My Best Movie of 2018

My Best Movie of 2018

■口上
今年は7月からフルリタイアとなり、結果として51回映画館へ足を運ぶことができました。人生で
こんなに映画館に出かけたのは初めてです。結局WOWOW、NHKBS、Amazon pirme.で鑑賞した
作品を含め、全210本の作品を鑑賞する機会に恵まれました。公式?には昨年より減りましたが、実際は
記録していない映画も観ていて、実数はもっと増えています。

今年の傾向としては、邦画に積極的に接したこと。それと食わず嫌いだったヨーロッパ映画も多く
見る機会がありました。観念的な映画が多い感触ですが、それはそれなりに面白いな、と思える
ようになりました。でもやはりハリウッド産の映画は私には向いているようです。
邦画では、これも食わず嫌いだった是枝裕和監督の作品を「万引き家族」鑑賞をきっかけに
深掘りしてみたくなり数作みることが出来、彼の良さの一端を理解できたような気がしました。
まだ観ていない作品もあるので、引き続き観てみたいと思います。

来年は、フリーになる時間が今年以上に増えるので劇場にもせっせと足を運ぼうと思います。

それでは今年鑑賞した劇場鑑賞洋画のベスト10を挙げていきたいと思います。あくまでも個人的な
見解です。当然、観たくても観れなかったものもありますし、他の方が前年に鑑賞されているものも
あります。偏りが出てしまうのはご容赦ください。

<劇場鑑賞洋画ベスト10>
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①「スリー・ビルボード THREE BILLBOARDS OUTSIDE EBBING, MISSOURI」(★9)
②「ウィンド・リバー Wind River」(★9)
③「シェイプ・オブ・ウォーター The Shape of Water」(★9)
④「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男 Darkest Hour」(★9)
⑤「アリー/スター誕生 A Star Is Born」(★8.5)

⑥「ボヘミアン・ラプソディー Bohemian Rhapsody」(★8.5)
⑦「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書 The Post」(★8.5)
⑧「アヴェンジャーズ/インフィニティー・ウォー Avengers:Infinity War」(★8.5)
⑨「ミッション・インポッシブル/フォールアウト Mission:Impossible-Fallout」(★8)
⑩「グレイテスト・ショーマン The Greatest Showman」(★8)

<Good!>
・「ヴェノム Venom」(★8)
・「レディー・バード Lady Bird」(★8)
・「デッドプール2 Deadpool 2」(★8)
・「華氏11/9 Fahrenheit 11/9」(★8)
・「アントマン&ワスプ Ant-Man and The Wasp」(★8)
・「ワンダーウーマンとマーストン教授の秘密 Professor Marston and The Wonder Woman」(★8)
・「15時17分、パリ行き The 15:17 to Paris」(★8)

<心に残った作品>
・「バトル オブ ザ セクシーズ Battle of The Sexes」
・「キングスマン:ゴールデンサークル Kingsman:The Golden Circle」
・「永遠のジャンゴ Django」
・「デトロイト Detroit」
・「ストリート・オブ・ファイヤー Street of Fire」
・「ワンダー/君は太陽 Wonder」
・「ジュラシック・ワールド/炎の王国 Jurassic World:Fallen Kingdom」
・「オンリー・ザ・ブレイブ Only The Brave」
・「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー Solo:A Star Wars Story」
・「マンマ・ミーア ヒア・ウィ・ゴー Mamma Mia!Here We Go Again」


■総括
どうしても年初からオスカー以降に公開される映画が強い印象を持ちます。
それと、今年は「アリー/スター誕生」と「ボヘミアン・ラプソディー」という
音楽をベースにした秀作に出会えたことも嬉しかったです。MARVEL系が多いのは
個人的嗜好としてご勘弁くださいませ。^^;
実は「シェイプ・オブ・ウォーター」は二回観にいったほど気に入ったのですが、
リアリティのある作品が個人的には好きなので上記のような並びとなりました。

邦画としては「万引き家族」と「カメラを止めるな」をベスト2に挙げておきます。
塚本晋也監督の「斬!」をまだ観られていないのが無念です。

来年はどんな素敵な映画に出会えるでしょうか!楽しみです。大好きなイーストウッドの
新作も早々に公開されますしね。スパイダーマンの新作もいい出来といいます。ワクワク!

<家で鑑賞し、★8つ以上を謹呈した作品は以下のごとしです。洋画邦画旧作新作入り乱れてます。>
※昔のMGMミュージカルの評価が高いのは趣味なのでご勘弁。そして時々は過去の名作に触れるのも
 感性を新たにするという面からもいいことだと感じています。
 この中で本当にみっけものだったのは
 「スモーク Smoke」 機会があればぜひ一度見てみてください。


・「手紙は憶えている」
・「ショーシャンクの空に」(再見★9)
・「パジャマ・ゲーム」
・「くたばれ!ヤンキース」
・「わらの犬」
・「スノーデン」
・「ノッティングヒルの恋人」(再見)
・「ハート・ロッカー」(再見)
・「ローガン」
・「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー・リミックス」
・「ナイスガイズ」
・「スモーク」(★9)
・「人間の値打ち」
・「上流社会」(再見)
・「ヒトラーの忘れもの」
・「人生タクシー」
・「レッズ」
・「世界でひとつのプレイブック」(再見★9)
・「誘う女」
・「シェーン」
・「四十二番街」
・「フィラデルフィア」(再見)
・「ミルドレッド・ピアース」
・「リリーのすべて」
・「男と女」
・「レザボアドッグス」
・「バリー・リンドン」
・「イースター・パレード」(再見★10)
・「ラビング/愛という名前のふたり」
・「私はダニエル・ブレイク」
・「ザ・ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」
・「かくも長き不在」(★9)
・「ダウン・バイ・ロー」
・「セラヴィ」
・「踊る大紐育」(再見★9)
・「山猫」
・「砂漠の流れ者」
・「ベイビー・ドライバー」
・「ゲットアウト!」
・「ビューティフル・マインド」(再見)
・「ショウ・ボート」
・「幸せなひとりぼっち」
・「突然炎のごとく」
・「ダイ・ハード」(再見)
・「ラブ・アクチュアリー」(再見★9)
・「美しき諍い女」
・「エル(ELLE)」
・「二十四の瞳」
・「トゥルー・ロマンス」(★9)
・「巴里のアメリカ人」(再見)
・「アリスのままで」
・「緑の光線」
・「セールスマン」(★9)
・「ありがとう、トニ・エルドマン」
・「ボブという名の猫 幸せのハイタッチ」
・「ゴッドファーザー PartⅡ」(★10)
・「バンド・ワゴン」(再見★10)
・「プライベート・ライアン」(再見★9)
・「ハドソン河のモスコー」

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by jazzyoba0083 | 2018-12-28 19:49 | Best of 2018 | Trackback(1) | Comments(2)

●「アリー/スター誕生 A Star Is Born」
2018 アメリカ Warner Bros.Pictures. 136min.
監督・(共同)製作・脚本:ブラッドリー・クーパー 
出演:レディ・ガガ、ブラッドリー・クーパー、アンドリュー・ダイス・クレイ、デイヴ・シャペル、サム・エリオット他

