ボーダー The Border (1982)

●「ボーダー The Border」
1982 アメリカ Universal Pictures,RKO Pictures,Efer Productions.109min.
監督:トニー・リチャードソン
出演:ジャック・ニコルソン、ハーヴェイ・カイテル、ヴァレリー・ペリン、ウォーレン・オーツ他

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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
今も昔も貧しいメキシコから自由の天地アメリカを目指す人々は変わらない。最新版の同名映画の出来は
良かったのだが、本作、独特の味わいはあるのだが、今ひとつピリッとしないというか、結局ニコルソンの
人情噺になっていいのか、良くわからない作品だった。主役二人の名前に惹かれてNHKBSの放映を録画して
鑑賞したが、半ばあたりから早見モードとなった。大きくフィーチャーされた時代を反映している
ライ・クーダーの音楽も、中身を上手く反映できていなかったように感じた。
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ロスの警官から国境警備隊に転職したニコルソン。エルパソにかなりの家を買って引っ越した。
だいぶ借金もしたようだ。警備隊の先輩カイテルは、不法入国を手助けする一味から金を貰って
お目こぼしをしている。隊長がその元締めのような悪の組織として描かれる。悪の巣窟として描かれる
NY市警の構図とそっくりだ。ニコルソンは悪いこと、と分かっていてカイテルに引っ張られて悪い世界に
足を突っ込んでいた。
そこに赤ちゃんと弟を抱えた若い女性を見つける。ニコルソンは罪滅ぼしのように、誘拐され転売されそう
になっている赤ちゃんを助け、女性と弟に金を渡して国境を超えるように手引する。
しかし川を渡って国境を超えたところで弟は撃たれて瀕死の重傷を負い、メキシコ側に戻り同じく
メキシコに戻った女性の腕の中で絶命した。ニコルソンは仲介人のボスをとっちめて赤ちゃんの行方を
探し、川を渡って女性のもとに赤ちゃんを届けるのだった。
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という物語なんだけど。国境を挟んで展開されるニコルソンと妻、そしてたまたま目にしてしまう美しい
あどけなく幼い母親、警備隊を覆う悪行などを絡めて描く。ニコルソンのキャラクターが立たなければ
ならないタイプの映画だと思うが、根っこはいいやつだと最後に描くことでオチとしたが、プロセスが
弱いと感じた。ライ・クーダーの音楽はそれを補いきれず、雰囲気をバックアップしただけで終わった。
悪に手を染めているカイテルの背景も分からずじまいだし。
銃の音も昔の西部劇の効果音みたいに貧弱な上、夜間の光景がそれこそ昔の西部劇を撮影するときみたいに
日中の撮影にくもりガラスを使った手法なので、全体に古さを感じてしまう。

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<ストーリー:結末まで書かれています>
ロサンゼルスの警官チャーリー・スミス(ジャック・ニコルソン)は、妻のマーシー(ヴァレリー・ペリン)
の望みでテキサスの国境の町、エルパソヘ引っ越すことになり彼女の親友サバンナと夫のキャット(ハーベイ・
カイテル)を頼って新しい生活へと旅立った。

一方国境をこえたメキシコでは乳のみ子をかかえた母親マリアが弟のファンと共に苦難の生活から何とか
立ち上がろうと努めていた。キャットと共に国境警備隊員として働くことになったチャーリーは、故郷を
すて未知の国に希望を託して不法入国する人々の悲惨な状況を知り激しいショックを受ける。

その国境地域の実状の厳しさを彼に教え案内してくれたチャーリーの相棒が何者かに殺された。不信を抱いた
彼は、警備隊の隊長レッド(ウォーレン・オーツ)に会った。
同じ頃彼は赤ん坊を抱きかかえたマリアを川で見かける。声をかけるが、侮蔑に満ちた表情を返すマリア。
浪費家の妻に嫌気がさしていたチャーリーは、家では安らぎを感じられなかった。そしてキャットが不法入
国者たちをコントロールする立場にあり、彼らを北部に送っては日銭をとっている事実を知って唖然とする
チャーリー。さらに彼らの手先のメキシコ人がマリアの子供をさらい英国系の家庭に売ろうとしていた。
キャットに批判を溶びせるチャーリーは、やがてマリアたちの味方についた。様々な防害をはらいのけ、
キャットら一味との撃ち合いの末、遂に赤ん坊を救い出したチャーリーに、マリアははじめて笑顔を送る
のだった。(Movie Walker)

<IMDb=★6.4>
<Metacritic=66>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:80% Audience Score:53% >
<KINENOTE=64.8点>






by jazzyoba0083 | 2019-11-29 23:00 | 洋画=は行 | Trackback(1) | Comments(0)

●「復讐のドレスコード The Dressmaker」
2015 オーストラリア Screen Australia (presents),Film Art Media,White Hot Productions. 119min.
監督・(共同)脚本:ジョスリン・ムーアハウス
出演:ケイト・ウィンスレット、リアム・ヘムズワース、ジュディ・デイヴィス、ヒューゴ・ウィーヴィング他

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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
ハリウッド製とはちょっと違うテイストはあるかな。意外といったら失礼だが、面白く見せて貰った。
どこかコーエン兄弟とかティム・バートンのブラックな匂いもしたりするのでその辺りのニュアンスは
嫌いじゃないので。しかしながらドレスメーカーというポジションが、新鮮であると同時にどうも
スカッとしないという感じがした。ケイト・ウィンスレットの演技はそんなキャラクターを上手く演じ
ていたと思う。

サスペンスであり、コメディであり、不条理劇でもあるようなてんこ盛り感があり、親子の結びつきの
ややこしい綾もあったりでちょっとストーリー的にも欲張ったかな、という感じもあった。
とはいうものの結局引っ張られて観ちゃったわけで作品にそれなりのチカラはあった、という事なのだ
ろう。単館・名画座系で上映されそうな感じでもあるが、配給の関係か、日本では劇場公開されなかった。

基本的にはケイト・ウィンスレットが少女時期に犯したといわれている少年殺人事件の真相を探る物語と
一流のドレスメーカーになって故郷に戻りその腕前を使ってかつて母と自分に冷たかった故郷に復讐を
遂げるという物語がメインになっている。

