<   2018年 04月 ( 22 )   > この月の画像一覧

●「アベンジャーズ/インフィニティー・ウォー Avengers:Infinity War」
2018 アメリカ Marvel Studios. 150min.
監督:アンソニー&ジョー・ルッソ
出演:ロバート・ダウニー・Jr、クリス・ヘムズワース、マーク・ラファロ、クリス・エヴァンス、ドン・チードル
   スカーレット・ヨハンソン、ベネディクト・カンバーバッチ、トム・ホランド、チャドウィック・ボーズマン
   ゾーイ・サルダナ、カレン・ギラン、トム・ヒドルストン、アンソニー・マッキー、セバスチャン・スタン
   グィネス・パルトロウ、ジョシュ・ブローリン、クリス・プラット、ベニチオ・デル・トロ他
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<評価:★★★★★★★★☆☆+α>
<感想>
一旦観始めると、観続けないと物語が良く分からなくなる、MARVELとDCコミックシリーズ。^^; 上手い
商売だとは思う。流石はディズニーだ。マーケティングが分かってらっしゃる。しかし上記に書き出した俳優の
ギャラだけで、頭がクラクラするくらいだ。しかし、アメリカでは「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」を
破って公開週末興収新記録を作ったらしい。

さて、前評判も高く、鳴り物入りで公開された本作、さっそくIMAX 3Dで観てきました。GWということも
あったと思うけど若い人を中心によく入っていた。朝の9時からなのに。「ガーディアン~」のメンバーの
きついジョークには分かっている客からは笑い声が多数起きていた。

出来について言えば、文句なしに面白い!とまでは行かないまでも、満足度のかなり高い仕上がりになっていた。
個人的には★8.5を謹呈。MARVELシリーズではアッパー評価じゃないかな。

これだけヒーローがぞろぞろと出てきてどうまとめるつもりだろう、と心配だったが、このところのMARVELの
原点回帰志向がここにも現れていて、ストーリーは単純。そして本作は壮大なプロローグなんだねえ。まだまだ
続くみたい。ヒーローの数が多いのでそれぞれの戦闘シーンが多くなるのは必然としても、それぞれの戦いの
グループ分けをするなど、長くこのシリーズを手がけてきた脚本家と監督の、作劇の上手さが光る。
故に、宇宙活劇として面白くまとまっている。

またVFXの出来も良く、画面を観ていても楽しい映画だ。ニューバージョンとなったアイアンマンやスパイダー
マン、時間を操れるドクターストレインジが意外と強さを発揮したり、やっぱり神様ソーの斧が強かったり
それぞれのヒーローの強さのキャラクターがキチンと提示出来ていて、理屈の通った面白さとなっている

本作では「アヴェンジャーズ」のメンツがやや暗い方面担当なので、「ガーディアン・オブ・ギャラクシー」の
メンバーが例によってお馬鹿な会話で和みと笑い担当となる。が、戦闘となれば一致協力するんだけど。
「ガーディアン~」のメンバーが入ったことで、楽しさ倍増がずばり当たった感じだ。

本作、MARVEL映画のキャラクターが分かっている人は、面白さ倍増だろう。キャプテン・アメリカと
スタークが何故最初のうち口を利かいないのか、などはそれに該当する映画を観ていないと分からないだろうし、
「ガーディアンズ~」のガモーラとネビュラの姉、義妹の関係や、ソーとロキの関係なども。
たっくさんのヒーローが出てくるので、わからない人は「これ誰?」となるだろう。ただ、主軸の「インフィティ・
ストーン」集めは単純なので、何がなんだかよく分からん、とはならないのではないか。
そもそも、インフィニティ・ストーンもサノスも「ガーディアン~」に出てくるものなのだよね?

【以下重大なネタバレになっていますので未見の方はご注意ください!】
まあ、話としては簡単にいってしまうとドラゴンボールのような感じで、それぞれのヒーローが持っている
宇宙創造時に散った6つのインフィニティ・ストーンを最強の悪人サノスに集められてしまうのだが、それを
何とか阻止しようと、ヒーロー全員集合でサノスと戦う、というもの。今回のそれぞれの戦闘では、善が押され
気味の戦いが多い。次作への長いプロローグな雰囲気で、敢えてそうなっている感じだ。
テレビCMで流れている「アベンジャーズ、全滅」っていうキャッチは、あながち嘘ではありません。^^;
カタルシスも次回以降へと持ち越されている。MARVEL映画恒例のクレジット後のシーンでは、アベンジャーズ
の結成を呼びかけ、MARVEL作品のあちらこちらに出で来るニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)
の姿があるので、なにやらまた新たな展開がありそう。「ファンタスティック・フォー」も出てくるのか?
いやいや最後に出てくるあのマーク「キャプテン・マーベル」(女性)の登場ですかね!誰が演るんだろう!
え?ブリー・ラーソンですか。来年公開ですって?

何れにせよ、長い映画ではあるし、戦闘シーンの多い作品だが、大いに楽しめた娯楽作となっていた。
MARVELファンには堪らない一作でしょう。
アベンジャーズ/インフィニティー・ウォー Avengers:Infinity War_e0040938_15142776.jpg
<ストーリー>
アイアンマンやハルク、キャプテン・アメリカ、スパイダーマンはじめマーベル・コミックが誇るスーパー・
ヒーローたちによって結成されたドリーム・チーム“アベンジャーズ”の活躍を描く空前のメガヒット・
アクション超大作の第3弾。

6つすべて揃うと全宇宙を滅ぼすほどのパワーを秘めた石“インフィニティ・ストーン”を狙う最凶にして
最悪の敵サノスの野望を阻止すべく、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々も加えたアベンジャーズが
繰り広げる壮絶な戦いの行方を壮大なスケールで描き出す。
監督は「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」の
アンソニー・ルッソ&ジョー・ルッソ。

 宇宙誕生とともに出現し、それぞれに異なる強大な力を秘めた6つの石“インフィニティ・ストーン”。
すべてが揃うと、指を鳴らしただけで全宇宙の半分の生命を滅ぼすほどの恐るべきパワーを手にするという。
そんな中、地球を目指していたソーとアスガルドの民を乗せた宇宙船が何者かの襲撃を受けてしまう。
それは圧倒的なパワーで全宇宙に恐れられる悪の支配者サノスの仕業だった。彼は自らの野望を実現させるべく、
すべてのインフィニティ・ストーンの収集に乗り出していた。
その頃地球では、かつてない危機の到来を知ったドクター・ストレンジが、アベンジャーズの力を結集すべく
リーダー、トニー・スタークのもとへと駆けつけるのだったが…。(allcinema)

<IMDb=★9.2>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:84% Audience Score:93%>




by jazzyoba0083 | 2018-04-29 11:20 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)

レッズ Reds

●「レッズ Reds」
1981 アメリカ Barclays Mercantile Industrial Finance and more.Dist.:Paramount. 196min.
監督・製作・(共同)脚本:ウォーレン・ベイティ
出演:ウォーレン・ベイティ、ダイアン・キートン、ジャック・ニコルソン、モーリン・ステイプルトン他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
ハリウッドきってのリベラリストとして知られるウォーレン・ベイティ。彼が監督、製作、主演、そして
脚本まで手がけ、見事オスカー監督賞を獲った長編歴史映画。本作からはオスカーの撮影賞と助演女優賞も
排出している。
しかし長い映画だ。申し訳ないが、私はインターミッションを挟んで二日間かけて見せて貰った。個人的には、
アメリカにおける社会主義運動の一端を見せていただき、更に、この映画で描かれているジョン・リードと
ルイーズ・ブライアントという人物が実在し、本作に描かれているような事実があったことを知ったことが
大きかった。映画の良さよりもそっちに興味が行った。それが製作者の目論見であったとすれば、いい映画だった
ということになろうか。