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<評価:★★★★★★★★☆☆+α>
<感想:結末に触れる内容があります>
クリント・イーストウッドによってのリメイクが進んでいると思っていたら、なんとブラッドリーの監督デビュー作に
移行していたんだね。イーストウッドの痕跡は製作プロダクションにMalpasoが入っているから何らかの影響はあった
のだろう。もう四回目となる「スタア誕生=A Star Is Born」、ジュディ・ガーランドによる1954年の決定版があると
いうのに、話がいつの時代にも変化しうるものでしかもアレンジしやすい、分かりやすいストーリーに仕立てられるので
製作サイドとしても、監督と役者さえ揃えば手を付けやすい作品なのだろう。が、それ故の難しさも当然ついて回る。
エンドロールでは、'37年版、'54年版、'76年版(バーブラ・ストライザンド版)それぞれの脚本家についてもベースに
している旨の名前が流れる。つまり、凋落しつつある大スター(ミュージシャン)と、素人だった女性が大スター
(ミュージシャン)に上り詰め、二人の人生が交錯しつつ、ラストは悲劇と希望が交代していくという骨子は変わらないと
いうことだ。ただし2018版ではLGBTやジェンダーといった今日的背景が配慮されている。

本作でも、業界は音楽界となり、いまだ大人気の大スターミュージシャンであるジャクソン(クーパー)が凋落しつつも
新しい才能であるウエイトレスのアリー(ガガ)を見出し、名マネージャーの力も有りアリーは大スターに登り詰めて
いく設定。
しかし、酒浸り、ドラッグ浸りの日々から抜け出せず苦悩するジャクソンはアリーを深く愛しつつも自分の存在がアリーに
とってマイナスだと考え、自らの命を断つ。アリーにとっては絶望的な悲劇ではあるが、ジャクソンに愛されたチカラは
しっかり体に生きていて、明日を見つめて生きていこうとする。どのバージョンでも変わりのない王道のメイン
ストーリーだ。

感じたのは、ガガのキャスティングの勝利。まるでガガ個人の実話を観ているような錯覚を覚えるような作品への同化、
自ら作曲した歌の数々の素晴らしさと歌声。そして演技も初主演とは思えない自然体と作品の解釈。さらに初監督では
あるが、過去の名作を乗り越えられるレベルに達しているクーパーの演出力。あえてアップを多用し、暗めの画面で
絞りを開けさせて画面に奥行きをだす心情を意識した画作り、加えて彼自身の歌も素晴らしい。アメリカの映画の底力を
見る思いだ。
世界観の広がりという意味では狭い世界の話ではあるが、それだけ充実した濃いストーリー展開となっていて見応えが
あった。これはオスカーに相当部門ノミネートされるのではないか。
この撮影の頃はガガは全身疼痛でつらい時期ではなかったか。ヌードも厭わぬそれこそ体当たりの演技であった。
原作がそうだから仕方がないのかも知れないが、ジャクソンの破滅志向の行動・思想は、アリーを見出したという功績を
引いても残念なキャラクターではある。

余談だが、本作は当初ジェニファー・ロペスとウィル・スミスであったようだし、イーストウッドの構想ではビヨンセで
あったようだ。ビヨンセは子供が出来てしまったので駄目になった。それはそれで観てみたいという気持ちもあるが、
結果論かもしれないが、ガガとクーパー以外にはありえない感じだ。

レディ・ガガという人は、メディアを通してしか知らないが、愛情溢れた人思いの性格で、真面目、努力家だとのことだが
この演技などは彼女のそうした人間性が内側から滲み出ている出来である。楽曲も歌声も素晴らしい。

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<ストーリー>
人気歌手レディー・ガガの映画初主演作となる音楽ドラマ。歌手を夢見るヒロインが、国民的人気を誇るミュージシャンと
出会い、その才能を認められ、華やかなショービジネスの世界に足を踏み入れていく。
ブラッドリー・クーパーがヒロインの運命を変えるミュージシャン役で歌声を披露するだけでなく、映画監督に初挑戦した
意欲作だ。

アリー(レディー・ガガ)は歌手になることを夢見ていたが、なかなか芽が出ず、諦めかけていた。そんなある日、
世界的シンガーのジャクソン(ブラッドリー・クーパー)と出会う。アリーの歌に魅了されたジャクソンに導かれる
ように、アリーは華々しいデビューを飾り、瞬く間にスターダムを駆け上がっていく。
2人は激しく恋に落ち、固い絆で結ばれるが、全盛期を過ぎたジャクソンの栄光は徐々に陰り始めていく……。
(Movie Walker)

<IMDb=★8.1>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:90% Audience Score:81%>
<KINENOTE=76.5点>





by jazzyoba0083 | 2018-12-24 16:40 | Trackback | Comments(0)

セリーナ 炎の女 Serena

●「セリーナ 炎の女 Serena」
2014 チェコ・フランス 2929 Productions,Chockstone Pictures,Nick Wechsler Productions.109min.
監督:スサンネ・ビア
出演:ジェニファー・ローレンス、ブラッドリー・クーパー、リス・エヴァンス、トビー・ジョーンズ、アナ・ウラル他

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<評価:★★★★★☆☆☆☆☆>
<感想>
「世界にひとつのプレイブック」のオスカーコンビが出ていたので観てみた。オスカー女優、こんな映画に
出ていては駄目だな。ブラッドリーも。
叙事詩?何が言いたかったのかさっぱり分からない映画だ。さすがの名優が並んでも脚本が駄目だと良い
映画にはならない、という見本。というか、小説の映画化なのだが、映画にしてはいけない原作を選んで
しまったのだな。時代や背景の設定などは良く出来ているので小説は面白いのだと思う。したがって
映画は「雰囲気」だけの時間が流れることになってしまった。

邦題のサブタイトル「炎の女」というのは、ラストを見るとカケコトバになってると見るのが正しい
のか。結局、身勝手女の一人芝居に振り回されたブラッドリーこそ悲劇だ。最後にクーガーに食われて死ん
じゃうんだもの。所有地の国立公園化の話や、ブラジルのマホガニー林の話などのサイドネタも中途半端な
未消化のまま終わる。ジェニファーもブラッドリーもそれなりの好演なのだが、話がこれじゃあいかんとも
し難い。ジェニファーは「マザー!」(日本劇場未公開)でも、なんだかなあ、の映画に出ちゃっているので、
もっとハイ・コンセプトな映画に出てもらいたいものだと思う。いい女優さんなんだから。

結局なんの感想も論評も出来ない映画になってしまったのでこれにておしまい。
あ、印象的だったシークエンスがひとつある。一目惚れ同士が結婚するのはいいのだが、それを表現する
のに、ダンスシーンとベッドシーンだけでやっつけるというのはあまりにも安易じゃないか?監督・・・。

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<ストーリー:結末まで書かれています>
1929年のノースカロライナ州。製材所を営むジョージと孤独な美女セリーナは運命的な出会いを経て結ばれ、
夫婦となる。 ジョージの共同経営者として手腕を振るうセリーナはやがてジョージの子を身ごもるが、臨月が
迫ったところで流産し、子供を産めない体になってしまう。