時代は1950年代半ばのオーストラリアの田舎町。自分は果たして25年前に犯したという少年殺人の
犯人なのか、あるいは真犯人は別にいるのか。田舎町に帰ってきたハデハデなウィンスレットはたちまち
注目されるが、昔の事件を皆覚えていて、遠巻きにする。そんな彼女を暖かく見つめるのは女装趣味のある
警察署長と、貧乏青年リアム・ヘムズワース。
ある日彼女は冴えない娘を自分のドレスを着せ、メイクをすると見違えたように美人になり、良縁を得る。
これを見た田舎のお姉ちゃんやおばちゃんらがウィンスレットのもとに押し寄せる。

一方、真犯人探しだが・・・。備忘録的に結末を書いておくと、少年は闘牛ごっこをして彼女を壁に
追い詰めようとして、彼女が身をかわした時に壁に自らの頭を激突させて、死んだのだった。その様子は
知恵遅れの彼女の弟がはっきり目撃していた。更に、その少年の父は自分の父親(市長)であったことも
判明。市長一派は、疎ましい愛人とその子供を町から放逐したかったらしい。俄然復讐にでるウィンスレット。

町の人らが揃って演劇に出かけたスキに、自分の家に火を放ち、その火が町に延焼するような仕掛けを作り
一人パリに引き上げていったのだった!
独特の味わいを持つ本作、WOWOWで観たのだったが、ケイト・ウィンスレットの名前に惹かれて観たの
だったが、通りすがりで観た割には満足度は高い映画だった。

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<ストーリー>
「愛を読むひと」で第81回アカデミー賞の主演女優賞に輝いた人気女優ウィンスレットをはじめ、
「ハンガー・ゲーム」シリーズのL・ヘムズワース、「マトリックス」シリーズのH・ウィーヴィン
グなど、英国やオーストラリアの出身である豪華キャストがそろった充実作。
過去の殺人事件の謎に迫るミステリーと、ブラックユーモアコメディという2つの異なるテイスト
が同居するオフビート編。やはりオーストラリアの出身で、「キルトに綴る愛」などでも知られる
J・ムーアハウスが監督。WOWOWの放送が日本初公開。

オーストラリアの田舎町ダンガター。25年前の少女時代、同世代の少年スチュワートを殺したと
疑われながら町を去ったティリーが、久しぶりに町に帰って来る。認知症にかかった母親モリーの
面倒をみるためだが、ティリーの帰郷をよく思わない者も大勢いた。やがてティリーが服作りが上手な
デザイナーだと知った町の女性たちは次々と彼女にドレスを作るよう頼むようになるが、ティリーは
自分と同世代の男性テディと親しくなり……。
(WOWOW)

<IMDb=★7.1>
<Metacritic=47>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:56% Audience Score:66% >







by jazzyoba0083 | 2019-11-28 23:15 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)

●「チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛 Tulip Fever」
2017  アメリカ・イギリス Worldview Entertainment,Paramount Pictures,Ruby Films.105min.
監督:ジャスティン・チャドウィック 
原作:デボラ・モガー 『チューリップ熱』(白水社刊)/『チューリップ・フィーバー』(河出文庫刊)
出演:アリシア・ヴィキャンデル、デイン・デハーン、ジャック・オコンネル、クリストフ・ヴァルツ、ジュディ・デンチ他

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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
1600年代のオランダには実際にチューリップ相場があり、投機熱が加熱しバブルの様相を呈した時期が
確かにあった。そうした事実とフェルメールやレンブラントの時代でもあった2つの当時のオランダの
光に焦点を当ててデボラ・モガーが著した小説の映画化。

なかなか個性的な登場人物がチューリップの球根を巡っての駆け引きを結構上手いプロットで描くが、
アリシア・ヴィキャンデル演じる主人公の行動が、ちょっと私の常識を逸脱していて、ラストのどんでん
返し?もそんなに上手くいくものかなあ、という蓋然性に納得がいかず、結局引いてしまって終わったの
だった。また、魚屋の子供を宿し、結果お金持ちから財産をごっそりいただいちゃった家政婦マリア
(ホリディ・グレインジャー)に物語を乗っ取られてしまったような塩梅も、如何なものか、という感じだ。

まあハッピーエンドとして描かれているが、お金持ちコルネリス(クリストフ・ヴァルツ)=孤児院から
ソフィア(アリシア)をお金で妻に貰い受けたものの、それを負い目に感じていた=は、妻に絵かきと
浮気された上に子供もマリアと魚屋の子供であったことを知り、世をはかなんで、東南アジア(東インド
会社か?)に行ってしまったのだが、彼の地で現地の妻を迎え子供も出来幸せを手に入れたと言われても
なんだかなあ、という感じだ。

また医師と助産師を抱き込んでお棺まで用意して死んだふりをして周囲を騙したソフィア、コルネリスに
腕を見込まれてソフィアの肖像画を描いたのは良かったがソフィアと出来てしまい、その後チューリップ
相場で失敗する絵かきのヤン(デイン・デハーン)は教会の絵描きとして再スタートを切ることが出来て
いるとか、都合の良い状況にいささか鼻白んだ。球根で金儲けをしている教会のジュディ・デンチなど
いいキャラがいるのにもったいなかったな。球根を酔っ払って玉ねぎと間違えて食べちゃったヤンの抜けた
友人の存在は傑作だったけど。

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<ストーリー>
作家デボラ・モガーがフェルメールの絵画から着想を得た小説を映画化。チューリップへの投機が盛ん
だった17世紀のオランダ。孤児だったソフィアは成人すると、有力な商人コルネリスに嫁ぐ。
ある日、夫が肖像画を描かせようと若手画家ヤンを家に招くが……。
監督は、「ブーリン家の姉妹」のジャスティン・チャドウィック。
出演は、「リリーのすべて」のアリシア・ヴィキャンデル、「アメイジング・スパイダーマン2」の
デイン・デハーン、「恋におちたシェイクスピア」のジュディ・デンチ、「ジャンゴ 繋がれざる者」の
クリストフ・ヴァルツ。

17世紀のオランダ、アムステルダム。チューリップの投機が盛んで、中でも希少な縞模様の入った
ものを“ブレイカー(色割れ)”と呼んだ。孤児として聖ウルスラ修道院で育った美しい少女ソフィア
(アリシア・ヴィキャンデル)は成人すると、富豪で有力者である商人コルネリス・サンツフォールト
(クリストフ・ヴァルツ)に嫁ぐ。
なかなか子供を授からないソフィアは、ソルフ医師(トム・ホランダー)に相談する。

