●「ロードハウス/孤独の街 Road House (2024)」
2024 アメリカ Silver Pictures,MGM and more. Dist.Amazon Prime 123min.
監督:ダグ・ライマン
出演:ジェイク・ジレンホール、ダニエラ・メルシオール、コナー・マクレガー、ビリー・マグヌッセン、
   ジェシカ・ウィリアムズ、B・K・キャノン、ヨアキム・デ・アルメイダ他

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<評価:★★★★★★☆☆☆☆+α>
<感想>
1989年にパトリック・スウェイジ主演で製作された同名のリメイク。話の内容はかなり変えて
あるようだ。オリジナルは未見。

まあ、一口に言ってしまえば、主に自分がフェアでないと感じた時にブチ切れる格闘技ファイターと、
年がら年中ブチ切れている(頭のネジが10数本位抜けているような、脳まで筋肉というか)サイコ
ファイターの戦いを描いた格闘技映画だ。この手の映画が好きな人は面白いだろうが、ストーリーに
魅力があるわけではないし、ラストのサプライズもありがちで、一応のカタルシスは得られるけど、
「アメリカってこえー国だなあ」と面白がって観ているのが心得かもしれない。コミックスと思って
観ているのもいいかも。

オリジナルも続編があったが、ラストのプレエンドロールを観るとこちらも続編がありそうな感じだ。
ジェイク・ジレンホールの鍛えようが半端ない。フロリダキーズを舞台にしたのも味わいとしては
成功だったといえる。こいつ、アヴェンジャーズに入ればいいのに。ww

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<ストーリー>
1989年のパトリック・スウェイジ主演作「ロードハウス 孤独の街」(ビデオ題「ロードハウス 
誓いのカクテル」)を、ジェイク・ギレンホール主演でリメイクしたアクション映画。フロリダ
キーズにある美しい島「ロードハウス」で用心棒の職を得た元総合格闘技家のダルトンが、その
楽園のような島でマフィアのボスと対峙することになる姿を描く。(Filmarks)

<IMDb=★6.2>
<Metascore=57>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:59% Audience Score:55%>
<映画com=3.8/5>
<Filmarks=3.6/5>



# by jazzyoba0083 | 2024-03-28 22:30 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

山河あり

●「山河あり」
1962 日本 松竹大船 127分
監督:松山善三 企画:木下恵介 脚本:松山善三、久板栄二郎
出演:高峰秀子、田村高廣、桑野みゆき、ミッキー・カーチス、石浜朗、久我美子、小林桂樹他

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<評価:★★★★★★★☆☆☆-α>
<感想>
BS東急松竹チャンネルで、録画機のキーワード「ハワイ」に引っかかって録画されていたもの。
長男一家がハワイで暮らしているので、彼の地には興味がある。ロケは今から60年前に行われた
のだろうから、その当時の風景も観たくて鑑賞してみた。

話がハワイ移民一世の苦労、自分たちの子ども二世の対立、太平洋戦争の勃発。国民性のアイデン
ティティに苦しむ二世たちなど、多くの要素を盛り込みすぎていて、ハワイ移民を移民サイドから
見た映画は珍しいので興味津津でみたのだが、案外だった。

最終的には日本を離れて帰国しても日本人として見てもらえない(戦争当時jだからよけいに)一世。
自分たちは日本人でありアメリカ人であるという二世。442部隊に志願し、イタリア戦線で戦った
話は有名である。ここでも息子らはそういう行動を取る。その親世代とハワイ(アメリカ)育ちの
母国とはどこか、という感情のすれ違いが一番の主張だろうが、時代考証の不備も含め、全体に
総花的薄味な作品に思えた。

ロケをしたワイキキは1960年代前半にはビーチに高層ホテルが立ち始めて、開戦前後のシーンに
合わない。サトウキビやパイナップル農園の光景はいいのだが、要となる真珠湾攻撃のシーンには
当時のアーカイブも使われず、しかも久我美子が日本の戦闘機の機銃掃射で亡くなるという状況まで
描かれる。確か、そうした史実は無かったはずだ。
テンポがいいのは良いが話を端折り過ぎで、サトウキビ農園で苦労していた一世がいい家に住み、
こどもは最新型のオープンカーに乗れる身分になった経緯も分からない。
結局日本に帰国し帰れないまま亡くなったミッキー・カーチス(明)とイタリア戦線で戦死した早川保
(春男)の亡くなり方を一世はどう感じたのか、というところに鑑賞後の感想を収斂させればいい
のかな。表面を擦って終わった感が強い映画となった

木下恵介、松山善三の反戦的アプローチはいいのだが、(製作当時まだ戦後17年だ)せっかく
ハワイロケまで敢行したのに、もったいない。それと二世を演じた若手が総じて演技が下手くそ
高峰や田村、小林ら一世との心の交流という面でも演出は苦労したと思う。

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<ストーリー>
大正七年。日本人移民の一団がハワイへやって来た。その中には、井上義雄ときしの夫婦や
これから嫁入りしようとする少女すみがいた。
ハワイの土は冷たく固く、帰ることも出来ない人々はただ黙々と亜熱帯の畑ととりくむのだった。