精神的に不安定になったセリーナはジョージがかつての恋人レーチェルに産ませた息子ジェイコブを金銭的に
援助していることを知り、激しい嫉妬にかられる。 ジョージに雇われている猟師のギャロウェイはかねてより
セリーナに運命的なものを感じていたが、事故で手に大怪我を負った際にセリーナに助けられたことから、
セリーナを守るためならなんでもする男になっていた。
そんなギャロウェイにセリーナは、ジョージとの生活を守るためにジェイコブを殺すように依頼する。
間一髪で難を逃れたレーチェルとジェイコブはマクダウエル保安官に匿われるが、ギャロウェイは執拗に
ジェイコブの命を狙う。

マクダウエル保安官から事情を知らされたジョージはセリーナに怒りをぶつけて置き捨てると、自らの
不正行為について自首することを条件に、保安官からジェイコブらの居場所を聞き出す。 ギャロウェイは
レーチェルらを見つけて殺そうとするが、そこにかけつけたジョージが格闘の末にギャロウェイを殺す。

レーチェルらを安全な場所に見送ったジョージは狩りに向かい、念願のクーガーを見つけて撃つ。
しかし、傷を負ったクーガーに反撃され、クーガーを刺し殺すことはできたが、自らも首を噛まれて死ぬ。
ジョージの死体を見つけたマクダウエル保安官はセリーナに身元の確認を依頼するが、ジョージの死に
ショックを受けたセリーナは返事すらしない。 保安官が諦めてその場を後にすると、セリーナはベッドに
横たわり、焼身自殺する。(Wikipedia)

<IMDb=★5.4>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:16% Audience Score:23% >
<KINENOTE=63.2点>



by jazzyoba0083 | 2018-12-20 22:40 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

●「ワーキング・ガール Working Girl」
1988 アメリカ 20th Century Fox 113min.
監督:マイク・ニコルズ  音楽:カーリー・サイモン
出演:メラニー・グリフィス、シガーニー・ウィーヴァー、ハリソン・フォード、アレック・ボールドウィン
   ジョーン・キューザック、フィリップ・ボスコ、ノーラ・ダン、ケヴィン・スペイシー他

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<評価:★★★★★★★☆☆☆+α>
<感想>
時代の雰囲気が横溢した映画だ。風俗を保存するという意味でもこの映画は貴重な存在。日本で
「私をスキーに連れてって」が製作されたのが1987年だから、まさにバブルに世界中が浮かれ気分だった
時代だ。本作に出演している女性陣のファッション、ヘアスタイル、メイク、まさに80年代のタイム
カプセルのようだ。ヤッピーということばが出てきて、ビジネス街に通う女性はスニーカーで出勤し
会社でヒールに履き替える、という風習がまさに本作でも使われている。

80年代の風俗なタイムカプセルと言えば我が国では「わたスキ」がそうであった。しかし「わたスキ」が
心底お気楽映画だったのに比べ、本作はアメリカで女性が社会に進出しはじめた頃のビジネス界の感じを、
女性をどう捉えていたかも含め見て取ることが出来、同じ時代を切り取る映画でも「上昇志向の女性」の
姿を勧善懲悪の世界で(カタルシスは平凡だが)描いているところに違いがある。

8年前の1980年には、こちらも主題歌が大ヒットした「9時から5時まで」という、働く女性を描いた
ブラックコメディがあったが、その当時と比べると、上司が女性というところからして違うし、女性が
オフィスで働く、ということの真剣さの捉え方に時代を感じる。

当時バブルで金満日本によるアメリカ企業の買収が盛んだった時代で、本作でも舞台となる証券会社の
M&A部門では日本企業による買収がさかんに話題になっている。そのような背景も含め80年台を記録
した作品である。NYにはWTCがそびえているのは当然である。

「こんな、映画のようなことがあるもんか」というセリフは映画の中でも良く使われるのだが、本作は実際
そんな感じ。ありえないシンデレラストーリーで、まあ悪く言えば「ご都合主義」なのだが、頑張った
(当時は地位が低い)女性が(ありえない)成功を手にするという、まあ観ている女性陣からすれば
スカッとする(逆に今見ると、世の中こんなに上手くいかないよ、と思われるだろうが)仕上がりになって
いる。

とにかく80年代の時代感横溢なのである。メラニー・グリフィスの役柄は少し前ならマリリン・モンローが
やったような少し頭のネジが緩いような風貌、しゃべりなのだが、彼女の違うのは(外見とは違いww)
頭がよく、アイデアウーマンだということだ。しかし5年掛けて夜学の大学を出ても、新卒で大学を出てくる
女性には敵わない。そんな同い年の上司をシガーニー・ウィーヴァーが演じる。どなたかも書かれているが
もっと意地悪く描いても良かったんじゃないかな。それにしても本作の中ではピカイチの存在感と演技。
いわゆる憎まれ役である。だが、メラニーはシガーニーの言葉(生きていく上での)にインスパイアされる
(シンプルなファッションも)のだ。だが、シガーニーのほうが上昇志向が強すぎで、信頼を裏切るという
汚い手を使うのだ。まあ、メラニーの方も、体当たりとはいえ余り褒められた行動をとるわけでもないの
だが・・・。メラニーは髪の毛を切ると風貌も切れ者風に変わるのだが、主人公がメラニーという配役で
本当に良かったのかどうかは評価が分かれるところだろう。

シガーニーの恋人で、最後にはメラニーに取られてしまうハリソン・フォードは、「スター・ウォーズ」
「インディ・ジョーンズ」シリーズで油が乗り始めてきた頃。「何を演じてもハリソン・フォード」と
悪口を言われるが、まあここでもそんな三枚目的な役柄で、最後に美味しいところを持っていく。役柄に
合っていたキャスティングだと思う。

全体の作劇は、名匠マイク・ニコルズらしく見せ場をつくりきちんと纏めている。楽しい映画に仕上がって
いることは間違いない。またオスカーを獲ったカーリー・サイモンによる主題歌、また名手ミヒャエル・
バウハウスによる冒頭の自由の女神の空撮を始めとし、エンディングのビルの一部屋からの引きの画といい
映像もここちよく仕上がっている。

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<ストーリー>
ニューヨークのマーシュ証券会社で秘書として働くテス・マクギル(メラニー・グリフィス)は、頭が
切れるものの学歴不足が原因で証券マン養成コースからはずされ、おまけに好色な上司をポン引き呼ば
わりしてしまい、ボストンから転勤してきた女性重役キャサリン・パーカー(シガニィー・ウィーヴァー)
の秘書に配置変えされてしまう。洗練されたキャサリンに圧倒されるテスであったが、トラスク産業の
ラジオ局買収の情報を提供し、成功したら養成コースに入れて欲しいと彼女に頼む。

恋人との結婚でうきうきするキャサリンであったが休暇を過ごしたスキー場で足を骨折、回復までの間、
すべてを任されたテスは、彼女のパソコンの中の「トラスクの件はテスを通さぬ事」という一節を読み
ショックをうける。さらに彼女は恋人ミック(アレック・ボールドウィン)の他の女との情事の現場を
目撃してしまい、怒り心頭、そしてワープロの中にあったジャック・トレイナーという男を訪ね彼の
主宰するパーティにもぐり込むが、そこでダンディな紳士(ハリソン・フォード)に誘われ飲んでゆく
うちに酔いつぶれ、彼のマンションに泊まってしまう。