一方、サンツフォールト家の女中マリア(ホリデイ・グレインジャー)は、魚売りのウィレム(ジャック・
オコンネル)に恋をしていた。コルネリスは妻との肖像画を描いてもらおうと、絵画商人マテウスから
若手画家ヤン・ファン・ロース(デイン・デハーン)を紹介してもらう。ヤンはソフィアの姿を観た瞬間、
恋に落ち、ソフィアも徐々に彼に惹かれていく。
その頃、ウィレムはマリアとの結婚のため、チューリップの球根の所有権証明書を手に入れる。ウィレムが
証明書への署名をもらうため所有者であるウルスラ修道院の修道院長(ジュディ・デンチ)を訪ねると、
修道院には白と真紅のブレイカーが1輪咲いていた。“マリア提督”と名付けられた球根の証明書を入手し、
幸せを掴んだはずのウィレムは、ヤンと逢瀬を重ねるソフィアの姿をマリアと勘違いしてしまう。

傷心のなか酒場で財布を盗まれ、恋人も財産も失ったウィレムは、そのままアムステルダムから姿を消す。
ウィレムを失ったマリアは、彼との子供を授かっていることをソフィアに告白する。ソフィアはマリアの
子供を自分の子供だと夫に思い込ませることを思いつく。妊娠により妻と夜を共に過ごせなくなった
コルネリスは、仕事と偽りユトレヒトの女の元へ行き、数週間留守にする。その間ソフィアとヤンは幸せな
日々を送る。
しかし、ヤンはソフィアのために金を工面しようと、チューリップの球根を盗みにウルスラ修道院へもぐり
こみ、捕えられる。それでも球根を諦めきれず、チューリップ売買に乗り出すが……。(Movie Walker)

<IMDB=★6.2>
<Metacritic=38>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:10% Audience Score:43%>
<KINENOTE=71.6点>




by jazzyoba0083 | 2019-11-24 22:50 | 洋画=た行 | Trackback(1) | Comments(0)

●「ザ・ハント ナチスに狙われた男 The 12th Man」
2018 ノルウェー Nordisk Film Production AS,Zwart Arbeid.135min.
監督:ハラルド・ズワルト
出演:トマス・グルスタット、ジョナサン・リス・マイヤーズ、マッツ・ショーゴード・ペテルセン他

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<評価:★★★★★★★☆☆☆+α>
<感想>
なぜかノルウェーの映画をたて続けに観ることになった。本作は実話に基づいていて、私たち
日本人が知らない(であろう)北欧の国々とナチスとの戦いの過酷な一面を描く。
ノルウェーはナチスに侵攻されるのだが、海軍を中心としてイギリス軍に入り教育を受けた将校、
兵士も多かったと知った。彼らは英国仕込みの技術でナチに対抗しようとしたのだ。

そうだ、忘れてはいけないのは「ヒトラーに屈しなかった国王」として映画になった反骨の
ノルウェー国王ホーコン7世の存在だ。「私には4000万の味方がいる」と国民を深く信じて
ナチスの降伏要請を蹴った王様だ。こうしてみるとノルウェーという国のファシズムに対する
強烈な反対姿勢が読み取れる構図といえる。

ノルウェーはナチスの侵攻に国を上げて対抗したのだが、その人々の考え方がこの映画の根幹を
支えていた様子がよく分かる。
英国で訓練された12人の海軍兵士がナチスに占拠された灯台爆破の任を受けて、現場に向かうも、
途中でナチスの砲艦に発見され全員囚われてしまう。12人の兵士らは捕らえられたり、海岸で
SSに射殺されたりした。その際、一人の兵士が逃亡に成功する。
ゲシュタポはヒムラーへの報告が全員殺害ということでなくてはならないため、立場上、必死で
捜索する。寒い海の中では生きてはいけないという意見に自分から凍てつく海に入ってみる
将校もいたり。彼らも必死だ。保身のために。

12番目の兵士ヤン・ボールスルドのスウェーデン国境を目指した極寒の地での決死の逃走と、
それを支えたノルウェー国民の団結を描いていく。
故に、ヤン自身が何かをやることに力点が置かれると言うより、彼を助ける普通の人々の勇気と
決意が表現される。ヤン自身、ものすごい体力で何日も岩陰にビバークしても生き抜くという
精神性と肉体の強さを持っていた。ただ足の凍傷はいかんともしがたく、壊疽を放置すると
危ないとは途中の仲間からもいわれていたため、彼は自分で足の指をナイフで切り落とす。

そのため片足を引きずることになるのだが、全てが終わった後、味を引きずり遠くを見ている
一人の将校の姿から映画が始まるが、彼こそヤンであり、映画は過去へと遡っていくのだ。

ゲシュタポとの駆け引き、彼らからヤンや囚われた兵士を守ろうと頑張るノルウェー国民、
そしてヤン自身の孤独と極寒との戦い。これらが良き塩梅で描かれ、緊張感、愛国心、
反ナチズムといった感情を観客に強く訴えてくる。ただちょっと長いかな。

実話とはいえ、自国の歴史の隠された一面を明らかにし、ナチズムと戦った歴史を再認識させた
功績は大きいのではないか。はるか東洋の国民も、この際、こうした歴史を知っておくことは
決して無駄なことではないと感じたのだ。

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<ストーリー>
1943年、ナチスドイツ占領下のノルウェーで果敢にレジスタンス活動を行ない、ナチスに
追われることになった男の決死の逃避行を、実話をもとに映画化したサバイバル劇。

第2次世界大戦中、ナチスドイツの占領下となった北欧の国ノルウェーにおいて、12人の男
たちがレジスタンスの破壊工作活動を行なうも、11人は捕らえられて処刑される運命に。
そんな中、たったひとり、辛うじて難を逃れた主人公が、ナチスの追跡をかわしながら、
極寒の雪原で決死の逃避行とサバイバルを繰り広げるさまを、歴史的実話をもとに息詰まる
タッチで描く。
出演は、「マッチポイント」のJ・R=メイヤーズほか。監督は、「ベスト・キッド(2010)」
など、ハリウッドでも活躍するH・ズワルト。(WOWOW)

<IMDb=★7.4>
<Metacritic=70>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:86% Audience Score:78%>
<KINENOTE=75.2 点>



by jazzyoba0083 | 2019-11-22 23:10 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