雑誌記者であったジョン・リード(ベイティ)と社会主義というより自由主義運動家であった人妻ルイーズ・
ブライアント(キートン)の自由恋愛と結婚そしてその後の愛の世界と、2人のロシア革命を中心とした
社会主義運動を同じ重さできちんと描こうと思うと、3時間を超える長さは必要なのだろう。実際、長いは
長いけど、その2つの軸は「基本的には」ちゃんと描けていた。(どちらかというと2人の愛の物語に重心が
あるかなとは思ったが)但し、2人の友人で理解者でもあった作家・詩人のユージン・オニール(ジャック・
ニコルソン)とルイーズの関係がなんだかよく分からなかったが。

見どころは、第一次世界大戦の最中に起きた「ロシア革命」を現地に取材し、「世界を揺るがした10日間」と
いうレーニンも絶賛したルポルタージュを著した辺りの顛末だろう。(レーニン役がそっくりでびっくり)
ボルシェビキによる王政打倒は、当時のアメリカの大戦に対する姿勢に辟易していた社会改革に燃える
ジョン・リードにしてみれば、圧倒的に理想的な姿であったはずだ。ジャーナリストとして絶対に見て置かな
ければならない事件だった。ジョンはルイーズと共にロシアに渡り取材を敢行した。

だが、しかし、革命のその後の真実を知るに及び、権力は腐敗する、という必然に眉根を曇らせながらも、
これを参考にしてより良きアメリカ社会を作るための理想は捨てなかったのだ。一方で、若くして腎臓の片方を
摘出し、体力には不安があったジョンは中東遠征での銃撃戦で負った傷が致命傷になり、敗血症を発症、ロシアに
追いかけてきたルイーズに見守られながらロシアの地で亡くなった。「アメリカに帰りたい」とルイーズに
語りかけて。

実際は複雑で入り組んだストーリーなのだが、描かれる社会的な事象と、二人の愛情に絡む話題はてんこ盛り
である。

映画はジョンとルイーズを知る人たちのインタビューを冒頭を始め随所にはめ込み、メリハリを付けながら
進行する。その描き方とストーリーの展開、主役2人の演技は見どころが多い。ドキュメンタリー的要素を
組み込むことにより、作劇にリアリティを出す手法は、本作には合っていたと思う。ベイティの八面六臂の活躍は
評価すべきであろう。またダイアン・キートンの演技もまた光っていたと思う。ジャック・ニコルソンとジーン・
ハックマンはもったいなかった。

繰り返しになるが、個人的には第一次世界大戦前後のアメリカという国における社会主義、共産主義の
模様がロシア革命と絡めながら多少でも理解出来たというのがこの映画を観た最大の成果であった。
もう一度観るか、と聞かれれば、多分二度目は無いと思う。でもいい映画ではある。

蛇足だが、この年のオスカーには私が最強の冒険映画と信じている「レイダース/失われた聖櫃(アーク)」が
ノミネートされていた。結局この年のオスカーを席巻したのは「炎のランナー」(作品、脚本、作曲)と
「黄昏」(主演男優=ヘンリー・フォンダ、主演女優=キャサリーン・ヘプバーン、脚色)そして
視覚効果や編集などバックグラウンド系が「レイダース~」の三作品であったが、「レッズ」は主要部門と
しては監督賞を押さえた。この事はリベラルなハリウッドの姿勢を伺い知るに十分であろう。
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<ストーリー:最後まで書かれています>
名門ハーバード大学卒業後、ジャーナリストの道に入ったジョン・リード(ウォーレン・ベイティ)は、
第1次世界大戦のさなかヨーロッパで火の手が上がった国際労働者同盟の闘争に接して、初めて政治運動に
目覚めた。アメリカがこの戦いに参戦すべきかどうか、知識人に深刻な問題を投げかけていたが、リードは
断固反対の態度をとり、雑誌『民衆』に寄稿を続けていた。

ジョンが人妻のルイズ・ブライアント(ダイアン・キートン)と知り合ったのは1915年、彼女も女性解放問題を
抱え、現実との板挟みに悩んでいた。2人はお互いの立場を尊重しあうという合意のもとで同棲生活に入った。
2人の周囲には『民衆』編集長マックス(エドワード・ハーマン)、アナキストで女権主義者のエマ・ゴールドマン
(モーリン・スティプルトン)、劇作家ユージン・オニール(ジャック・ニコルソン)らの友人がいて、
ジョンは一層、反戦運動にのめり込み、とうとうルイズを伴って、革命勃発直後のロシアに渡ることになった。

ロシア全土を揺り動かしている労働革命は、ジャーナリストとして社会主義運動家として自分自身の眼で
見なければならなかったのだ。ペトログラードで見た革命の熱気と興奮は、ジョンを駆りたて、その体験記
『世界をゆるがした十日間』はセンセーショナルな話題となった。

ジョンはその勢いで社会党の革新化に着手するが、対立する右派の制裁に会い、除名、さらに彼が率いる左派も
分派し、これを収拾するために、ルイズの反対を押し切って再び封鎖中のロシアに潜入した。
ジョンが作ったアメリカ共産労働党を公認するお墨つきをもらうのがその目的だった。しかし、革命派の党主脳は
これを拒否、ボルシェビキの指導者ジノビエフ(イェジー・コジンスキー)のロシア滞在の勧めを拒んで密かに
帰国する。
その帰途、反共闘争をくりひろげるフインランド当局に捕えられ、投獄されてしまう。ジョン逮捕の知らせを
受けたルイズは、オニールの助けで密航者としてフィンランドに旅立ったが、到着したとき既にジョンは釈放され、
再びロシアに戻ったあとだった。
ルイズと連絡がとれぬまま、ジョンはコミンテルン執行委員の地位を与えられバク地方に演説旅行に出かけた。
その頃、ジョンを追ってロシアに入ったルイズは、エマと再会、旧交を温め合った。数週間後、銃弾のあとも
生々しい列車がモスクワ駅に着いた。そこにはジョンを迎えるルイズの姿があった。だが、長い別離の末の
再会も空しく、ジョンは病に倒れ、生まれ故郷のアメリカを見ることもなく世を去った。(Movie Walker)

<IMDb=★7.5>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:95% Audience Score:82%>



     

by jazzyoba0083 | 2018-04-26 23:30 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

●「午後8時の訪問者 La Fille Inconnue」
2016 ベルギー・フランス Les Films du Fleuve and more.106min.
監督・製作・脚本:ジャンー=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ
出演:アデル・エネル、オリヴィエ・ボノー、ジェレミー・レニエ、ルネ・カミラ他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆+α>
<感想>
好悪の分かれる、いかにも、の、あるいは独特のフランスタッチの映画。私にはどちらかと
いうと苦手な範疇の作品。だが作り手の狙いが監督なりの作風できちんと完成させられ
ている良作であることは分かる。