翌朝、ジャックの勤めるデューイ社を訪れたテスは、昨夜の紳士こそ彼であることを知り驚くが、
ジャックはトラスク社のラジオ局買収に乗り気で、トラスク社長(フィリップ・ボスコ)の娘の
結婚式にふたりしてもぐり込み社長に接近、彼に気に入られたテスは合併問題で会ってもらえる
約束をとりつける。この仕事を通してジャックはテスが気に入り、恋人との婚約を取り消すと言い
出すが、その恋人こそキャサリンだった。

そして彼女の退院の日、トラスク産業の重役会議出席のためキャサリンを巻いてテスとジャックは
会場にすべり込むが、キャサリンは彼女の部屋に忘れたテスのスケジュール帳を盗み読み、
事の成り行きを知る。そして契約調印の直前、キャサリンが、「テスはアイデアを盗んだ秘書」と
言ってどなり込み、話は一時延期される。窮地に立たされたテスであったが、後日エレベーターで
出会ったトラスク社長が真相を知るや、逆に彼女の着眼点の良さ、行動力が評価され、改めて
合併に調印、そしてキャサリンはクビ、トラスク産業の重役に引き抜かれたテスは、ジャックとの
愛も手に入れるのだった。(Movie Walker)

<IMDb=★6.8>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:85% Audience Score:67% >
<KINENOTE=70.2点>





by jazzyoba0083 | 2018-12-17 23:05 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

パワー・ゲーム Paranoia

●「パワー・ゲーム Paranoia」
2013 アメリカ Relativity Media,Reliance Entertainment,Demarest Films.106min.
監督:ロバート・ルケティック   原作:ジョセフ・フィンダー 「侵入社員」
出演:リアム・ヘムズワース、ハリソン・フォード、ゲイリー・オールドマン、アンバー・ハード、リチャード・ドレイファス他

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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
親の世代に美味しいところを持っていかれ、今の若者は損をしているという不遇の青年が野心に燃えて、悪事に
巻き込まれ再生していく、という青春の蹉跌と身の丈の成功を描いた作品。名優が出ている割には全体としていま
ひとつピリッとしたところのない映画だった。
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青年アダム(リアム)は、業界№2の携帯会社に勤めるも、なかなか上に這い上がれないIT技術者だ。社長(オール
ドマン)へのプレゼンでも、ついかっとなり社長と喧嘩してしまい、チームの仲間を巻き添えにして全員にクビに
なってしまう始末。
家には肺気胸を患う父がいる。母は7歳の時無くなっていて、35年の警備員生活をリタイアしたワガママ親父との
二人暮らし。4万ドルもの莫大な医療費にも困っている。自分は会社に入って6年も立つのに一度の昇給もない。
俺はオヤジのようにならない、成り上がってやる!と野心と不満が充満してる状況だった。

そんななかで会社をクビになり、法人カードがまだ使えることをいいことに、仲間と超高級クラブで豪遊する。
これが元の会社にバレて、(そりゃばれるわな=この辺詰め甘い)、クビにした社長が、裁判にされたくなかった
ら、社長が元いた携帯会社に採用され潜入し、新世代携帯の秘密をスパイしろ、と迫られる。
しかたなく、伝説の経営者ジャック・ゴダード(ハリソン・フォード)が経営する会社にうまく取り入り、幹部と
して採用される。(アメリカってそんなもんか?)新しい会社の女性と親密になり、彼女のハンドバックやPC
から秘密を盗み、元の会社へとデータを送った。アダムは新会社の社長から大いに気に入られ、高級マンションや
高級車をあてがわれる。

しかし、核になる実機の見本が手に入らず、元いた会社の社長からは、時間がないと脅される。そこで無人に
なった新会社に夜間忍び込み、恋仲になった女性の指紋を採取してセンサーを突破、しかし、警戒網にバレて
捕まってしまう。新社長は、全てお見通しでアダムを採用していたのだ。さらに元いた社長とアダムの、
秘密を盗むメールをすべて記録していた。

だが一方で新会社でも、技術者が不審死したりしていて、FBIが内定していたヤバイ会社でもあったのだ。
アダムは接触してきたFBIに仲間とともに司法取引をし、スパイ行為を指示したゲイリー・オールドマンと
諸々のハリソン・フォードの悪事を一気に暴き、二人は逮捕されていった。まあ、ラスボスはハリソン・フォード
だったというわけかな。かつて二人は共同経営者として苦労をともにしていたのだが、ハリソンが
ゲイリーを追い出したような形になったらしい。それから二人の確執は始まったのだ。

野心満々のアダムはまんまと二人に利用されてしまったわけだが、二人の逮捕の後、ブルックリンの対岸に
事務所を構え、かつての仲間たちと地道な事業を立ち上げたのだった。一時は情報の抜き出しに利用した
ガールフレンドも、彼を赦し一緒に働くようになるという、最後はアダムのまともな家業への再生を暗示
して終わる。
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IT界を二分する企業のボスにその野心をいいように使われたアダム、彼には当然それ故のスキがあった
のだが、全体にITの世界を描きながら、「え、そんなことあり?」とか「脇が甘すぎじゃね?」とかいう
点が少なからずあり、映画全体の脇の甘さ、詰めの甘さに繋がってしまっていた。どなたかも書いていた
ように、IT企業のボスって、スティーヴ・ジョブスも、ゲイツもオタクだし、オールドマンやフォードの
ような重厚な印象を持っていないんだな。その当たりのキャスティングはどうだったんだろう?

パワー・ゲーム Paranoia_e0040938_11542351.jpg
<ストーリー>
急成長を遂げるIT企業、ワイアット社のCEOワイアット(ゲイリー・オールドマン)は、宿敵のゴダード
(ハリソン・フォード)率いるアイコン社が開発している新製品の情報を入手しようと目論む。その手段
とは、野心家の若手社員アダム(リアム・ヘムズワース)の弱みを握り、高報酬と引き換えにアイコン社
への潜入とスパイ活動を指示するという信じ難いものだった。やむなくその条件を受け入れたアダムは、
有力情報を手に入れるためにアイコン社に潜入。だがそれは、恐るべき本性を露わにしたワイアットと
巨大な権力者ゴダードとの戦いに挑むことを意味していた……。(Movie Walker)

<IMDb=★5.7>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:7% Audience Score:35%>
<KINENOTE=62.1点>




by jazzyoba0083 | 2018-12-13 22:55 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)

●「しあわせな人生の選択 Truman」
2015 スペイン・アルゼンチン Audiovisual Aval SGR,BD Cine,Canal+ España, Fox+ and more.108min.
監督・(共同)脚本:セスク・ガイ
出演:リカルド・ダリン、ハビエル・カマラ、ドロレス・フォンシ、エドゥアルド・フェルナンデス他

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<感想:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
物語が進むに連れて全体像が見えてくる構造だが、もっと早くわかったほうがいい人間関係もあっただろうに、
と感じた。こうした物語は映画の世界では少なくないが、涙が殆ど無いドライな構造がかえって、「死に向き合う」
本人とそれを見守るしか出来ない友人の立ち位置が鋭さを増すように思えた。