●「ディザスター・アーティスト The Disaster Artist」
2017 アメリカ Good Universe,New Line Cinema and more. 104min.
監督:ジェームズ・フランコ
出演:ジェームズ・フランコ、セス・ローゲン、デイヴ・フランコ、アリ・グレイナー、アリソン・ブリー他

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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
カルトな映画制作者をカルトに撮るジェームズ・フランコ。そこにあるのは「映画愛」だ。とか
いう惹句が付きそうな「変な映画」。
実話に基づいた映画で、2003年に全米1館で公開され、1週目の興行収入が1800ドルだったという
史上最低の映画を作った謎の人物トミー・ウィソーとその映画「ザ・ルーム」の制作過程に焦点を
当てた日本未公開(だろうなあ)なれど、愛すべき逸品。

映画の終わりに本作で撮られた映像と本家の「The Room」がどれだけ似ているカットを作っている
かを比べたカットがいくつか並んべられるが、ほんとにここまでやるんだ、というフランコの気概を
感じる。またトミー・ウィソーとジェームズ・フランコが気持ち悪いくらいそっくりなんだな。

もうこれは観て頂くしかないのだが、とにかくトミー・ウィソーという怪人物の映画に対する愛情を
感じられればOKなのではないか。映画が好きでサンフランシスコからハリウッドに親友を連れて
出てくるが、演技の経験がまるでないトミーは当然オーディションに落ちまくる。親友とても同じ
ようなもので、そこでトミーが言い出したのは「じゃあ、自分たちで作っちゃえばいいじゃん」
ということ。
低予算のインディーズ映画ではなく、ハリウッドのちゃんとしたスタッフを雇い、ハリウッドの役者を
オーディションで採用し、撮影用のキャメラはレンタルするのが普通なところを
「35ミリとデジタルHDカメラ、両方とも買うから」とか言い出す。映画の事は何も知らないが
とにかく見様見真似と映画愛に満ちた唯我独尊のスタイルで現場を仕切りまくる。

ストーリーは一応恋愛悲劇であるのだが、カット回収されず突然意味のないシーンが入ったり、
主役であるトミーの演技が下手すぎな上に、変な訛りがあり(本人はニューオリンズだというがそうは
聞こえないという)現場スタッフから激怒されたり、ものすごい現場が描かれていく。撮影期間は
どんどん伸びていくが不思議とお金はどこからか出てくる。スタッフにも相当のギャラが支払われるのだ。
自分でこの映画は600万ドル使った、とかいう。

やっと完成した作品をプレミア上映するという。その頃には親友はたもとを分かち小劇場で舞台俳優を
やっていた。しかし、トミーから君と作った映画じゃないか、といわれ、当日トミーが用意した
とんでもない長さのストレッチリムジンで劇場い乗り付けた。
作品は最初のうちは目を背けるようなヘタレな出来に観客は唖然としていたが、次第にツッコミどころに
爆笑が湧き始めた。最後には大爆笑で、トミーの名前が連呼される事態になった。
途中で悄然として「客が笑っている・・・」というが、親友は「ちがうよ、ウケているんだよ。
ヒッチコックがウケたか?」と励ます。劇場に再び入ると場内はスタンディングオベーション!
トミーは「私のコメディーを楽しんでくれたかい?この映画が出来たのは親友がいたからだ」とか
美しいことを口にするのだった。因みにタイトルと中身は全然関係ない(とされる)。

最初は大失敗の映画だったがその後、口コミでカルトな流行が広がり、今でも世界中で公開が続いて
いるという。トミー・ウィソ-は依然として謎な人物なままだという。

少し前に史上最低の監督といわれた「エド・ウッド」をジョニー・デップ主演で観たが内容は異なれど
共通するのは映画に対する異常な愛情だ。
ジェームズ・フランコ自身も頭はいいのにセス・ローゲンなどと組んでおバカ映画ばかりつくっているし
しかもこの映画をIMAXで上映したというから、何を考えているのかよくわからないのはトミー・ウィソー
に似たりよったり。彼の映画に対する映画愛がこれを作らせたのだな。先にも書いたがラストでの、何ら
本編に影響のないこだわりのそっくりカットを観ればそれが分かるというものだ。
個人的に好きなシーンは、トニーが屋上に出てきて、「殴ってない!オレはリサを殴ってない!嘘じゃない!(と空のペット
ボトルを床に投げつけ、)やあ、マーク!」という下り。トニーの感情の移動が出来ないセリフ棒読みが
たまらない。

WOWOWで放映した本作、何も知らずに観たのだが、「エド・ウッド」並の衝撃を受けて、Blu-rayに
保存することにした。またゆっくり見る機会もあるだろう。ジョン・カーペンターの感覚に似ているの
かもしれない。こうした映画バカによってハリウッドから名作も駄作も作られていくんだな、という
感慨が湧くのだった。

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<ストーリー>
1998年のサンフランシスコ。俳優になるために演技学校に通っていたグレッグ・セステロは、そこで
トミー・ウィソーという一風変わった男性と知り合いになった。
当初、ウィソーのオーバーな演技に唖然としていたセステロであったが、彼の独特な風貌とアクセント、
エキセントリックな振る舞い、自分の過去を決して語らないというスタンスに好印象を持つようになって
いった。その一方、演技指導を担当していたジーン・シェルトンはウィソーの演技を厳しく批判した。
「ここで燻っていても道は開けない」と考えたウィソーの薦めで、セステロはロサンゼルスに引っ越す
ことになった。

それが功を奏したのか、セステロは芸能事務所と契約することができた上に、恋人(アンバー)を
見つけることもできた。一方のウィソーはオーディションに落ち続けていた。親友が公私ともに順調なの
を見て、ウィソーはグレッグに嫉妬心を燃やし始めた。
しかし、セステロも映画出演には至れず、徐々に苛立ちが募っていった。そんなある日、セステロは
冗談のつもりで「自分たちで映画を作ってしまえば良い」と言ったところ、ウィソーはそれを本気にして
しまった。彼は何かにとりつかれたように『The Room』の脚本を書き上げていった。

ウィソーの行動力は並外れたもので、資金や機材、スタッフを次々に調達してきた。しかし、彼には映画
製作に関する知識も経験もなかった。当然、そんなウィソーが指揮を執る撮影現場は大混乱に陥ることと
なった。(引用:Wikipedia)