音楽が一切ない。キャメラは終始手持ち。ドキュメンタリー風な進行、独特なカットの間、
時間の流し方。ロングをあまり使わず、診療所の中と彼女がクルマに乗り降りするところ
くらいが広めのショットの限界。全体にかなりタイトな画作りであった。それがつまり
主人公の心の動きに焦点を当てる演出に役立っていたと感じた。

この監督さんの作品は初見で、みんなこんな風なのかはわからないが、作らんとしている
方向はこれなんだろう。結局何が言いたいの?と思われる方も多かろう。

しかし、思うに監督が目指しているのは、主張を全面にださず、ある種のメタファーを
通して言わんとする所を描こうとしたのではないか。
それが日常の生活に潜んだサスペンスの、解決に向かって進む過程で流れる主人公の心の
動きを捉えた人間ドラマとなり、更に主題へと収斂されいく。
地元フランスでは、この映画の中で起きる事件を通して見えてくるものが、私達日本人に
比べてはっきり異なって見えてくると思う。

女性医師を巻き込んだ事件は彼女の心の動きを通して、それ以上に社会が抱える病理を
浮かび上がらせている。
深夜に診療所を訪ねてきた黒人女性を時間が遅いからと言って断ったのだが、その女性が
その夜他殺を疑わせる遺体となって発見される。女性医師は自分がドアを開ければ
女性は殺されずに済んだ、と「医師としての良心の呵責と罪の意識」から彼女の正体と
探ろうとする。その過程と結末で社会の病理が浮かび上がってくる仕掛けだ。

主人公の若い女性医師を演じたアデル・エネルは演出の意図を汲んでの上手い演技だと
感じた。
午後8時の訪問者 La Fille Inconnue_e0040938_12455674.png
<ストーリー>
「サンドラの週末」のジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督によるヒューマン
サスペンス。診療時間外に鳴ったドアベルに応じなかった女性医師ジェニー。
翌日、ベルを押していた少女の遺体が発見され、ジェニーは後悔の念から彼女の足取りを
探り始める。

診療時間を過ぎた午後8時。小さな診療所のドアベルが鳴らされるが、若き女医ジェニー
(アデル・エネル)はそれに応じなかった。翌日、診療所近くで身元不明の少女の遺体が
見つかり、診療所の監視カメラにはその少女が助けを求める姿が収められていた。
彼女は誰なのか。何故死んだのか。ドアベルを押して何を伝えようとしていたのか……。
あふれかえる疑問の中、亡くなる直前の少女の足取りを探り始めるジェニー。
彼女の名を知ろうと必死で少女のかけらを集めるジェニーが見つけ出す意外な死の真相
とは……(Movie Walker)

<IMDb=★6.5>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:70% Audience Score:44% >




by jazzyoba0083 | 2018-04-25 23:05 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)

素敵な遺産相続 Wild Oats

●「素敵な遺産相続 Wild Oats」
2016 アメリカ Wild Pictures,Defiant Pictures and more.92min.
監督:アンディ・テナント
出演:シャーリー・マクレーン、ジェシカ・ラング、ビリー・コノリー、デミ・ムーア他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
「ちょっといい話」というテイストの、気楽に観られる名女優二人の演技も楽しい
コメディ。論評をどうの、というタイプの映画ではない。当然ツッコミどころも多いし
でもそれがあってのコメディだからそれをあげつらっても仕方がない。
私くらいの老境に達すると、身につまされるというか共感出来る部分もあり、それは
それで心に響く部分もある。一時間半、笑って心がほっこりすれば良し。個人的には
楽しい時間を過ごさせてもらった。

とにかく夫をなくしたばかりのシャーリー・マクレーンのすっとぼけたキャラと、
余命幾ばくもない(のだろう)ジェシカ・ラングの、冒頭からハイテンションのお笑い
モードと、長年固く結ばれた親友としての友情を観ているのは悪い気分ではない。

エヴァ(マクレーン)の夫の葬儀から映画は始まる。夫の保険金5万ドルが、保険会社の
手違いで500万ドルの小切手が来てしまったのが騒動の始まり。
親友マディは深刻な病気になっていて、余命幾ばくもない。ならば、だまって使っちゃえ
と、ファーストクラスに乗ってスペイン領カナリア諸島の超豪華ホテルのスイートに
泊まり優雅なヴァケーションを楽しんでいた。

そこに保険会社から保険金の奪還を命じられる定年間近の老調査員、カジノで45万ドルも
勝っちゃったエヴァを狙う詐欺師(こいつが痴呆症を発症しているのが面白かった)ら
を巻き込んで騒動が起きる・・・

ま、この手の映画の常道として、ウィットが効いたハッピーエンドだ。(マディの余命は
変わらないようだが)。まああり得ない話を楽しむタイプの映画、肩の力を抜いて
愉しめばいいと思いますよ。エヴァの娘がデミ・ムーアで、彼女の存在もキーになって
いたりする。全編静かに流れる趣味の良い音楽もいい。

原題のWild Oats だが、調べてみると「wild oat:カラス麦」
sow one's wild oats 「若さにまかせて放蕩に走る」などの意味があるらしい。
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<ストーリー>
最愛の夫に先立たれた元教師のエヴァ(シャーリー・マクレーン)。40年来の親友マディ
(ジェシカ・ラング)は、落ち込む彼女を明るく励ましていた。
そんなある日、亡き夫が遺した生命保険がエヴァの口座に振り込まれる。だが、5万ドルの
はずの保険金額が、保険会社の手違いで、なんと500万ドルに。間違いに気付いたエヴァは
直ちに返金しようとするが、マディはそのお金で“美しい島でバカンスを楽しもう”と提案。
早速2人は、ヨーロッパの人気リゾート地カナリア諸島へ向かう。

その頃、保険会社の職員ヴェスプッチ(ハワード・ヘッセマン)は、誤って振り込まれた
保険金を回収するため、エヴァの自宅を訪れる。そこで2人がカナリア諸島へ向かったこと
を知り、エヴァの娘クリスタル(デミ・ムーア)と共にエヴァたちを追うが……。
(Movie Walker)

<IMDb=★5.6>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:ーーー Audience Score:31%>






by jazzyoba0083 | 2018-04-23 22:50 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

●「世界でひとつのプレイブック Silver Linings Playbook(名画再見シーリーズ)」
2012 アメリカ The Weinstein Company 122min.
監督・脚本:デヴィッド・O・ラッセル 原作:マシュー・クィック
出演:ブラッドリー・クーパー、ジェニファー・ローレンス、ロバート・デ・ニーロ
   ジャッキー・ウィーヴァー、クリス・タッカー、アヌパム・カー他
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<評価:★★★★★★★★★☆>
<感想>
それまでも注目株であった若手女優ジェニファー・ローレンスの存在を揺るぎないものに
した佳作。封切り当時映画館で鑑賞したが、このたびNHKBSでの放送を機会に再度観て
みることにした。

やはり映画って、2度目で見えてくるところってあるんだなあ、とつくづく感じた。
より深く伝わると言うか、映画からこぼれてくる思いというか、そういうものを本作に
関しては胸に沁みてジーンと伝わってきた。初回は泣かなかったが、2回目はラストでは
泣けた。下に初見の時の感想ブログを貼っておきますが、観方がまだ薄っぺらいなあ。