そして十年、人々の努力は報いられ、井上は日本語学校の教師に、妻は小さな食料店主になっていた。
またすみは郷田と結婚しクリーニング店を経営。今では、井上家には春男と明、郷田家には一郎と
さくらとそれぞれ子供があった。

そしてまた七年--。さくらと明はハイスクールを卒業した。一方故国日本は、満州事変、日中戦争、
国際連盟脱退と次第に戦争への道を歩いていた。この雲行きを心配する一世たちと反対に、二世の
子供たちは一向に無関心だった。
そんな時、井上は心臓麻痺であっけなく死んだ。きしのは、次男の明を伴なって夫の遺骨と共に日本へ
向った。世界情勢はますます悪化し、昭和十六年、ついに日本海軍の真珠湾奇襲が行なわれた。

日本で親せきの家に身をよせていたきしのたちは茫然とした。同じ頃ハワイでは、二世たちが、二世
部隊として出陣した。母を日本軍に射殺された一郎、そしてさくらの恋人春男も志願し、四四二部隊と
して出動した。砲火のイタリア戦線で戦う春男と一郎。やがて戦争は末期症状をみせて来た。

一方日本では、明がアメリカ人として収容所にとらわれていた。冷たい壁の中の生活に胸をやられた明は、
物置の隅に住むきしののもとへ帰された。母子の寒さにふるえる生活は続き、やがて明はボロ切れの
ように死んでいった。
そして戦争は終った。終戦を迎えた日本に進駐して来た一郎から、春男の死が知らされたのはそれから
間もなくだった。二人の息子を失ったきしのの嘆きははかり知れなかった。明の墓の土を持って、
きしのはハワイへ戻るのだった…。(キネマ旬報)

<KINENOTE=73.3点>
<IMDb=★7.3>
映画com、Filmarks共に評価者がごく少ないので割愛します。






# by jazzyoba0083 | 2024-03-27 22:40 | 邦画・旧作 | Trackback | Comments(0)

ワース 命の値段 Worth

●「ワース 命の値段 Worth」
2020 アメリカ Riverstone Pictures and more. 118min.
監督:サラ・コランジェロ 製作:マイケル・キートン
出演:マイケル・キートン、スタンリー・トゥッチ、エイミー・ライアン、テイト・ドノヴァン、
   ジュリノ・ラマナタン、ローラ・ベナンティ、タリア・バルサム、マーク・マロン他

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<評価:★★★★★★★☆☆☆+α>
<感想>
重い意味を提示した映画だ。タイトルの通り。9.11で亡くなった7000名の遺族に対して国が
立ち上げた補償基金の采配を任された弁護士の苦悩を通して、アメリカの姿を描く。

仕組みが分かりづらかったので、映画を観た後、関連の記事をネットで拾い読みして、本作の
自分なりの感想をまとめてみた。当然実話に基づく。補償とは加害者側が被害者側に支払うもの
だが、9.11の場合は相手はアルカイーダである。当然補償などあるわけもなく、国は事件後13日
で国家補償法を可決したのだという。このあたりのアメリカという国の団結は強いものだ。
(良い悪いは別として)

主人公のケン・ファインバーグ(キートン)という弁護士は、この仕事を受けるまでにも
調停のプロとして政治や学会では著名な存在だった。人の命を補償するときは保険でもそうだが、
その人の余命や仕事の種類、家族の有無などを勘案して一定の数値に当てはめてほぼ自動的に
補償額が算出される。この仕事を受けたケンも、この仕事を引き受けたときはそれで突っ切れると
思った。だが、ことはそう簡単ではなかった。そう、被害者には7000通りの人生があり、7000通り
の家族親族がいたのだ。事情を抜きにして補償額を決めるなどは至難の業。ケンはそれを分かって
いて、無償で仕事を引き受け(巨額の報酬など受けていたら被害者から何と言われるか)
パートナーのバイロスと若い仲間らを集め、交渉団を結成、交渉終了まで2年とない中、成立率
80%を目標とした。

そもそも、政府としては7000人の裁判を避けたかったし、航空会社に補償金を支払わせたり、
保険会社を使ったりすると国の財政の根幹に関わると、なんとか国の予算で乗り切りたかった
のだ。経済を優先させた方式ともいえる。

ケンの前に、あるいは仲間の前に、様々な事情を訴える被害者家族が現れる。理論的な計算式で
出した補償金で被害者は納得するだろうし、彼らとて前に進まなくてはならない、と高を括って
いた部分があった。が、ウルフ(トゥッチ)という理論派の男が登場し、補償案の修正を要求、
すると多くの犠牲者家族がそちらに賛同してしまった。それはそれぞれの家族の実情をきちんと
聞け、というものだ。WTCには年に何百万ドルも稼ぐCEOもいたし、ビルの掃除婦もいた。彼らの
命の価値に差があるのか、これは正解のない問題に直面しているようなものだ。
更に救助や消火に当たった消防士や救急救命士もいた。彼らはアスベストを吸い込んで長い治療を
受けなくてはならない。実際にケン自身2500人の被害者家族と面談したという。