<IMDb=★7.4>
<Metacritic=76>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:91% Audience Score:86% >
<KINENOTE=74.2点>



by jazzyoba0083 | 2019-11-20 10:30 | 洋画=た行 | Trackback | Comments(0)

●「エンド・オブ・ステイツ Angel Has Fallen」
2019 アメリカ Millennium Films. 121min.
監督:リック・ローマン・ウォー
出演:ジェラルド・バトラー、モーガン・フリーマン、ジェイダ・ピンケット・スミス、ニック・ノルティ
   ウェイド・ジェニングス他

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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
中身はほぼスカスカなれど、スカッとする復讐系アクションはいいかんじで、恐らくこのシリーズを
観に行く人はだいたい、スカッとしに行きたいのではないだろうか。この手の映画の批評家と一般との
見方の差はRotten Tomatoesをみるとよく分かる。本作でも批評家の支持は39%しかないのに対し
一般の支持は93%もある。ことほど左様に本作は芸術性とはかけ離れた徹底した大衆娯楽作品なのだ。

かくいう私もこの手の映画が好きで、これまでのシリーズは全部観ている。ホワイトハウスとロンドンを
舞台に激しいアクションを展開し、大統領を守ってきたシークレットサービス、マイク・バニングが今回は
アメリカに戻っての大暴れ。ストーリー的なものを一応触れておくと、トランブル大統領(フリーマン)の
主席警護官であるマイクは湖で釣りを楽しむ大統領の警護に当たっていた。そこに大量のドローンが襲来し
マイク以外の警護官18人が死亡。大統領も意識不明になる。ボートから大統領を伴って湖に飛び込んだ
マイクも病院に運ばれる。しかし、病室にやってきたFBIの捜査官は、マイクが大統領襲撃の犯人である
証拠がある。口座に1000万ドル振り込まれ、これがロシアからの送金の疑いがあるとか言う。

典型的冤罪、真犯人は許しちゃおけない!タイプの作品フラッグが立ちました!さあ、観客はマイクが
どうやって冤罪を晴らし、真犯人に鉄槌を食らわせるか、に期待が高鳴るわけ。で、その真犯人は早々に
バレてしまっていて、これまた良くある同僚、(今は民間警備会社に勤めていて、大統領の政策で警備に
かける民間への予算を削ろうとすることに反対してるのと、大統領にあつく信頼されているマイクに
嫉妬している面もある。)この背後にはこれまた例によって副大統領が警備会社とグルになって本来なら
大統領を亡き者にして、自分が這い上がろうという、既視感ありありのストーリーとなっている。

まあ、それは了解して観に行くのだから半ばどうでもいい。巨大トラックを使ったカーチェイス、そして
今回の大きな見どころの一つであるマイクの親父さんニック・ノルティの登場だ。彼もかつて同じような
職にあり、家の周りは爆弾だらけ。銃を使わせても歳を感じさせない上手さ、なのだが彼の存在もどうも
中途半端な感じは否めない。今回の最大の見所はガンアクションかな。
私として一番面白い!と思った展開は、準主役かと思わせておいたマイクを追う美人FBI捜査官(ジェイダ・
ピンケット・スミス)が半ばあたりであっけなく悪に撃たれて殉職するというほぼ「間抜けなの?」と
でも言いたくなるシーンだったなあ。

とにかくドッカン!ボッカン!バリバリ!ババババババ!という爽快感を味わいたい人向けの作品で
あります。個人的にに来年あたりのWOWOWを待ってもいいかなあ、と思いつつのシネコンだった
けど、まあ大画面で観られたのはよしとしましょう。
それにしても邦題の大仰なことよ。この場合、ステイツにはTheを付けて欲しかったな。

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<ストーリー>
『エンド・オブ・ホワイトハウス』『エンド・オブ・キングダム』に続く、人気アクションシリーズ第3弾。
ジェラルド・バトラーが、アメリカ大統領を警護するシークレット・サービスの最強エージェント、
マイク・バニング役で続投し、再び世界の脅威と対峙する。
『オーバードライヴ』の俊英リック・ローマン・ウォーがメガホンをとり、『トランスポーター』『96時間』
シリーズなどを手掛けたロバート・マーク・ケイメンが脚本を担当する。

未曾有のテロ事件から世界を救い、大統領から絶大な信頼を得るシークレット・サービスのマイク。
引退を考えるようになったある日、休暇中の大統領を大量のドローン爆弾が襲う事件が発生する。
激しい攻撃のなか、身を挺して大統領を守り意識を失ってしまったマイク。やがて目を覚ますと、
彼は大統領暗殺の容疑者としてFBIに拘束されていた。
何者かによって犯人に仕立て上げられたマイクは真実を明らかにすべく、巨大な陰謀に立ち向かう。
(Movie Walker)

<IMDb=★6.5>
<Metacritic=45>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:39% Audience Score:93%>



by jazzyoba0083 | 2019-11-19 17:15 | 洋画=あ行 | Trackback(1) | Comments(0)

●「ラグナロク オーディン神話伝説 Gåten Ragnarok」
2013 ノルウェー Fantefilm 94min.
監督:ミケル・B・サンデモーゼ
出演:ポール・スヴェーレ・ハーゲン、ニコライ・クレーヴェ・ブロック、ビヨーン・スンクェスト他

ラグナロク オーディン神話伝説 Gåten Ragnarok_e0040938_11354262.jpg

<評価:★★★★★☆☆☆☆☆>
<感想>
ノルウェーの映画というものは(合作を除き)ほぼ見る機会がない。監督も俳優さんも知らない人。
逆に変なバイアスが掛からない分、新鮮に映るのだろうけど。というわけでWOWOWでの放映を
録画し、「本国で大ヒット」という惹句に惹かれて観てみた。

私の、古代秘宝ものだろうという先入観がいけなかったのかもしれないが、怪獣映画とは思わなかった。
何度みても覚えられない「ラグナロク」という名前は映画やテレビドラマにも使われていて、wikiを
読むと、「北欧神話」で「世界の終末の日」という意味らしい。ワグナーの「神々の黄昏」もここから
来ているようだ。邦題のサブタイトルに付いている「オーディーン」とは「北欧神話の主神にして戦争と
死の神」だという。アヴェンジャーズの「ロキ」も北欧神話だったな。