特にラストで主人公パット(クーパー)が言う「人はいろんな人を傷つけて生きていく」と
いうセリフ。誠にそうなんだ。そして「ボクはたくさんのいい人に助けられて幸運だった」と
続ける。
そういう人生はラッキーだ。彼の場合、精神状態が辛い時に出会ったティファニー
(ローレンス)の存在が幸運をもたらした。その経緯が映画になっているわけだが。

人生には辛いこともたくさんある。というか、辛いことのほうが圧倒的に多いだろう。
しかし、原題にもあるように「どんな雲の裏にも銀の裏地」があるのだ。(不吉な雨雲の
向こう側には太陽の光明が輝いている)
パットは、学校教師の妻が歴史教師と自宅で浮気の真っ最中に出くわし、それ以来
別居状態。さらにそれがキツイ精神的ダメージとなり、躁うつ病を発症してしまう。
しかし妻を諦めきれない執念のようなものが彼の精神状態を余計にややこしくしている。
片や、パットの親友の妻の妹ティファニーも、警官だった夫を交通事故で失い、自分を
見失っていた。そうした二人が出会い、不思議な関係の中で、知らずと心の中に信頼と
愛情が芽生えてく。

二人の精神状態がまともではないので、大声で怒鳴り合うこともあるし、突然感情が
激しく変化するという困難もある。だが、ティファニーの提案で、ダンスをすることに
より、パットもティファニーも二人の関係を通じて自分を見つめ直す。

彼らを取り巻く家族、特にパットのお父さんで、アメフトの賭けのノミ屋みたいなことを
やっているロバート・デ・ニーロ、とにかく優しく包んでくれる母のジャッキー・
ウィーヴァーの存在がいいし、彼らとその仲間の形作るコミュニティーのありようも、
パットとティファニーという主人公カップルを浮き彫りにするのに温かく大きな役割を
果たしている。ラストで明らかにされるティファニーがパットに仕掛けたサプライズが
明かされる辺りで、涙腺崩壊だ。

「人生、辛いこと、大声で叫びたいことが多いけど、前を見て足元を見て自分を愛して
くれる人を見つめて歩き出せられれば、きっと上手く行くよ!」
この映画の主張はそれだ、と得心した。それこそ、原題の持つ、「シルバーライニングの
作戦書」なのだ。(シルバーライニングとは英語の格言「どんな雲でも銀の裏地を持つ」から。そこから「逆境下の希望の光」というほどの意味)詳細は私の初見の時のブログを
ご覧いただけるとありがたいです)
原作ありきとはいえ、ラッセル監督の作劇は上手いもんだ。ダニー・エルフマンの音楽も
作品によくマッチしていて鑑賞者の情感の上げ下げによく貢献している。

皆さんご指摘のように、更にその後の活躍を見るだに、この映画におけるジェニファー・
ローレンスの演技は圧倒的である。もちろん後年オスカー主演男優賞の常連となる
クーパーも上手いけど、ジェニファーの素晴らしさはエンディングに向けてどんどんと
加速する。彼女、決してハリウッド的美人ではないが、良い女優さんになったなあ。
まだ28歳。ますますの成長が楽しみである。




by jazzyoba0083 | 2018-04-21 23:20 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

●「レディ・プレイヤー 1」
2018 アメリカ Amblin Entertainment, Village Roadshow Pictures. 140min.
監督:スティーヴン・スピルバーグ 原作:アーネスト・クライン「ゲームウォーズ」
出演:タイ・シェリダン、オリヴィア・クック、ベン・メンデルソーン、サイモン・ペッグ
   T・J・ミラー、ハナ・ジョン=カーメン、森崎ウィン他
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<評価:?>
<感想>
スピルバーグ監督は大好きな監督の1人で新作が公開されれば、まずは劇場に足を運ぶ
ことにしている。彼の作品はおそらく殆ど観ていると思う。(テレビ映画は除く)
今回も、アメリカでの評価も大変良く、日本のポップカルチャーに対するオマージュに
溢れた作品でもあり、遠方のIMAX 3Dの劇場まで足を運んだ。

シネコンの広い劇場は土曜のあさイチだったが、かなりの入り。みんな好きなんだなあ、と
改めて感心した。

さて、本編のスタートである。ヴァン・ヘイレンの「JUMP」に乗せての開巻!ウワー!
これで来ちゃうの?そこでもうワクワク感テンションアップ!そして主人公による
物語導入の説明。あれ、スピルバーグの映画って、頭にこんな説明臭いことしたっけ?
と、この辺りで私の頭には赤ランプの点滅。私はコミック、アニメ世代でもゲーム世代でも
ない、還暦をとうに過ぎたジジイであるが、感性については若い人には負けんぞ、という
気持ちは持ち合わせている。

が、今回の作品は、おそらく私が悪いんだろう、全然ついていけなかった。いや、物語は
難しくないんだろう。一番応えたのは、アバターと現実のやり取りがごちゃごちゃで
どうなっているのか状況がよく把握出来なかったということ。
3つの鍵を集めて問題を解決することはよく分かるし、ラストのカタルシスも一応は
理解出来る。が、そこに至るまでの、主人公とその仲間たちのゲームの世界、つまり
チャッキーが出てくる、ゴジラが、キティちゃんが、デロリアンが、キングコングが、
Tレックスが、そしてガンダムが出てくる世界のありようが上手く掴めなかった。
(わからない故、眠くなり、それが余計に物語を分かりづらくした面も多分にあり)
ここのアイコンについては分かりますよ、流れる80年代の音楽も分かりますよ、でも
それが何なのか、分からなかった。
でも不思議と結末はなんとなく分かったんだよなあ。

これって俺だけか?と思い、ネットの本作への口コミを観ると、絶賛の嵐!
スピルバーグへの謝辞すら書かれている。そうなんだ、俺の観方がまずかったんだな、
きっと。ジジイだから頭がついていかなかったのかも知れない。あるいは80年代ポップ
カルチャーの面白みを理解出来ていなかったかも知れない。面白かった人はいいなあ。

私史上、スピルバーグの映画で一番理解出来なかった作品といえる。もう一度観てみます、
ハイ! っていうか、スピルバーグの映画って理屈抜きに冒頭から面白さに引き込まれる
んじゃなかったっけ?眠たくなっている場合じゃないような映画じゃなかったっけ?
私が寝ぼけていたんだよなあ、きっと・・・orz

※追記:2019年3月27日 WOWOW放映版を再見

シネコンの初見の時は、今ひとつ分からなかった筋が分かった。ゲーム「オアシス」を
巡るあれこれや、主人公とその仲間たちの友情、ゲーム上のキャラクターの事なども理解出来た。
初見のときよりは面白かったけど、やっぱり個人的にはスピルバーグの映画の中では好きでない
作品に入るなあ。それより、私より年齢が行っているのに、この若々しい映画を作れるスピルバーグ
という人の感性に恐れ入った次第だ。
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<ストーリー>
「AKIRA」や「バック・トゥ・ザ・フューチャー」、「ストリートファイターII」をはじめ
80年代の日米ポップ・カルチャーがふんだんに盛り込まれていることでも話題を集めた
アーネスト・クラインのベストセラー『ゲームウォーズ』を、巨匠スティーヴン・スピル
バーグ監督が映画化したSFアドベンチャー大作。
現実世界の荒廃が進む近未来を舞台に、あらゆる願望が実現する新世代VR(バーチャル・
リアリティ)ワールド“オアシス”で繰り広げられる壮大なお宝争奪戦の行方を、驚きの
有名キャラクターの数々と最新の映像技術を駆使した圧倒的臨場感で描き出す。
主演は「MUD マッド」のタイ・シェリダン、共演にオリヴィア・クック、ベン・
メンデルソーン、マーク・ライランス。また日本からも森崎ウィンが参加。

