるドジャーズの選手たちを叱り飛ばすところは溜飲が下がる。
e0040938_1718658.jpg

そうやって入ってきたジャッキーに対し、選手たちは「一緒に野球はしない」という嘆願書を
出したりして、リッキーに、「ならお前をトレードにだしてやる」と一喝されるのだが、次第に
物凄い嫌がらせやヤジに耐え、野球に専念しているジャッキーを見て、次第に自分たちも
変わっていくドジャーズのチームメイトも上手く描かれていた。
当時、相手の監督は、あんなに侮辱的なヤジが許されていたり、マイナーリーグの試合中に
立会の警察官が黒人が試合に出ることはまかりならん、とグランドに出てきたり、遠征先の
ホテルが宿泊を拒否したり、当時の差別がいかに苛烈だったかが描かれる。
ジャッキーの妻も遠征が多い夫を必死に支える。
普通の人なら、あれだけの侮辱を受けたら絶対に切れる、というシーンでもジャッキーは
耐え、それを野球の成果に昇華させていく。その姿は確かに感動的だ。

彼の活躍でドジャーズ(当時はジャイアンツもニューヨークにあったのね)はワールドシリーズを
制しチャンピオンになるのだ。

アメリカ人が好きそうなテーマと描き方で、さすがにアメリカでの興行収入は良かったみたい。
だが、映画としての出来は、という点からすると、賞にノミネートされる深みはやや欠けていた
かな。(ジャッキーとリッキーという主人公が二人いるような映画になってしまっていたからだ)
だが、大人から子供まで楽しめて、教育的なよく出来た映画であることは確かだ。敵地の
球場で父親がジャッキーを口汚く罵るのを、純真な子供が真似をするシーンがあるが、
ヘイト感というのはこうして根付いてしまうのだな、ということを一発で分からせている。
e0040938_171971.jpg

<ストーリー>
1947年、アフリカ系アメリカ人のジャッキー・ロビンソン(チャドウィック・ボーズマン)は
メジャーリーグの球団のひとつ、ブルックリン・ドジャースと契約する。当時アメリカでは、
トイレやレストラン、交通機関などあらゆる公共のものの使用が白人と有色人種とで分けられ
人種差別が横行していた。野球界も例外ではなく、有色人種の採用はジャッキーが初めて
だった。
ジャッキーと同球団のゼネラル・マネージャーを務めるブランチ・リッキー(ハリソン・フォード)は、
敵球団や一般大衆、マスコミはもとより、チームメイトからすら非難を浴びる。
しかしどんなに理不尽な差別にあっても自制心を働かせ、己の力を発揮することに集中する
ジャッキー。そんな彼の姿にチームメイトやファンは心を動かされ、ジャッキーはやがて
野球界を、そして世界を変えていく。」(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-11-05 22:40 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)

天国の門 Heaven's Gate

●「天国の門 Heaven's Gate」
1980 アメリカ United Artists,Partisan Productions.219min.
監督・脚本:マイケル・チミノ
出演:クリス・クリストファーソン、クリストファー・ウォーケン、ジョン・ハート、イザベル・ユペール他
e0040938_11392112.png

<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
この映画についてはネットで検索すれば腐るほど感想が出てくる。その内容はおおよそ
似たようなもので、映像は素晴らしいが、台本の出来が驚くほど悪く、締りが無い、という
ものに集約されるようだ。先日NHKBSで放映され、INTERMISSIONがあるという映画で
見始めるのをビビったが、都合で2日に分けて鑑賞した。

「晩期黒澤的様式美を連想させる全編茶色の間延びしたカタルシスのない映画」というのが
私の感想の骨子。1891年にワイオミング州で実際に起き、映画「シェーン」の背景にも
なっている「ジョンソン郡事件」がベースなので、実録を見る観点からは面白さもあるのだが、
なにせ、1つのシークエンスが意味もなく(と思う)長い。それは冒頭のハーバード大学の
卒業式から始まり、円舞シーンも含めそこだけで30分はあろうか、というものだ。
で、彼ら東部のエスタブリッシュメントな同窓生がそれぞれの立場を異にして、13年後の
ワイオミングで再開するのだが、それらにつながる人物説明はなされない。

多くの批評に書かれているように、本作の台本の致命的な欠点は作品の長さに必要な
人物説明が、背景説明以上にオミットされている点である。だれが、どういう繋がりになって
いて出自は何なのか、さっぱりわからないまま物語は進む。

例えばエラ(ユペール)はどこから来た移民か?ネイサン(ウォーケン)はどういう出自か?
ネイサンと保安官エイブリル(クリストファーソン)はどういうエラを愛しているという間柄だけの
関係だったのか?そして最大の謎は、エイブリルは過去に結婚していたらしく、2ショットの
写真たてがしばしば出てくるが、ラストシーンでまたエスタブリッシュメントに戻ったエイブリルが
豪華な個人所有の船上で、妻と思しき(エラではない)その写真を飾りつつ、何を思って
いるのか、一切はっきりしない。 細部には分かる点があるのだが、肝心の大筋が見えてこない。
大学の卒業式で、傑作な卒業スピーチをしたビリー(ジョン・ハート)は、東欧移民虐殺を
保安官に教えるものの、畜産家連盟側の人間として、先頭の中で意味なく撃たれて死んで
いく。彼の人生にチミノは何を言わせたかったのか?
かように、3時間40分の台本には「もっっとはっきりさせてくれよ」というようか隔靴掻痒の
ポイントがいくつも出てくる。しかもシークエンスがだらだと長いので、嫌になるのだな。