さて、お話だが、バイキングの古い船の研究をしている主人公シーグル。仲間のアランと自分たちが
発見したルーン文字の書かれた石版と博物館にある女王の副葬品の照合から、北にあるオーディーンの
眼といわれる湖に「答え」があるらしいと、「夏休みはスペインに行きたんだもん」という娘と息子を
伴い(バケーションついで?ww)に旧ソ連国境に近い北のはて、フィンマルクに向かう。

そこで女性の探検家と現地ガイドのおじいさんが合流し、湖を目指すのだった。湖は簡単に見つかり
一行は筏を組んで湖の真ん中にある島に向かう。そここそ、古代に国王が飲み込まれたモンスターが
住むところだったわけだ!
まあ、ツッコミどころ超満載、ご都合主義も極まる内容をいちいち記していてもきりがないので止め
るが、(ネット上のネタバレ詳細ストーリー紹介ブログを検索のこと)、途中でモンスター・パニック
映画だと分かってしまったが、まあラストまでお付き合いしました。全体としてみなさんが想像つく
ような内容で、私としてはモンスターの描写も含め何だかなあ、感満載の映画だった。
「え?そうなっちゃうわけ?」「なんで今、それなの」「そんなことができちゃうの」という・・ww

新鮮だったのはノルウェーの北の端は旧ソ連との国境があってかつて戦争があったので戦車とか軍事
関連のものが多数廃棄されていた、ということと、季節が夏なので、彼の地は白夜であり、夜が来ない。
故に、洞窟にいつまでいても外が明るいので、一瞬おや?と思うが、すぐに「なるほどね」と理解できた。
という具合に映画の本筋とはまるで関係のないところに感心していたのだった。

本作、アメリカでの評価が決して低くないのが分からないなあ。

ラグナロク オーディン神話伝説 Gåten Ragnarok_e0040938_11355334.jpg

<ストーリー>
北欧神話で“世界終末の日”を意味する“ラグナロク”の研究に没頭する考古学者が、その謎の解明に
挑むアドベンチャー。
出演は「コン・ティキ」のポール・スヴェーレ・ヴァルハイム・ハーゲン、「エッセンシャル・
キリング」のニコライ・クレーヴェ・ブロック。
北欧の美しい自然をバックに、スリリングな物語が展開する。2014年5月17日より、東京・新宿シネマ
カリテにて開催された「カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2014」にて上映。
2014年6月14日より、大阪・第七藝術劇場にて1週間限定公開。

考古学者のシーグル(ポール・スヴェーレ・ヴァルハイム・ハーゲン)は長年、歴史的なバイキング
船の研究に没頭していた。ある日、発掘されたバイキング船であるオーセベリ船から、謎のルーン文字
を発見。それは、北欧神話における”終末の日”を意味する“ラグナロク”について書かれたものだった。

そこへ、同僚のアラン(ニコライ・クレーヴェ・ブロック)がルーン文字の刻まれた大きな石を
持ってやってくる。調査を進めるうち、シーグルはその暗号がバイキングの財宝が眠る場所を示す
地図であることを確信。
その場所とは、ノルウェー最北の国境の湖にある“オーディンの眼”と呼ばれる島だった。
こうして、シーグルは子供たちとともに、真実を追求する冒険へと旅立つ……。(Movie Waker)

<IMDb=★5.9>
<Metacritic=52>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:69% Audience Score:42% >
<KINENOTE=50点>



by jazzyoba0083 | 2019-11-18 22:15 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

●「500ページの夢の束 Please Stand By」
2017 アメリカ Allegiance Theater,2929 Productions. 93min.
監督・ベン・リューイン   原作戯曲・脚本:マイケ・ルゴラムコ
出演:ダコタ・ファニング、トニ・コレット、アリス・イヴ、マリケル・スタール=デヴィッド他

500ページの夢の束 Please Stand By_e0040938_15155517.jpg

<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
自閉症の若い女性の頑張りと、少し開けた未来を描いた佳作だとおもう。日本ではキノフィルムの
配給だが、いかにも同社が扱うような雰囲気がある。おそらく大型シネコンなどでは上映しずらい
作品ではなかったか、私の知る範囲では名画座・単館系の上映になったのだと思う。が、隠れた
佳作と評価したい。

昨今ダッチロール状態のダコタだが、(妹のエルの方が売れてしまっている)ここでは自閉症の女性の
感性と独特の動きを好演し、観ている人に共感を呼ぶものに仕上がっている。
この手の難病ものは興行的に当たり外れが激しいのでキャストとストーリーを天秤にかけて配給も
悩むんだと思う。昔にはダスティン・ホフマンとトム・クルーズの「レインマン」という傑作もあった
し「アイ・アム・サム」も忘れがたい。
それらに比べれば小品だし、話題も少ないが、観ている人はダコタを応援し、彼女の前進にきっと
カタルシスを感じるだろう。

ダコタと彼女の姉を演じたアリス・イヴ、そして施設のケアワーカーをしているトニ・コレットが
ダコタを支える。そして何気にトニ・コレットの息子や「シナボン」の同僚がなかなか味わい深い所を
演じている。

彼女が「スター・トレック」脚本コンテストにエントリーするという夢を持って500ページ近い脚本を
パソコンで作成するが、間に合わないと自分でロスのパラマウントスタジオへ持ち込むべく、彼女に
とっては人生初の大冒険に出かけるのだ。当然、バスに乗れない、お金の勘定が上手くいかない、
簡単にだまされる、意思が的確に伝わらない、などの困難を乗り越えなければならない。その壁は
健常者が思うより高く厚いものなのだろう。悪いやつも登場する。

途中で交通事故にあい、病院から脱走する際に綴じていない脚本が外階段で散乱してしまい、そのため
彼女はコピー屋のゴミ箱から反故紙を取り出し、またイチから書き出すのだ!