 2045年の地球。街が荒廃する一方で、若者たちはVRワールド“オアシス”に夢中に
なっていた。そこでは誰もが好きなアバターに姿を変え、自分の思い描く通りの人生を
生きることができた。そんなある日、オアシスの創設者ハリデーが亡くなり、彼の遺言が
発表される。それは“アノラック・ゲーム”と呼ばれ、彼が仕掛けた3つの謎を解き、
オアシスに隠されたイースターエッグを最初に見つけた者には莫大な遺産に加え、
オアシスの後継者としてその全権を与えるというものだった。

この驚くべきニュースに世界中の人々が色めき立つ。現実世界に居場所がなくオアシス
だけが心の拠り所の17歳の青年ウェイドもこの争奪ゲームに参加し、オアシスで出会った
謎めいた美少女サマンサら大切な仲間たちと力を合わせて3つの謎に挑んでいく。そんな
彼らの前に、恐るべき野望を秘め、邪悪な陰謀を張り巡らせる巨大企業IOIが立ちは
だかるのだったが・・(allcinema)

<IMDb=★7.8>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:73% Audience Score:80% >



by jazzyoba0083 | 2018-04-21 12:10 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

誘う女 To Die For

●「誘う女 To Die For」
1995 アメリカ Columbia Pictures,Rank Organisation.106min.
監督:ガス・ヴァン・サント
出演:ニコール・キッドマン、マット・ディロン、ホアキン・フェニックス、ケイシー・
   アフレック、イリアナ・ダグラス、アリソン・フォランド、ダン・ヘダヤ他
誘う女 To Die For_e0040938_12590409.jpg
<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
ニコール・キッドマン、今や何を考えているか分からない不気味な女性を演らせると
天下一品だが、今から13年前はまだピチピチして可愛くもセクシーだったなあ。本作でも
何を考えているのかよく分からない頭のネジが外れちゃったような女を好演している。
当時からそうんな性格を出せる女優さんと思われていたのかな。
彼女、個人的にあまり得意としない女優さんだが、本作については可愛いし、アホなサイコ
キラーっぽい役回りがピッタリだと感じた。それと若きホアキン・フェニックスがいい。

本作は実際にあった話が小説になり、それを映画化したものだが、相当脚色がなされている
と見えて、ラストは全然実際とは異なる。

全体の演出としては、「テレビ」というものの存在を意識し、映画自体がドキュメンタリーの
ような構成になっていて、そのあたりはガス・ヴァン・サントの上手いところだ。

とにかくテレビの世界で有名になりたい少女が長ずるに及びお金持ちのボンボンと計算
高い結婚をし、やがて「子どもを作って店を手伝ってくれ」と言い出されるに及び、彼を
殺害することを計画する。それに巻き込まれるのが、高校生の主張みたいな企画で彼女が
取材に入った高校の生徒3人だったのだ。一番スザーン(キッドマン)を好きになり、
彼女のセックスの虜になってしまったのがジミー(フェニックス)であった。

スザーンは3人の生徒にカリフォルニアでテレビの仕事を一緒にしよう、と甘言の限りを
尽くして騙し、それには旦那が邪魔だから殺してね、と誘うのだ。純粋な彼らはそれを
実行してしまう。その時刻にはスザーンはテレビでお天気キャスターとして生出演中。
高校生らのやる殺人なんて指紋だらけ、返り血は処理しないなど杜撰なものでたちまち
逮捕されてしまう。しかし、スザーンは裁判で無罪となるのだ。だが、殺された旦那の
父親に雇われたハリウッドのニセプロデユーサー役のマフィアに殺されて湖の氷の中に
閉じ込められた。(実際の犯人は今でも刑務所で服役中)

話は上昇志向の強いお馬鹿な女が自分の夢を実現するためになんでもやらかすという
もの、それにテレビというメディアの怖さを内包させ、画作りも凝ったガス・ヴァン・
サントの構成・演出と、キッドマンの何を考えているのか分からない恐怖を内在した
笑顔に代表される気味の悪さが光った作品だった。もちろんスザーンの虜になり純粋な
若い性と愛を弄ばれたジミーを好演したホアキン・フェニックスの存在は欠かせない。
それと終始スザーンに疑いを持つ旦那の姉(スケーター?)のイリアナ・ダグラスが
映画の句読点になっていて全体を引き締めているように感じた。ラスト、スザーンの
死体が下に凍っている氷の上でスケートをする彼女、溜飲を下げて滑っているのだろうか。

可愛そうなのは、スザーンを信じてひたすら純粋に彼女を愛した旦那(マット・ディロン)
だ。何の落ち度もないのに高校生に銃殺されちゃって。麻薬中毒にされ、高校生は
麻薬の売人だった、とスザーンはいけしゃあしゃあと嘘をつくんだから。

ガス・バン・サントの映画作りと若きキッドマンの魅力が堪能できる一品だと思った。
誘う女 To Die For_e0040938_12591438.jpg
<ストーリー:結末まで書かれています>
TVで有名になるという野望に向かって突き進み、ついには夫を亡き者にした悪女の姿を
通して、マス・メディアの危険なパワーを痛烈に諷刺したブラック・コメディ風のサス
ペンス。
ヒロインはもとより様々な関係者たちによる証言で物語を再構成する語り口も斬新。
90年5月に起こった、22歳の女性教師が15歳の少年をそそのかして夫を殺害させた事件に
材を取った、女性作家ジョイス・メナードの長編小説『誘惑』を、俳優のかたわら
「卒業」や「天国から来たチャンピオン」の脚本を手掛けたバック・ヘンリーが脚色。
監督には「ドラッグストア・カウボーイ」「マイ・プライベート・アイダホ」「カウガール・
ブルース」のガス・ヴァン・サントが当たった。

ニューハンプシャー。物心がつくと同時に「TVに出て有名になる」という決意を持って
いたスザーン・ストーン(ニコール・キッドマン)は、大学(専攻はTV報道)を卒業
すると、父親の経営する地元のイタリアン・レストランで働くラリー・マレット(マット・
ディロン)と結婚する。彼の姉ジャニス(イレーナ・ダグラス)はスザーンのことを冷たい
女と言って結婚に反対するが、彼女にベタ惚れのラリーは耳を貸さない。

ハネムーン先はフロリダだったが、現地のホテルでTV界の大物たちが会合を開くと聞いた
からだ。夫の目を盗んで、熱心に売り込みを始めるスザーンはハネムーンから帰ると、
フロリダで仕入れた情報を元に地元のTV局に就職する。
雑用係のつもりで彼女を雇ったボスのエド(ウェイン・ナイト)に次々と企画書を提出する
スザーン。とうとう根負けしたエドは渋々ながら彼女をお天気キャスターに採用した。