先述した人間関係が少しずつ分かる構図をあえて取ることにより、登場人物の友情や愛情の浅さ深さを強調する
演出だったろうな、と感じる。冒頭、友人トマスが雪のなか家を出るシーンはカナダとは分からない。
主人公フリアンが舞台役者であることも暫くしないと分からない。いとこの女性パウラの登場は唐突であり、
最後まで彼女がフリアンのイトコだとは分からなかった。そしてこの3人はアルゼンチンはブエノスアイレスに
故郷があるようであることも薄っすらとしか分からない。

つまりこうだ。余命幾ばくもない友人に最後の面会にやってきたカナダの友人(大学教授であるとは映画の中では
名乗らない。フリアンの息子にロボット工学を教えている、というのはとっさのウソかと思った)トマスが
4日間の日程で前触れ無く訪れる。フリアンはマドリッドで舞台俳優をしていたが、末期がんに侵され、治療を
放棄し、いわゆる「終活」をしている。 フリアンは離婚していて、元妻も俳優、再婚相手も俳優だ。
一人息子はアムステルダムの大学に行っている。イトコのパウラはブエノスアイレス時代からトマスらとは
友人らしい。 全体としてこういう相関関係の中で、物語が進むのだが、フリアンは医師に治療放棄を宣言し、
自分の葬儀の手続きやお棺、骨壷の選定など粛々と「終活」を進めるのだが、一番の懸念は長年連れ添ってきた
トルーマンと名付けられた大型の老犬の行方であった。

私がこの映画で主人公の寂しさをしみじみ感じた点は3つあった。一つは、骨壷を選ぶとき、その器の小ささを
係員に告げると、「人間は灰になるとこのくらいに・・・」と云われ、それから周りの世界が目に入らなくなる
シーン、2つ目は、トマスとフリアンのイトコ、パウラがトマスの泊まっているホテルでセックスをするシーン。
トマスはカナダに仲の良い妻がいるのだが。何か共通の友人を喪失する悲しさが二人のセックスシーンからにじみ
出てくるようで、こんなに悲しいセックスシーンがあったろうか、と思ってしまった。最後はやはりラストシーン。
カナダに帰るトマスに愛犬トルーマンを預けるところ。ああ、これでフリアンは本当に孤独になっていくんだ、
大丈夫だろうか、けっこうニヒルに決め込んでいたけど、と心配になるところ。そしてトルーマンという友情の証を
引き渡したわけだ。
それが感じられればこの映画はOKだったような気がする。原題が犬の名前なのだが、トルーマンという愛犬は
主人公の「生」と「友情」のメタファーに相違ないのである。

余命がいくらか語られないが、フリアンの(意地を張っているにしても)乾いた生死感と逆に回りの(当惑する)
ウェットな感情が、映画全体から、みんなの前から去りゆく覚悟を決めた男の悲哀が滲み出てきていたように受けとめた。

スペインの国内のゴア賞5部門を獲得したそうだが、超傑作とは言えないけど、画面が訴えるものは佳作良作である
ことを証明しえているとは思える。

しあわせな人生の選択 Truman_e0040938_16011705.jpg
<ストーリー>
末期がんに侵された男性と周囲の者たちとの最期の日々を追い、スペインのゴヤ賞で作品賞はじめ5冠に輝いたドラマ。
スペイン在住の友人フリアンを訪ねたトマス。フリアンは余命いくばくもなく、愛犬トルーマンの新しい飼い主探し
など彼の死に支度に付き合う。
セスク・ゲイ監督は自身の母親の闘病生活での体験をもとに本作を制作。死期の迫るフリアンを「人生スイッチ」の
リカルド・ダリンが、彼に寄り添う友人トマスを「アイム・ソー・エキサイテッド!」のハビエル・カマラが演じる。

カナダ在住のトマス(ハビエル・カマラ)がスペインで暮らす長年の友人フリアン(リカルド・ダリン)のもとを
訪れたところ、フリアンのいとこ・パウラ(ドロレス・フォンシ)からフリアンが肺がんに侵され余命いくばくも
ないことを聞く。

すでにがんの治療を諦め死に支度を始めており、トマスの説教を嫌がるフリアン。トマスは追い帰そうとする彼を
意に介さず四日間滞在すると言い、フリアンも渋々了承。離婚してから独り身のフリアンが一緒に暮らす愛犬
トルーマンを案じ、トマスと一緒に新しい飼い主探しをしに出かけることに。
さらに、オランダのアムステルダムにいる大学生の息子のもとへ誕生日祝いをしに向かうが……。
(Movie Walker)

<IMDb=★7.3>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:100% Audience Score:79%>
※Tomatometerは母数少なめ。
<KINENOTE=74.4点>



by jazzyoba0083 | 2018-12-12 23:40 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

●「ホテル・ファデットへようこそ Bonne Pomme」
2017 フランス Thelma Films and more. 101min.
監督:フロランス・カンタン  脚本:フロランス(母)&アレクシ(息子)・カンタン
出演:ジェラール・ドパルデュー、カトリーヌ・ドヌーヴ、シャルタン・ラデスー、ゴチエ・バトゥー他

ホテル・ファデットへようこそ Bonne Pomme_e0040938_14165435.jpg
<評価:★★★★★☆☆☆☆☆>
<感想>
フランス人という人種はこういう映画が好きなんだろうなあ。ちょっとコミカルな中編映画。人の言うこと
なんか聞きゃしないゴーイングマイウエィも極まったホテルの女主人バルバラ(ドヌーヴ)と、人が良すぎる自動車
修理工のジェラール(ドパルデュー)この二人の掛け合いを楽しむのが基本。とりまく家族や村人らもまともな人が
少ないかといってハリウッド風の味付けではないキャラクターが欧州味を付け加えている。

ドヌーヴは最近こうした中編に出演することが多いようだが、映画の評価としては高くないものばかり。まあ
自分がやりたいことだけやっているんだろう。このホテルの女主人、いかに浮気相手から手切れ代わりに充てがわれた
ホテルとはいえ、全然やる気がない。そこに嫁との折り合いが悪く、出自の悪い金を(修理を担当したやつが麻薬の
密売人で、使うクルマのチューンナップをしてやり、大金を貰っていた)持って、片田舎の修理工場を買収に来た
腕は良い修理工のジェラールがやってきた。バルバラのまるでクモの網に引っかかったように、客なのに調理はさせ
られるわ、清掃やしまいには結婚式まで取り仕切らせれ、これがまた上手くいってしまうのだ。

片や、ラリーに出場するため金をため店をジェラールに売ろうとしている男は恋人を置いてジェラールにチューン
ナップしてもらいレースに出かける。

ジェラールの義母も娘(ジェラールの嫁)が気に入らず、彼のもとに従業員とやってくる。やがて麻薬密輸の男が
捕まり、クルマのことで協力し大金を貰っているジェラールに警察の手が及んでくる。もとよりホテルなんて
やる気のないバルバラは、ジェラールとともに大型四駆でイタリア方面に逃避行に出かけるのだった・・・。

何人かの登場人物の人間模様をユーモアとウィットに富んだいかにもフレンチ映画らしい笑いのテイスト。
劇場未公開(だろうなあ)。人と人の絡みを人間喜劇として描かせるとフランス人は上手いなあと思う。
脚本家出身の監督らしい味付けである。
しかも堅苦しくなく。あまりにワガママ&身勝手なバルバラにジェラールが「いいかげんにしろよ!俺は出ていく!」
と怒りをバクハツさせるシーンがある。人として当然の感情だろうけど、ジェラールの人の良さは、それだけで
収まっちゃうのだ。バルバラを放っておけなくなってしまうんだな。映像やセリフには無いけど二人は結局惹かれ
あうようになったのだ。それまた人生なり!C'est la vie! と聞こえてきそうである。フランスを代表する名優二人の
熟練した演技に乾杯!だ。 原題の「美味しいリンゴ」とは何を指しているのだろうか?