最後にはケアワーカー親子や妹に見守られ、一人でパラマウントスタジオの係に脚本を届けるのだが、
係は「郵送」「消印のあるもの」しか認められないという。しかし彼女は脚本を投入する専用のポストに
投げ入れて出てきたのだ。

観ている人はダコタに対して「だめだよ、それじゃあ」とか「そこじゃない」とか共感しながら応援して
いる自分を発見するだろう。

脚本は入選することは叶わなかったが、ダコタ(役名:ウェンディ)の脚本の執筆とSFからLAまでの
大旅行は彼女にとって大きな自信となり、ウェンディの人生の前進に少し役立ったことが分かる。
それはラストシークエンスでのウェンディの「人の目を観て話すことができる」自信に満ちた表情と
行動で分かるようになっているのだ。短い映画なのでチャンスがあれば一度ご覧になるといいと思う。

原題は本人が気を静める時に自分に言い聞かせる言葉。「スタンバイお願いします」。
「スター・トレック」から本人が取ったのであろう。
邦題もなかなか味わい深いのではないか。

500ページの夢の束 Please Stand By_e0040938_15161001.jpg

<ストーリー>
ダコタ・ファニングが『スター・トレック』が大好きな自閉症の少女を演じる青春ドラマ。
『スター・トレック』の脚本コンテストに応募するため、愛犬を連れて初めての一人旅に出た少女が、
旅先で出会う人々との交流を通して、成長していく姿を描く。
『マイレージ、マイライフ』のダニエル・ダビッキが製作を務める。

自閉症を抱えるウェンディは『スター・トレック』が大好きで、自分なりの脚本を書くのが趣味。
ソーシャルワーカーのスコッティの協力を得て、アルバイトを始めた彼女はある日、『スター・
トレック』の脚本コンテストが開催されることを知り、渾身の作を書き上げる。
だが、郵送では締め切りに間に合わないと気付き、愛犬と一緒にハリウッドへ向かう。
(Movie Walker)

<IMDb=★6.7>
<Metacritic=49>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:58% Audience Score:69%>
<KINENOTE=74.8点>





by jazzyoba0083 | 2019-11-17 20:30 | 洋画=か行 | Trackback(1) | Comments(0)

●「君がくれた恋のシナリオ Playing It Cool」
2014 アメリカ Voltage Pictures,Wonderland Sound and Vision.95min.
監督:ジャスティン・リアドン
出演:クリス・エヴァンス、ミシェル・モナハン、トファー・グレイス、アンソニー・マッキー他

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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
チョット息抜きに観るにはいい感じ。ラブコメって結局登場人物にシンパシーを感じるかどうかが
好悪の分かれ目だと思うのだが、(そんなことはどうでもいい。へえって感じで観飛ばす人も
いるでしょう)本作の場合、「私」と「彼女」という主人公二人にシンパシーを感じることは
無かった。
こういうカップルもいるんだろうなあ、くらいにしか響かなかった。よって?日本はビデオスルー。

作家と恋人という設定もありがちだし、夫がいながら「私」と付き合い、まるで私を弄ぶような
存在の「彼女」のキャラクターにシンパシーを感じづらかった。結局二人は最後にくっつくんだ
ろうな、という筋書きも想像しやすい。「私」の友人たちがやたらに下品でシモネタを連発する
のも作品の方向性や質を混乱させる。

「私」は母親の、「彼女」は父親のトラウマを持ち、それぞれの愛の形がいびつになっていたのだ。
その結果、「私」は恋愛に臆病になり、「彼女」は愛の認識が変形したままになっている。
その二人が出会い、軌道修正をしながら結ばれるということなのだが。

ラストはサンフランシスコの名所案内風で、さらに「卒業」風。見たけど直後に中身を忘れてしまう
ような中身なんだなあ。クリス・エヴァンスが製作総指揮をしていえるから、彼がこうしたドラマを
作りたかったのだろう。ミシェル・モナハンは「彼女」のキャラクターを演じきっていたとは見え
なかった。コミカルにしたりアニメ動画を使ったり、工夫はしているので画面上飽きることは
ないのだが、中身が一致しないと、残念な映画になってしまうのだ。

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<ストーリー>
「キャプテン・アメリカ」シリーズのキャップ役、「gifted/ギフテッド」で知られるハンサム
スターのエヴァンスが、ロマンティックコメディで新たな魅力を見せた、特に女性ファンは必見の
要注目作。同時に映画業界コメディでもあり、ハリウッドの裏話もお楽しみ。
共演陣も「キャプテン・アメリカ」シリーズでファルコン役を演じたA・マッキー、エヴァンスの
弟スコットなど、エヴァンスにとってはアットホームだったはず。
監督は本作が長編デビュー作となったJ・リアドン。WOWOWの放送が日本初公開。

アクション映画の脚本を書きたい“私”だが、エージェントのブライアンはスター2人の主演が
決まっている恋愛映画の脚本を書くよう勧めてくる。
“私”は少年時代、母親から恋愛はするなとしつけられて育ったため、まったく恋愛に関心を持た
ないまま大人になった。彼は友人たちに恋愛について質問するが、それも無駄足に終わる。
そんな“私”はあるパーティーで出会った“彼女”に好意を抱くが、“彼女”にはもう婚約者がいて……。
(WOWOW)

<IMDb=★6.0>
<Metacritic=30>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:14% Audience Score:32%>





by jazzyoba0083 | 2019-11-16 22:30 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)

●「ターミネーター:ニュー・フェイト  Terminator:Dark Fate 」(2回目)
2019 アメリカ Paramount Pictures,Twentieth Century Fox,Skydance Media.129min.
監督:ティム・ミラー 製作:ジェームズ・キャメロン 脚本:ジェームズ・キャメロン
出演:アーノルド・シュワルツネッガー、リンダ・ハミルトン、マッケンジー・デイヴィス、
   ナタリア・レイエス、ガブリエル・ルナ他

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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
連続して同じタイトルのブログを書くというのは恐らく初めて。今日再びシネコンに行って
来た。何故か。ジェームズ・キャメロンの脚本が一回観た時に感じたように、スカスカなはずは
無い、と思って確認してきたのだ。

どうやら、眠気に負けてかなりの重要な部分を見損ねていたようで、そこはキャメロンとティム・
ミラー監督に謝らなくてはならない。T2の正統な続編ということでタイムラインを揃えるのに苦労
するのだが、ラストシークエンスは分かりづらいと感じた。以下、整理してみる。(ネタバレです)