ラリーはそんな妻を自慢に思い、全面的に応援する。お天気キャスターでは飽き足らない
スザーンは、さらにエドを説得して、高校生たちの実態を描くドキュメンタリーを制作する
許可を得た。彼女は恰好の素材として落ちこぼれの3人組、ジミー(フォアキン・フェニック
ス)、ラッセル(ケイシー・アフレック)、リディア(アリソン・フォランド)と出会う。
一緒にハリウッドへ行こうと夢を語る彼女に上昇指向を刺激され、反抗的だった3人も次第に
心を開いていく。

ラリーは彼女が何をするにも深い理解と愛情を示していたが、仕事に夢中になり家庭を省み
ないスザーンに、とうとう「いつかは子供を持ち、将来はレストラン経営を手伝ってほしい」
と持ちかける。夫の言葉は彼女にショックを与え、彼は目的達成の邪魔になると考えた
スザーンは一計を案じてジミーを誘惑し、彼を官能的なセックスで虜にした。リディアも
彼女を崇拝し、今では彼らはスザーンの言いなりだ。彼女は夫が暴力を振るうと訴え、
ラリーの殺害をほのめかす。

結婚1年目の記念日。リディアが持ち出した銃を使って、ジミーとラッセルはラリーの
殺害を実行した。番組を終え、帰宅したスザーンは、嘆き悲しむ悲劇のヒロインを演じる。
かけつけた報道陣のカメラの行列に自分が注目される瞬間に、スザーンの顔にうっすらと
恍惚にも似た表情が宿る。3人は素人犯行を見破られ、スザーンにも殺人教唆の容疑が
かかる。
だが、裁判で彼女は無罪となり、死人に口なしとばかりに取材陣の前で、夫は麻薬中毒
だったと発言。やがてマスコミの前から姿を消したスザーンは、念願だったハリウッドの
プロデューサーに会う。しかし、それは息子の死を無念に思うラリーの父親が依頼した
マフィアの殺し屋(デイヴィッド・クローネンバーグ)で、スザーンの死体は湖の厚い
氷の下に沈められた。(Movie Walker)

<IMDb=★6.8>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:87% Audiece Score:65%>



by jazzyoba0083 | 2018-04-18 23:10 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

●「バーニング・オーシャン Deepwater Horizon」
2016 アメリカ Summit Entertainment,Participant Media. 107min.
監督:ピーター・バーグ
出演:マーク・ウォルバーグ、カート・ラッセル、ジョン・マルコヴィッチ、
   ジーナ・ロドリゲス、ディラン・オブライエン、ケイト・ハドソン他
バーニング・オーシャン Deepwater Horizon_e0040938_11584406.jpg
<評価:★★★★★★★☆☆☆+α>
<感想>
面白かった!★8でも良いくらいだが、後半映像がややゴチャついた部分、個人的に
何がどうなっているのか分かりづらくて1つ減らし+αとした。シネコンに行こうかな、
と思っていた作品。いまテレビで見れば、大きな画面で観る爆発炎上シーンは迫力があった
ことだろうな。視覚効果でオスカーにノミネートされたのも頷ける出来だ。ていうか
そこが見どころの映画とさえ言っちゃっても良いかも知れない。

岩盤に支柱を穿たないで半分浮いている形の石油掘削施設「ディープウォーター・
ホライゾン」。フロリダ沖で原油採掘をするブリティッシュ・ペトロリアム(BP)の
巨大施設である。これが爆発炎上し、膨大な原油が海洋に流出し、大問題になったのは
私はリアルタイムのニュースで見聞きしている。当時、えらいことが起きだぞ、と
思ったものだった。その一部始終の事実をベースとしてドキュメンタリータッチで迫る
デザスタームービー。

映画として魅力的なのは爆発炎上シーンの迫力だけではもちろん無く、主人公のマーク・
ウォルバーグとケイト・ハドソンの夫婦の話、一番渋くて光っていたスタッフ、カート・
ラッセルの仕事っぷり、更に、金儲けしか頭に無くて、結局小さなミスを見過ごし、
事故が発生した後も対処を誤るというBP幹部。

事故後の現場の男たちの踏ん張りと勇気、そういう人間臭いドラマがキチンと内包されて
いて、ドッカンボッカンばかりが目立つ映画ではない、というのが、高評価に結びついた。
それは冒頭の海中の中でなにやら不穏なサインが出ているというデザスターもののセオリー
と言えばセオリーなんだけど、これからえらいことになるんだろうなあ、という不気味な
予感をたたえていていいスタート。「硬質」な演出と「軟質」な演出のバランスがいい
のだろう。「軟質」な演出で光っていたのは先程も書いたようにカート・ラッセルの
存在と、出番はそう多くないが、ケイト・ハドソンの役割が大きかったのではないかと
感じた。開巻のあたり、ウォールバーグとハドソン一家が娘とお父さんの仕事につてい
話しているのだが、コーラに空けた穴からコーラが噴出してくるシークエンスなどは良く
計算されているなあと感心。

「硬質」の部分では事故のキッカケとなる海底からの原油混じりの泥水の大圧力による
大噴出のシークエンスがリアリティに満ち、光っていた。

この事故では11人が亡くなっているが、ラストに全員の写真が出てくる。もちろん
彼らの勇気をたたえ、哀悼の意を表すものだ。巨大企業の巨大施設で金を惜しむ資本が
起こした米国石油事故最悪の結果。事実が背景にあるとはいえ、見ごたえのある作品
であった。但し、邦題はチープ過ぎである。
バーニング・オーシャン Deepwater Horizon_e0040938_11585321.jpg
<ストーリー>
2010年4月、メキシコ湾で作業中だったBP社の石油掘削施設ディープウォーター・
ホライゾンで起こった大事故を映画化したスペクタクルドラマ。施設内に閉じ込められた
作業員たちの決死の脱出、救出活動の行方が描かれる。命の危険を顧みずに救出作業に
挑む主人公マイクをマーク・ウォールバーグが演じる。

2010年4月。チーフ技師マイク・ウィリアムズ(マーク・ウォールバーグ)はメキシコ湾沖
80キロの海上に浮かぶ石油採掘施設ディープウォーター・ホライゾンに向かう。
安全テストが終わっていないにも関わらず、石油会社の幹部ヴィドリン(ジョン・
マルコヴィッチ)はスケジュールの遅れを理由に掘削再開を迫った。突如警報音が鳴りだし、
採掘口につながったバルブから濁った海水と原油が噴出。さらに海底油田から逆流してきた
天然ガスが引火爆発し、作業員126名がいるディープウォーター・ホライゾンはたちまち炎
に包まれてしまう。閉じ込められた作業員たちは被害拡大を食い止めようとするが……。
(Movie Walker)

<IMDb=★7.2>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:83% Audience Score:82% >



by jazzyoba0083 | 2018-04-17 23:20 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)

ある愛の詩 Love Story

●「ある愛の詩 Love Story」
1970 アメリカ Paramount Pictures. 100min.
監督:アーサー・ヒーラー  原作・脚本:エリック・シーガル 音楽:フランシス・レイ
出演:アリ・マッグロー、ライアン・オニール、レイ・ミランド、ジョン・マーリー、キャサリン・バルフォー他
ある愛の詩 Love Story_e0040938_23570690.jpg
<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
公開当時、私は高校3年生。一方アメリカ映画といえば、圧倒的にニューシネマを支持していたので、
翌年大学に入ってからも、友人と「卒業」「イージーライダー」「俺たちに明日はない」などについては
語ったが、本作について語るなんてことは軟派すぎて恥ずかしかった。大学ものなら「いちご白書」だ。
チャラい映画なんか観ていられるか、という青春の独善。青春の特権だけど。
しかしながら、映画好きとして、最近食わず嫌いだった西部劇を観始めているが、決して近づかなかった
本作も、観ておくか、と鑑賞に及んだ次第。「男と女」や「白い恋人達/グルノーブルの13日」のフランシス・
レイは大好きだけど、この映画のテーマは余り好きでなく、アンディ・ウィリアムズらがカバーした歌詞付きも
好きでなかった。(今でもだけど)