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<ストーリー>
いずれも本国フランスだけでなく世界的にも活躍している国際派スター、ドパルデューとドヌーヴが顔合わせし、
いずれも高齢者ながら現在や未来を前向きに考える男女に扮したコメディ。ドヌーヴが演じる型破りなホテル
経営者にドパルデューが演じる男性は振り回されるが、いつしか2人が性別を超えた友情を築いていくのもまた
前向きでユニーク。
ユーモラスな展開の中、日本でいう“ベタ”なギャグも多いが、それもまたフランス流コメディ風。監督・共同脚本は
脚本家出身のF・カンタン。WOWOWの放送が日本初公開。

フランスの町ドルーで暮らす老男性ジェラールは妻との仲が冷めた上、妻の母親が営む自動車修理工場の雇われ
社長をするのにも飽き、自分の修理工場を持ちたいと望み、ルヴェルジョンという村で売りに出された修理工場を
買うかどうか考えようと現地へ。そこで“ファデット”というホテルに泊まるが、何事にもいい加減な女性主人
バルバラに押し切られ、しばらくそこに滞在する。一方、ジェラールの家族は彼が家出したと心配し……。
(WOWOW)

<IMDb=★5.2>
<Rotten Tomatoes=評価なし>




by jazzyoba0083 | 2018-12-11 18:00 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)

●「ハード・ウェイ The Hard Way」
1991 アメリカ Universal Pictures. 111min.
監督:ジョン・バダム 
出演:マイケル・J・フォックス、ジェームズ・ウッズ、スティーヴン・ラング、アナベラ・シオラ、LL・クール・J他

ハード・ウェイ  The Hard Way_e0040938_15201423.jpg
<評価:★★★★★★★☆☆☆+α>
<感想>
このころからマイケルには「パーキンソン病」の兆候があったという。今年57歳になったはずのマイケル、是非また
元気な顔を見せて欲しいものだ。「BTTF」ファンとしては心底そう願う。

この映画は、映画業界の内輪ものであり、かつ警察のバディものであり、スクリューボール・コメディとも言える
作品で、allcimemaの指摘にあるように、エンターテインメントとしては成功しているけど、後には何も残らない、
というタイプの娯楽作である。設定が設定だけに面白い映画ではある。特にジェームズ・ウッズのキャスティングが
成功している。マイケルはあんまりまともでないハリウッドスターを頭のネジの外れようも適度に、何やってるんだか、
と観客に思わせるいい雰囲気を出していたと感じた。
マイケルは終始だいこんに見えるのだが、ハリウッドの世界、映画の世界ではニック・ラング(作品中の彼の名前)は
大スターなのだな。その世間の認知と実際の彼のキャラクターや最後に出来上がる映画のクサさの落差が本作の
面白さの肝となる。またマイケルは身長が低いことなどを自虐的にパロディーにしていたり、「BTTF」のマーティの
寝相を真似してみたりと、なかなか吹っ切れた演技。これも笑いを誘う。「インディ・ジョーンズ」や忍者ものの
パロディもあり、「スピルバーグに赤ちゃんが生まれたそうよ」とかいうセリフも出てくる。内幕を笑いに
変えているのは常道ではあるが。

ハリウッドスターのニック・ラング(マイケル)は、会社が持ってくる映画の子供だましの台本にいい加減辟易と
していた。「シリアス」なものに憧れていたのだ。たまたまテレビで観たNYPDの刑事ジョン・モス(ウッズ)の
「パーティークラッシャー」との戦いのニュースを観ていて、実際に刑事に同行し、シリアスな演技を学ぼうと
考えた訳だ。

NYへ飛んだニックは、署長の根回しでモスを事件から外してもらい、自分の「バディ」担ってもらうことに成功
する。しかし、ハリウッドの大スターはしもじもの空気など全然読めず、モスのデートは邪魔するわ、手を出すな、
と云われいる事件に手を出して危機一髪になるわで、モスに迷惑ばかり掛けている。そこでモスは仲間の刑事と
ともにニックをハリウッドに返すための芝居を打つことにする。それに引っかかって実際人を殺してしまったと
思い込んだニックはモスに迷惑がかかると、LAに帰ることにするのだが・・・。
パーティークラッシャーの跋扈は止まず、ニックとモスは、事件に巻き込まれていく・・・。

まあ、「スクリューボール・コメディ」に文句を言っても始まらないので、肩の力を抜いて、気楽に見るのが正解な
作品。そうすればなかなかいい味のコメディだと思う。後に残らない、といったけど、映画を観ているときだけ
楽しければ、教訓を垂れる種類の映画でもないわけで、それはそれでいいと思う。

ハード・ウェイ  The Hard Way_e0040938_15202025.jpg
<ストーリー>
最近スランプ気味の人気アクション・スター、ニック・ラング(マイケル・J・フォックス)は次回作で演じる
刑事の役作りに挑むため、偶然TVで目にしたニューヨーク市警の殺人課刑事、ジョン・モス(ジェームズ・
ウッズ)に弟子入りしようとエージェントのアンジー(ペニー・マーシャル)の止めるのも聞かずNYに飛んだ。

連続殺人鬼、通称、バーティ・クラッシャー(スティーブン・ラング)を追うモスは署長に言われてラングを
捜査に同行させることをしぶしぶ承知するが、ラングは行く先々で足手まといになるばかり、おまけに同居すると
まで言い出す。
恋人のスーザン(アナベラ・シオラ)とのデートにしゃあしゃあとして現われるに至ってはモスも半ばあきらめ
気味、ラングを手錠で繋ぐと1人で捜査に出かけてしまう。ところがその留守に勝手にスーザンに会いに行った
ラングはギャングに襲われ、危うい所をモスに救われた。
その夜、クラッシャーを追って駆けつけた現場でラングは誤って一般人を射ってしまう。顔面蒼白となるラングに
モスは罪は自分がかぶるからロサンゼルスに戻れと言うが…。

それはラングを厄介払いするべくモスが仕掛けた罠だったのだ。モスは単身クラッシャーが改造拳銃の売人と
接触する現場に乗り込み、壮絶なチェイスの末にクラッシャーをラングの最新作「スモーキング・ガンII」の
上映されている劇場に追い詰めた。
しかしそこにようやく自分がだまされていることに気づいたラングも駆けつけてきた。銃撃戦の大混乱の中、
ラングの放った弾が命中してクラッシャーは逮捕され、ラングはだましたモスに一発食らわせて車に乗り込む…。