最大の見所は牧場主側が雇った50人の殺し屋と、酒場の親父(ジェフ・ブリッジス)が
率いる東欧移民部隊が、ローマの兵法を使って凄惨な戦闘を繰り広げるシーンである。
移民の妻らも戦闘に加わり、殺し屋たちの餌食になるのだが、結局この先頭も牧場主
連盟の親玉が騎兵隊を連れてきて、全員解散を命じ終りとなる。親玉は大統領などの
政治家との強いパイプを持っていて、(血縁的にも)、自分の意思は大統領の意思だ、
などと嘯く割に、援軍として連れてきた騎兵隊に中を取り持たれるというなんか締りのない
戦闘の結末に、見ている方はたたらを踏まざるを得ない。

実際の「ジョンソン郡事件」はチミノ台本のものとは相当違っている。チミノはこの史実から
何を抽出したかったのだろうか、一大叙事詩という側面はあながち当たらずとも遠からず
なのだが、チミノの趣味に付き合うのは観客として我慢の限度もあろう、というものだろう。
結局、製作会社と制作費や映画の長さ、でもめにもめた挙句公開されると惨憺たる興収で
結局60年の伝統があったUAを潰してしまったのは有名な話だ。
e0040938_11404041.jpg

配役陣では、いまや渋い役どころが多いベテランとなった若きクリストファー・ウォーケンが
危なげな若い殺し屋を演じ、魅力的だった。またエラというキーになる女性を演じた
フランス人女優イザベル・ユペールも美しい裸体も含め良かったと思う。
ジェフ・ブリッジス、ミッキー・ロークも短いながら光っていたと感じた。もったいないのは
先述のようにジョン・ハートである。保安官クリス・クリストファーソンは終始謎の人物で
秘密を持っている感じなんだろうけど、取り立ててどう、というところを感じずに終わった。
台本に足を掬われた感じで損したのかもしれない。

失敗作ではあろうが、音楽、撮影、など見るべきところもあり、単に駄作として切り捨てて
映画史から抹殺することは出来ない価値ももっているのではないか、と感じた。
e0040938_11401126.jpg

<ストーリー>
1870年、東部の名門ハーバード大学の卒業式。総長の祝辞を熱い視線でみつめる
生徒たちの中にジェームズ・アベリル(クリス・クリストファーソン)とビル・アーバイン
(ジョン・ハート)の顔があった。
それから20年、アメリカは混乱期を迎えており、ワイオミングにも、東ヨーロッパからの
移民たちがおしよせ、すでに生活を築いていたアングロ・サクソン系の人々とのトラブルは
避けられなかった。
ある日、家畜業者協会の評議会が召集され、リーダー、フランク・カントン
(サム・ウォーターストン)は、移民による牛泥棒の対策として粛清の議案を提出した。
なんとその人数は125名。その会議にはアーバインも列席していたが、彼はかつての
情熱を失い、今は酒びたりの堕落した生活を送っていた。この土地に保安官としてやって
きたアベリルは、再会したアーバインから、粛清の計画を聞き、なんとか阻止しようと、
移民の集まる酒場の主人ジョン(ジェフ・ブリッジス)に協力を求めた。
そして、彼が想いを寄せる娼館ホッグ・ランチの女主人エラ(イザベル・ユペール)のもとへ行く。

彼女を愛しているもう1人の男ネイト・チャンピオン(クリストファー・ウォーケン)は、牧場主に
雇われた殺し屋だ。2人の愛の間でゆれ動くエラ。ジョンンン郡に移民1人殺し値50ドルで
雇われた庸兵たちが向かっている頃、移民たちの憩いの場のローラー・スケート場天国の門
では、集まった人々に、アベリルが例の粛清の件を告げリストを読み上げた。
むごい仕打ちにおののく人々。一方、チャンピオンから求婚されたエラ′は、彼の家族に紹介
され、その誠意に心うごかされるが、その日、ホッグ・ランチに戻った彼女はレイプされ、
店の女たちは全員惨殺された。カントンの傭兵による仕業だ。天国の門では、移民たちの集会が
再び開かれ、人々はそこで団結の絆を固める。

その頃、チャンピオンの家が傭兵に襲われ「エラを頼む」という手紙をのこして彼は死んでゆく。
戦いは開始された。予期せぬ移民たちの逆襲で庸兵たちは倒れてゆく。
かけつけた州兵騎馬隊たちによって平定された時は、あたりは死体の山と化していた。
新しい出発を誓い合うアベリルとエラ。しかし、喜びに満ちたエラが、生き残っていたカントン
一味に惨殺されるという悲劇が突然襲う。

数十年後、今はヨットの上で安定した生活を送っている年老いたアベリル。しかし、ヨットの上で
彼が想うことは若き闘志に燃えた頃の自分、それにネイト、エラのことだった。」(Movie Walker)
e0040938_1141279.jpg

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-11-01 23:00 | 洋画=た行 | Trackback | Comments(0)