この映画を観ている間、ずっと「卒業」のことを考えていた。「卒業」は、本作とはシチュエーションは違うが、
世間に対峙しようとする青年の青春らしい向こう見ずさを含んだ純粋さが、いろんなメタファーを含んで私の心を
掴んだ。一方本作。
純粋は純粋だ。悲しくなるくらい純粋な愛の物語。大富豪の息子にして頭が切れるしかも美男の青年オリバー
(オニール)が、オックスフォードの姉妹校ラドクリフ女子大の女学生ジェニファー(マッグロー)を深く
愛するも、ああ、運命の神は、オリバーから彼女を奪うのだ、というストーリー。2人が移動につかうのが
「卒業」が赤いアルファロメオであるのに対し、本作では黒いMGだ。両方共なぜかオープンカー。

オリバーは大富豪の父とことごとく対立し、ジェニファーと結婚するために親子の縁を切る、とまでい言い出す。
ボンボンに何が出来る、と思うも、彼は地道にバイトをしながら学費を稼ぎロースクールを3番の成績で卒業、
NYの有名な弁護士事務所に務めることが出来た。2人はそこそこ恵まれた暮らしができるようになった。
その陰では、ピアノを学んでいたジェニファーはパリへの留学を諦め、父の望む挙式も出来ず田舎に置いてきて
しまったという犠牲もあった。やがて子供も出来て明るい未来が待っているかに見えた。
しかし、揺るぎない愛情で固く結ばれた2人に残酷にも神は別れを強いる。24歳のジェニファーが白血病と判明、
余命幾ばくもないと分かったのだ。愛する妻に最高の治療を受けさせたいオリバーは、嫌っていた父に頭を下げ
5000ドルを借りた。「女で失敗したか」と聞かれ、イエスと答えるオリバー。金は借りても同情は不要というのは
オリバーの微かな挟持だったのだろう。

ジェニファーは病院のベッドでオリバーに抱かれて天国へと旅立った。事後に知ったオリバーの父は何故真実を
教えてくれなかったのか、と言い寄るが、オリバーは「愛とは決して後悔しないことだ」(これはもともと
ジェニファーがオリバーに語った言葉。それをその時、彼は自分のものとしたのだ)と言って去っていった。

さて、アメリカン・ニューシネマの嵐?が吹き荒れるこの時代、この純愛映画が特に日本でヒットしたのは何故
だろうか。日本で言えばこの時代、学生運動が吹き荒れていた。東大安田講堂事件は本作が公開される前年の
出来事だ。学生運動はそれから2年後「あさま山荘事件」をもって大衆の支持を一気に失っていく。社会的には
第一次石油ショックがあり、世の中全体として閉塞感に満ち、アメリカはベトナムでにっちもさっちも行かなく
なっていた。そうした閉塞感から反発するアメリカン・ニューシネマが出てくる一方、その反動として純愛を
描くものが出てきてもおかしくはない。フランシス・レイの癒やされる美しい音楽と、「愛」こそ全て、
信じることこそ全てということを純粋に描いた作品が出てくるのも必然だったのだろう。ニューシネマの世界
でも、「愛」こそ全て「友情」や信じる心こそ全てという主張も底面から覗けば見えては来る。しかし真正面から
純愛を描くことの「反抗」こそアメリカンニューシネマのエネルギーの根幹だったことを思うと、この「ある
愛の詩」はあの時代にあって異質なものだったに違いない。ラブストーリーとしてはありふれた話である。
(荻昌弘氏は「椿姫」のアレンジだ、と指摘している)

映画評論家の荻昌弘氏は、愛と死を対比することによる「反戦映画」と捉えている。しかし、それは穿ち過ぎ
ではないか。むしろ、「愛は素晴らしいが残酷でもある」という一人の青年の悲痛な叫びのみを汲めばそれでいい
のではないのか。それを何枚もの濾紙を通して映画にしてみせた純愛映画なのではないか。当時の疲弊した青年
たちはこうしたひたすら純粋な考え方に身を置いてみたかったのではないか、そうした心境にドライブを掛けた
のがフランシス・レイの音楽だったのだ。(雪の中のでのBGMはまるで韓流恋愛ドラマの音楽のようだ=韓流が
パクっているんだろうけど) 

普通に純愛映画としてみれば、普通に観られる出来ではある。まさにあの時代が本作を名作たらしめたと言えよう。
しかしながら、既に名声は出来上がってしまっているから、これから観る人はバイアスがかかるだろうなあ。
評判の悪い続編は観ません。
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<ストーリー>
オリバー(ライアン・オニール)はニューヨークのセントラル・パーク・スケート場の観覧席で1人想いに沈んで
いた。彼は若い弁護士で、少し前に医者から、妻のジェニー(アリ・マッグロー)に死期が迫っていると聞かさ
れたばかりだった。
初めてジェニーに会ったのは大学の図書館だった。ジェニーはそこの館員で、彼を“坊や”と呼ぶ小ナマイキな
ところがあったが、結局、一緒にお茶を飲みにいく仲になった。とり合わせとしては不釣合いな2人だった。

オリバーは高名な良家の4世で、アイス・ホッケーだけが趣味の世間知らず、ジェニーはイタリア移民の菓子屋の
娘で、バロック音楽好きという共通点のない2人だったが、そのあまりの身分の差が、かえって2人をひきつけた
のだ。オリバーがジェニーのハープシコードの演奏を聴きにいって、モーツァルトやバッハの名を口にするように
なって、ふと気がつくと2人はもう恋の虜になっていた。

ある日、ジェニーは突然、フランスへ行くと言い出した。フランスで勉強したいというのだった。彼女は今の
幸福が束の間のものであり、実らないであろう恋の悲しみから逃げようと考えたのだ。ロード・アイランド出の
貧しい娘と富豪の息子では、あまりに身分が違いすぎるのだ。
しかし、オリバーは問題にしなかった。そして結婚を申し込んだ。オリバーは両親にジェニーを会わせた。
彼と父(レイ・ミランド)との間には深いミゾがあった。母(キャサリン・バルフォア)は息子と夫との間に
入ってとりなそうとするが、オリバーは父を軽蔑しきり、父も彼の身勝手さをなじるため、うまくゆかず、父の、
送金を中止するという脅しも蹴ってしまう。
2人はロード・アイランドにいるジェニーの父(ジョン・マーレイ)に会いに行った。彼は2人を歓迎しながらも、
前途を心配した。そして2人は結婚した。学費や生活費のためジェニーは働き、オリバーは学長トンプソン
(ラッセル・ナイプ)に奨学金を申し込むが、名にしおうバートレット家の御曹司が…と、全然相手にもされな
かった。