で一件落着と思いきやそこには逮捕されたはずのクラッシャーがピストルを構えていた。ラングはクラッシャーを
降ろそうとするがうまくいかず、スピードの出しすぎで車ごと転倒。とり逃がしたクラッシャーはモスの家へ行き、
スーザンを人質にとり、街の「スモーキング・ガンII」の宣伝用ハリボテの中に立てこもる。あわてて後を追った
2人は街中の人々が見守る中、激しい戦いをくり広げ、ついにクラッシャーを地面にたたきつけるのだった。
(Movie Walker)

<IMDB=★6.3>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:74% Audience Score:53%>
<KINENOTE=64.2点>




by jazzyoba0083 | 2018-12-10 23:25 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)

●「くるみ割り人形と秘密の王国 The Nutcraker and The Four Realms」
2018 アメリカ Walt Disney Pictures. 100min.
監督:ラッセ・ハルストレム、ジョー・ジョンストン 
出演:キーラ・ナイトレイ、マッケンジー・フォイ、エウヘニオ・デルベス、ヘレン・ミレン、モーガン・フリーマン他

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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
奥様に誘われてシネコンに出かけた。チャイコフスキーのバレエ曲の実写版か、と思っていたらさにあらず。
本作は本作用にドイツのE.T.A.ホフマンの童話 『くるみ割り人形とねずみの王様』 を、翻案したファンタジーだ。
wikiあたりで見るオリジナルとはかなりかけ離れたお話となっているようだ。本国での評価は全然パッとせず、
興行収入も期待されたものに遠いようだ。

だが、こういうファンタジーとして観たとき、個人的にはそこそこ面白かった。まあ、奥行きはないです、
はっきり言って。でもおとぎ話にどのくらいの奥行きや寓意を求めるでしょうか。本作は主人公クララの
勇気と冒険の華麗な世界を覗き見た感覚が味わえればいいのではないかな、と感じた。
ただ大きく残念な点は、お話の繋ぎがあまり宜しく無く、それぞれのプロットが全体のストーリーを纏め
上げきれていないので、感動もそれだけ減じることになる。クララが最初に出会う王国の門塀がくるみ割り
人形で、本来リンクすべきドロッセルマイヤーじいさんとの因果関係が全く断絶している、などなど。
原作にはないマザージンジャーのスタンスなどもいまいち分かりづらい。ただぼけーっと観ているファンタジー
としてはそう悪くはない。そういった意味からしても、ヘレン・ミレン(マザージンジャー)、モーガン・
フリーマン(ドロッセルマイヤー)、メイクで誰だか分からなかったシュガー・プラム(キーラ・ナイトレイ)
のキャスティングがもったいなかった。そうそう、クララのお父さん、気分が単調過ぎなんだな。それも欠点。
名手ラッセ・ハルストレム、どうしちゃったのかなあ。

まあ、バックに流れる音楽はちゃんと「くるみ割り人形」から使われるけど。くるみ割り人形そのものがあまり
重要視されていない点については・・・もう止めときます。ww 救いはクララ役のマッケンジー・フォイが
個人的に好みだった点。ww 「インターステラー」の頃から大きくなりましたねえ。

くるみ割り人形と秘密の王国 The Nutcraker and Four Realms_e0040938_20421706.jpg
<ストーリー>
19世紀に発表された童話を基に、チャイコフスキーが音楽を手がけたバレエの名作として知られる幻想的な物語を、
ディズニーが映画化したファンタジー。不思議な世界を訪れた少女クララの冒険がきらびやかな映像と共に描かれる。
スウェーデン出身の名匠ラッセ・ハルストレムと、『ジュマンジ』のジョー・ジョンストンが監督を務める。

クララ(マッケンジー・フォイ)は愛する母を亡くして以来、心を閉ざしていた。クリスマス・イヴ、クララは
鍵のかかった卵型の入れ物をもらう。母の遺した「あなたに必要なものはすべてこの中にある」という言葉の
意味を知るために、クララは鍵を探し始める。

その晩、名付け親であるドロッセルマイヤー(モーガン・フリーマン)のクリスマス・パーティーに行った
クララは、彼からのプレゼントを受け取る糸をたどるゲームに参加すると、いつの間にか不思議な世界へ
足を踏み入れてしまう。鍵を探すクララは、息を呑むほど美しくて幻想的な世界へ迷い込む。それは、
色とりどりの花と緑で覆われた“花の国”、キャンディやマシュマロでできた“お菓子の国”、雪と氷が
クリスタルのように輝く“雪の国”、そして謎の多い“第4の国”からなる秘密の王国だった。

そこでプリンセスと呼ばれて戸惑うクララだったが、この世界を創り上げたのが亡き母であったことを知る。
しかし、第4の国を支配するマザー・ジンジャー(ヘレン・ミレン)が反乱を起こし、王国は存亡の危機に
瀕していた。母が愛した王国を救うため、クララは心優しいくるみ割り人形のフィリップとともに、
第4の国に旅立つ。それは、この美しい世界に隠された真実を探す旅の始まりでもあった……。
(Movie Walker)

<IMDb=★5.6>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:34% Audience Score:37%>
<KINENOTE=68.6点>




by jazzyoba0083 | 2018-12-09 10:40 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)

●「プライベート・ライアン Saving Private Ryan」(名画再見シリーズ)
1998 アメリカ DreamWorks Pictures,Paramount Pictures (a Viacom company), Amblin Entertainment Production.170min
監督・(共同)製作:スティーブン・スピルバーグ  撮影監督:ヤヌス・カミンスキー
出演:トム・ハンクス、トム・サイズモア、エドワード・バーンズ、バリー・ペッパー、アダム・ゴールドバーグ
   ヴィン・ディーゼル、ジョヴァンニ・リビシ、ジェレミー・デイヴィス、ポール・ジアマッティ、マット・デイモン他

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<評価:★★★★★★★★★☆>
<感想>
三度目か四度目の鑑賞。時々観たくなる作品だ。スピルバーグのシリアス作品群の中でも好きな一編だ。同時多発テロに
先立つ3年前に製作されたことに個人的にだが、何かすごく感慨を覚える。そして今回の鑑賞日が真珠湾攻撃から77年め。

戦記物が好きな私だが、本作ほど戦争の残虐さ、虚しさ、愚かしさ、多大な犠牲をスペクタキュラーな要素を入れて
作り上げた例をあまり知らない。映画界では、「プライベート・ライアンの冒頭20分」という、よく使われる言葉が
ある。それは戦争の苛烈さ、容赦の無さ、生命のやり取りの熾烈さを最大限に表現しているからだ。脚本を書き上げるに
際し、ロバート・ロダットとフランク・ダラボンは、本作がフィクションとしても、オマハビーチの惨劇は忠実に再現
しようと膨大な調査とインタビューを行ったに違いない。さらに使われた衣装、武器も史実に忠実に再現され、機関銃の
音は本物を使うなどこだわりを徹底している。スピルバーグとコンビを組むことが多いヤヌス・カミンスキーの手持ちの
カメラはレンズに血飛沫が飛んで着く様も、観客に臨場しているかのような錯覚を覚えさせる演出である。
なお、ストーリーは本作に近いモデルになったケースがあり、それがベースになっている。