・冒頭、サラ・コナーが押さえつけられながら1997年の8月に人類は滅びるのよ、と絶叫する
 シーンが登場する。
・次のシーンは1998年。結局、サラ・コナーの活躍により、核爆発による人類の絶滅は回避された
 ということが示される。(サラ・コナーとジョン役のエドワード・ファーロングはCGにより若い
 姿で登場する)
・そこに、シュワちゃん風貌のT800が現れて、ジョンを射殺してしまう。
 (T2で溶鉱炉に消えたT800とは別タイプの機械ということになる)
・さらに22年後。ということは2020年ということになると思う。舞台はメキシコ。
 夜空から全裸の女性が降ってくる。彼女は強化型人間の兵士グレースであった。
・未来の世界。「リージョン」というAIが人類に戦争を仕掛けた。(これは「スカイネット」
 と同様の構図。しかし、この映画では「スカイネット」の未来は存在しない。)
 その戦争から人類を救う自動車工場で働くダニ-という女性を守るためにグレースは2043年の
 未来から送り込まれたのだった。
・ダニーを抹殺スべく送り込まれたのはREV-9というターミネーター。彼は液体金属で出来て
 いて、変幻自在に姿を変えバラバラになってもまたくっつくというT1000より高度な殺人
 マシンであった。この辺りまでは前回観た時の感想のように、1,2作目の筋書きとほぼ同じ
 スタイル。
・最初のグレースとREV-9の戦いの場は自動車工場。プレス機にREV-9を挟むのは初作への
 オマージュだろう。これではREV-9は死なないけど。
・手強いREV-9に追われ、カーチェイスになる。なぜ自分が逃げているのか、途中で弟が殺さ
 れるのだが、その不条理も理解出来なかった。しかしグレースの話を聞くと次第に事情が分か
 って来たのだった。
・カーチェイスで追い詰められたグレースとダニ-。そこに一台の車が。サラ・コナーの登場だ。
 彼女はすごい武器を使ってREV-9を橋の下に落とし、手榴弾を投げて爆発させる。
 「I'll be back」と言って橋の下にREV-9が死んだかどうか確認に降りた時、グレースと
 ダニーはサラ・コナーが乗ってきた車を奪い逃走した。REV-9は死んでいなかった。
・サラ・コナーはジョンを救えなかったことを嘆き、酒浸りになりつつ、22年間復讐のターミ
 ネーター狩りをし続けていたのだった。
・グレースは未来の反乱軍で兵士をやっていたが、志願して強化型となった。全身機械ではない
 ので水や食料、また薬が必要となる、という点が説明される。
・薬局を襲い、薬を手に入れたグレースとダニーにサラ・コナーは追いつく。
・そこでグレースから人工知能「リージョン」に支配され何十億もの人間が殺される世界が
 未来にあり、その世界を救うのがダニ-なのだ、と未来の出来事が語られる。その時は
 まだサラ・コナーはダニーが生む子供がジョンのように世界を救うのだと信じていた。
・しかし、未来のダニーにグレースは救われ、世界を救うのはダニ-本人であることが分かる。
・サラ・コナーには発信人不明のメールが来て、ターミネーターの居場所を教えてくれるので
 それで狩りをしていたと説明。今回グレースたちのもとに来れたのもそのメールが来たから。
 メールにはいつも最後に「For John」と書かれているという。
・グレースはサラの携帯を取ると分解し、指に当てると、発信地がアメリカのテキサスである
 ことが分かる。「未来の常識」だと。
・ヘリでテキサスに向かうと、ログハウスにはあのT800がいたのだ。怒りに震えるサラは彼を 
 殺そうとするが、グレースらに止められる。
・ジョンを殺害後姿をくらましていたT800は、カールと名乗りカーテン屋を営んでいた。彼は
 シングルマザーを引き取り男の子と生活していた。「スカイネット」の未来がなくなり指令が
 来なくなったT800は親子の生活を重ねるとサラの気持ちが分かるようになり、改心して人間
 らしく生きようと決意してきたという。しかしターミネーターが現れると感知出来、この情報を
 サラにメールで送っていたのだった。
・REV-9の必殺武器を米軍の少佐が持っている情報を得て、彼らは国境を超え基地を目指す
 ことに。
・一行はダニーの叔父の手引で国境を超えてアメリカに密入国しようとするも、REV-9が先
 回りしていて、あっさり国境警備隊に捕まる。エネルギーが切れていたグレースは医師らに
 よって体の秘密を知られてしまう。

その後、執拗に追い続けるREV-9とダニーを守るグレースとT800の戦いが続く。その
アクションシーンはキャメロンいわくT2の2倍だというが、実際はそれ以上に感じる。CGの出来が
T2時代から遥かに進んだこともあり、空中戦などは迫真で観ていてチカラが入る。

最後はダムに墜落した輸送機と追ってきたREV-9の戦いだ。結局、何をしても死なないREV-9
に対し、グレースは自分の体内エネルギー発生機を使えばREV-9の神経系をダメにできると
いう。それをやるとグレースは死んでしまう。だがグレースは自分はダニーを守るために送られて
きたし、未来ではグレースはダニーに助けてもらったから、と自分の体内の装置を取り出せという。
泣く泣くグレースからエネルギー発生機を取り出し、REV-9の目に突き刺す。しかし、なかなか
REV-9は死なない。そこに気絶していたT800が再起し、REV-9の頭を押さえ、発電タービンの
中で大爆発を起こしREV-9を道連れにして両者とも破碎されて絶命したのだった。

ラストシークエンスは公園で遊ぶグレースと呼ばれる娘を見つめるダニ-。そこにサラ・コナーが
ジープで乗り付け、未来に対する覚悟を促す。そこで映画は終わる。

眠気にかまけていた前回鑑賞時に比べると、アクションが堪能出来たし、筋もよく見えた。最後の
グレースという少女は犠牲になったグレースとは違う人物だよね。「グレースに二度目の苦労を
味あわせたくない」とダニーは言うが。

キャメロンの脚本もよく理解できたし、T2からの経緯の細かい綾みたいなものもよく見えた。
だがしかし、である。やはり「T2」を観た時の衝撃以上のものは感じられなかったな。
最後にT800が自己犠牲になるシーンも前に溶鉱炉に消えたシーンを観ているから、あまり
悲しいとは言えなかったし。

それより、ダニーが将来「リージョン」とどう戦うようになるのか、次作に期待したいところだ。
(ストーリーや各評価サイトの情報は前回のブログを参照ください)

ターミネーター:ニュー・フェイト Tarminator:Dark Fate(2回目)_e0040938_16022510.jpg

by jazzyoba0083 | 2019-11-15 12:20 | 洋画=た行 | Trackback(2) | Comments(0)