生活は貧しかったが、愛し合う彼らは幸福だった。やがて、オリバーが優秀な成績で卒業し、2人はニューヨークの
アパートを借り、オリバーは法律事務所へ勤めることになった。そんな新しい生活が始まったばかりのところだった
のだ。オリバーはジェニーに医者の言葉を伝えなかったが、ジェニーはそれを知っていた。
ジェニーの望みでオリバーはスケート場に連れていった。オリバーが滑るのを見ていたジェニーは、やがて苦しみ
出す。病状は悪化し入院することになった。(解説に誤りがあるので、以下略 Movie Walkre)

<IMDb=★6.9>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:58% Audience Score:75% >



by jazzyoba0083 | 2018-04-15 23:10 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)

大砂塵 Johnny Guitar

●「大砂塵 Johnny Guitar」
1954 アメリカ Repubulic Pictures Co. 109min.
監督:ニコラス・レイ 主題歌:"Johnny Guitar" sung by Peggy Lee
出演:スターリング・ヘイドン、ジョーン・クロフォード、スコット・ブラディ、アーネスト・ボーグナイン
   デニス・ホッパー、ジョン・キャラダイン他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆+α>
<感想>
先日、NHKBSで連日放映されていた西部劇から、「シェーン」のブログでも書いたように、このジャンル
食わず嫌いじゃなかったのか、と思い鑑賞に挑んでみた。

「シェーン」も私には不思議な映画だったが、本作は更に不思議なテイストを持った西部劇だ。西部劇と言うと
おおよそ、ガンファイトを主軸とする、あるいは先住民との戦いを描くヒーローや男気の作品という個人的な
イメージだったが、一言で西部劇、と言ってもいろんな作品があるのだなあ、と感じた。まあ、モンローの
「帰らざる河」なんかも(これはモンローファンという事で鑑賞済み)そうだが、日本で言えば「まげもの、
時代劇」と言ってもその幅はたいそう広いわけだから、これは私として、不覚にも完全に捉え方を間違えていたと
懺悔せざるを得ない。この歳になって恥ずかしい限りであるが。

閑話休題。で、本作である。先日「ミルドレッド・ピアース」を観て、その存在感を確認したジョーン・
クロフォードのほぼ10年後の姿を拝むことが出来るとはその偶然にびっくり。相変わらず、決して美人では
ないが、独特の存在感を漂わせ、ここでも強い女(の中にも女性らしい乙女心を内包している)を演じる。
この映画で、彼女と同等に存在感があるのが、流れ者ダンシング・キッドを巡っての恋敵エマを演じる
マーセデス・マッケンブリッジである。(1949年の「オール・ザ・キングスメン」でオスカー助演女優賞を受賞
している演技派ではあるが)彼女の憎たらしさと言ったら、観ている画面に向かって「こいつだけは簡単に
殺さないでくれよな」とお願いしたくなるくらい、憎々しさ溢れる演技である。

ジョニー・ギターが、かつての恋人ヴィエンナ(クロフォード)の前に5年ぶりに現れた。今や腰に銃はなく
ギターを片手にシンガー?としてヴィエンナの経営する賭博場で雇ってもらおうというのだ。最初ジョニーに
ツレナいそぶりのヴィエンナだったが、焼けぼっくいに火がつくように、ジョニーに対する恋心に再び
火がつく。ジョニーが去ったあと、一時ヴィエンナは荒くれ者ダンシング・キッドと付き合っていた頃もあった
ようだが、そのキッドを町の有力者の娘?エマも好いていた、この2人の恋心がこの映画の全てといっていい
だろう。ヴィエンナは町に鉄道が来て人が来れば賑やかになるし雇用も増えるだろう、とする一方、エマは
あくまでも牧場を守り、よそ者が流れてくるのはごめんだった。そんな考え方が2人のベースにある。
しかし、分からないのはそのキッドはエマの父親の乗った駅馬車を襲って、父親を殺しているんだよね。
つまり、父を殺し、キッドもヴィエンナに盗られたエマの地獄の炎のごとくの嫉妬と復讐心!凄い!
父は殺したけど、恋人を奪った女に対する嫉妬の怨念は父の死を超えるという物凄さ!

銀行を襲ったダンシング・キッド一味を追いかけて来たエマと町の男たち。エマは恋敵ヴィエンナ(クロフォード)
がキッドの手引きをしたと勝手に決め込み、全員捉えて皆殺しにするつもりだった訳だ。
途中で、一味の若い奴とヴィエンナはエマ一派に捕らえられ若い奴は縛り首にされ、ヴィエンナも首にロープが
巻かれたところで、ヴィエンナの乗った馬にムチを食らわすのをためらう男たち。そこにジョニー・ギターこと
ジョニー・ローガンが現れ、ヴィエンナを救い、キッド一味の隠れ家に転がり込む。

面白いのは、エマが眼尻をけっしてヴィエンナを追い詰めるラストシークエンスで、エマと一緒にキッドらを
追いかけてきた男たちが「これは女の戦いだもんね」と、戦いから手を引いちゃうんだよね。なんだよ、こいつら。
初めからイヤイヤだったんだろう。縛り首になった若い奴こそ悲劇だ。
結局エマの放った銃弾はキッドの額を貫き、ヴィエンナの腕を傷つけた。しかし負けていないヴィエンナの
弾丸はエマを屠ったのだった。そしてジョニーとヴィエンナの苦いハッピーエンドとなる。
結局、名うての銃の名手らしいジョニー・ローガンは何をしていたのかな??ww 

聞けば、この時期はハリウッドに赤狩り旋風が吹き荒れていて、それが作品に反映されているという見解もある。
タイトルは「ギター弾きのジョニー」だけど、主人公はヴィエンナに他ならない。西部の女としての恋と意地の
ストーリーなのだ。もちろんペギー・リーの唄う「ジャニー・ギター」は美しいけど、その寂しい旋律は
ヴィエンナの心を表していると言って構わないだろう。それにしても不思議な西部劇だった。
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<ストーリー>
鉄道敷設が進行していた1890年代の西部。かつてはやくざだったが、思うところあって足をあらい、ギターを
弾いて生計を立てる男ジョニー・ギター(スターリング・ヘイドン)が、アリゾナの山奥のある賭博場へやって
来た。店の女主人ヴィエンナ(ジョーン・クローフォード)は金銭に執着する意志的な女性。ジョニーが着いた夜、
昼間起こった駅馬車襲撃の容疑者キッド逮捕に協力せよと、殺された男の娘エマや保安官たちが来た。

しかしヴィエンナはこれを拒絶し、折から現れたキッドとジョニーのギターで踊りはじめた。憤慨した保安官は
3人に24時間以内に退去を命じた。翌日キッド一味は銀行を襲ったが、エマはこの事件にヴィエンナとジョニーも
関係しているといいふらした。その夜、エマは自警団を組織してヴィエンナを追い、保安官以下双方に死者が出た。
自警団はヴィエンナの店に火をつけ、ヴィエンナは危いところをジョニーに救われてキッド一味の隠れ家に逃れた。

そして追って来たエマとヴィエンナの一騎打は一瞬早くヴィエンナの勝となった。退去猶予の24時間がきれようと
するころ、新生活を求めて谷を去るヴィエンナとジョニーの姿が見られた。(Movie Walker)
※ヴィエンナの賭博場に火を放ったのはエマ。

<IMDb=★7.7>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:95% Audience Score:85%>



by jazzyoba0083 | 2018-04-14 23:10 | 洋画=た行 | Trackback | Comments(0)