ドイツ軍が敷設した上陸阻害の鉄の構造物以外遮蔽するもののないビーチに飛び込んだ米軍兵士は、トーチカのドイツ
軍の機関銃の餌食になる。飛び散る足や腕、はみ出す内蔵、弾丸がヘルメットに当たり助かった兵士、ヘルメットを
脱いでその痕跡を確認しようとしたところに頭に銃弾を食らう様、真っ赤に染まる海、など目を背けたくなる光景が
20分間続く。
だが、目を背けてはいけないのだ。これが戦争なのだ。なぜ上陸前に空軍がトーチカを叩いておかないのか、という
事を思うだろう。だが、史上最大の作戦にはこうした無茶な上陸命令もあったのだ。空軍はラストのラストに登場し、
皮肉を振りまくのだが。

そう、皮肉なのだ。四人兄弟のうち三人までが戦死、陸軍参謀総長マーシャルの直々の命令(ソール・サバイバル・
ポリシー)により、どこにいるとも分からない一人の二等兵を本国に還すために、中隊が命を賭して捜索にいく。
探し出す相手がライアン二等兵(プライベート・ライアン=マット・デイモン)である。戦争の皮肉な(不条理な)
一面の象徴である。

ドイツ軍も自分の命が懸かっているから必死だ。ライアンを探す途中での戦闘で一人のドイツ人が捕虜となった。
殺そう、という部下を制し捕虜に目隠しをしてその場を去らせる隊長ミラー大尉(トム・ハンクス)、捕虜も生きたい、
生き残りたいので必死。墓穴を掘りながら、「クソヒトラー」「アメリカ大好き」などとおべっかをつかう。
しかし、後の戦闘で、ミラー大尉に致命傷の銃撃を食らわすのは、その兵士だったのだ。

これには続きがあり、フランス領内でドイツ軍との戦いにおいてライアンを探すため独仏語が出来る兵士が通訳と
して同行する。彼は銃を本番で撃ったことすらない「通訳」。
しかし、最後の戦闘に巻き込まれ、何も出来ずに頭を抱えて泣いていたのだが、逃してやったあのドイツ兵が仲間や
ミラー大尉に発砲したところを見るに及び、戦闘が終わって捕虜となって両手を上げるそのドイツ兵が、
「やあ、アプム」と、またごますり顔で声を掛けると彼は有無を言わさず、そのトイツ兵を射殺する。観ている方は
溜飲を下げる構図だが、銃も撃てなかった男が人殺しが出来るようになってしまうのが戦争なのだとみるべきなのだ。

ライアンを見つけ、橋を爆破する最後の戦闘においても、冒頭と同様な戦闘が展開される。教会の鐘楼からスナイ
パーとしてドイツ兵を殺し続ける男は、一発一発、神に願いを込めて撃つ。兵たちはお互いに銃が使えなくなると
ナイフで、ヘルメットで殴り合い、取っ組み合って噛み付いて相手の指を食いちぎっても生きたい。人間の生への
執着は米軍が勝ちたい、ドイツ軍が勝ちたいという範疇を超え、「生きるか死ぬか」の戦いだ。戦争とはそうした
ものだ(ろう)。

ミラー大尉は田舎の高校の作文の先生。英雄でも何でも無い。アメリカのため、とかの威勢のいいことも口にしない。
おそらく、生き残って家族のもとに早く帰りたい、それだけのため目の前の敵を殺す、もう無私の世界、解脱の
世界にいたように感じた。多くの兵士がそうであったろう。 ミラー大尉が最期にライアンに「生きろ」と言い残す。
普通に生きたくても生きられなかった時代。冒頭とラストの年老いたライアンは、「私は正しく生きただろうか」
「皆さんの犠牲に値する人生を生きただろうか」と自問する。それは、どの戦争にせよ、犠牲になり平和の礎となった
かたがたに対し、国の差無く絶えず自問し続けなければならない問題だろう。
スピルバーグとしては、第二次世界大戦の大きな問題としての提示はこれで尽きた。彼はその後HBOのTVシリーズ
「バンド・オブ・ブラザーズ」「ザ・パシフィック」へと、より細かいテーマに挑んでいく。
素晴らしい戦記ものだと思うが、冒頭とエンディングの星条旗は不要に感じた。トム・ハンクスも油が乗り切った
一番いい時期の作品だったといえよう。
本作はオスカーを5部門で獲っているが、作品賞は「恋に落ちたシェイクスピア」に渡った。主演男優賞は
同じ第二次世界大戦を扱った「ライフ・イズ・ビューティフル」のロベルト・ベニーニに。
オスカーの好みを表した状況だったといえよう。

プライベート・ライアン Saving Private Ryan (名画再見シリーズ)_e0040938_21145807.jpg
<ストーリー:最後まで書かれています>
時は1944年。第2次世界大戦の真っ只中、米英連合軍はフランス・ノルマンディのオマハビーチでドイツ軍の
未曾有の銃撃を受け、多くの歩兵が命を落としていった。戦禍を切り抜けたミラー大尉(トム・ハンクス)に、
軍の最高首脳から「3人の兄を戦争で失った末っ子のジェームズ・ライアン2等兵を探し出し、故郷の母親の
元へ帰国させよ」という命令が下った。

ミラーは古参軍曹のホーヴァス(トム・サイズモア)、2等兵のレイベン(エドワード・バーンズ)、カパーゾ
(ヴィン・ディーゼル)、メリッシュ(アダム・ゴールドバーグ)、名狙撃手ジャクソン(バリー・ペッパー)、
衛生兵のウェード(ジョヴァンニ・リビジ)、ドイツ語が話せる実践経験ゼロのアパム(ジェレミー・デイヴィス)を
選び、落下傘の誤降下で行方の知れないライアンを敵地の前線へと探しに向かう。

彼らは廃墟の町で攻撃を受け、ひとり、ふたりと銃弾に倒れていく。なぜライアン1人のために8人が命を
かけなければならないのか? とレイベンが怒りを爆発させた時、ミラーはライアンを探し出し妻の元へ
帰ることが自分の任務だと淡々と語り、離れかけていた皆の心をまとめあげる。前線へ進むうちミラーたちは
空挺部隊に救われるが、その中にライアン2等兵がいたのだ。兄たちの死亡と帰国命令を知ったライアンは、
戦友を残して自分だけ帰国することはできないときっぱりと言い放つ。
ライアンの意思がミラーたちの心を捉え、共に踏みとどまりドイツ軍と一戦を交えることに。乏しい兵力、
装備という悪条件の中、仲間たちは次々と銃弾に倒れ、ミラーも爆撃を受け死んでしまう。ライアンに
「しっかり生きろ」と言い残して…。

時を経て年老いたライアンは、ミラーの墓地の前で彼の言い残した言葉を、再びかみしめるのだった。
(Movie Walker)

<IMDB=★8.6>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:93%  Audience Score:95%>
<KINENOTE=79.7点>




by jazzyoba0083 | 2018-12-08 23:50 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)