ケンはウルフと話すうちに、やはり被害者家族と個別に話を聞かないといけないと考えるように
なり、方針を変更。単純な数式に「事情」を加味したのだった。すると交渉は俄然前に進み、
成約率は98%にまで上昇したのだった。
監督は特に不法移民の家族と、同性カップルの話はどうしても入れたかったという。不法移民に
一人20万ドルは巨額の金だ。同性カップルはニュージャージーの州法の定めで、相手に渡らず
補償金は彼らの同棲に反対ていた両親に支払われるという事になるのだが、アメリカが抱える
ある側面をそこから汲み取ることが出来る。

しかし、いくら自信家とはいえ、良くもこんな困難な仕事を無償で引き受けたものだと思う。
人の命の値段に線を引く、こんな仕事は誰もやりたくないはずだ。だが誰かがやらなくてはならない。
ケンは良くやったと思うし、その後も大事故大事件の調停を手掛けている。(とラストの字幕に出る)
生き残った人や怪我を負った消防士や警官たちの治療も含めこの補償法は2090年まで延期されている。
こうしたところにアメリカの懐の深さを感じる。日本だったらどうだろうか。能登半島地震の対応を
観ていると特にだ。(自然災害も特定の加害者がいる犯罪ではない)

マイケル・キートンはケンをよく研究し、葛藤と苦悩の演技は見事。またウルフ約のスタンリー・
トゥッチ、パートナーのバイロスを演じたエイミー・ライアンもしっかりと脇を固めていた。
ハードで重い映画だが、カタルシスも含め観る価値がある作品だと思う。

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<ストーリー>
マイケル・キートンが主演・製作を兼任した実録ドラマ。アメリカを襲った9.11テロの発生直後、
約7000人ものテロ被害者に補償金を分配する国家的な大事業に挑む弁護士のケン・ファインバーグ。
犠牲者遺族の苦悩と向き合いながら、前代未聞の難題に立ち向かってゆく。

2001年9月11日、アメリカ同時多発テロが発生。未曾有の大惨事の余波が広がる同月22日、被害者と
遺族を救済するため、政府は補償基金プログラムを立ち上げる。プログラムを束ねる特別管理人に
就いたのは、ワシントンD.C.の弁護士ケン・ファインバーグ(マイケル・キートン)。調停のプロを
自認するファインバーグは、独自の計算式に則って個々人の補償金額を算出する方針を打ち出す。

だが、様々な事情を抱える被害者遺族の喪失感や悲しみに接するなか、ファインバーグ率いるチームは
数々の矛盾に直面してゆくのだった。被害者遺族の対象者80%の賛同を得ることを目標とするチームの
作業は停滞する一方、プログラム反対派の活動は勢いを増す。やがてプログラム申請の最終期限である
2003年12月22日が刻一刻と迫り、苦境に立たされたファインバーグは大きな決断を下すのだが……。
(キネマ旬報)

<1IMDb=★6.8>
<Metascore=67>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:81% Audience Score:76%>
<KINENOTE=73.6点>
<映画com=3.6/5>






# by jazzyoba0083 | 2024-03-26 23:10 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)

●「ジャズマンズ・ブルース A Jazzman's Blues」
アメリカ Tyler Perry Studios. Dist.Netflix 128min.
監督・脚本・製作:タイラー・ペリー 音楽:テレンス・ブランチャード
出演:ジョシュア・ブーン、アミラ・ヴァン、ソレア・ファイファー、オースティン・スコット、
   ライアン・エッゴールド他

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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想:ネタバレ注意>
話の骨格の部分は面白いのに、枠付と結論がトホホな感じで、残念な仕上がりと感じた。
第二次世界大戦前から戦争後のジョージア州が舞台。(人種差別が酷いエリア)
開巻は、1980年代の後半のジョージア州。ある法律事務所に老婦人がやってきて、
この事件の真犯人を挙げて欲しいと言い寄る。弁護士は忙しいし、そういうのは保安官
事務所へいくべきというが、老女は「あなたの知りたいことはここに全部ある」といって
一束の手紙を置いて去っていった。弁護士は手紙に書かれていたリアンという名前に驚き
読み始めたのだった・・・そして場面は40年前に戻る。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
一見白人に見える女性と黒人の男性の悲恋の話で、結末は悲しく、やりきれない。
男バユの一家は田舎ミュージシャンの父(男の実の父ではない)と働き者で歌が上手い母、
そして父に似て傲慢で口ばかりの兄、そして妹という黒人一家だ。父は本当の自分の
息子である兄ばかりに優しく弟には辛く当たる。それをかばってくれるのは母だった。
(母は洗濯女で、夜は飲み屋で歌う)

バユは近所に祖父と暮らすリアンという女性に恋していた。リアンもバユが好きだった。
二人は逆境の中、夜中に家を抜け出て逢瀬を重ねていた。バユ19歳、リアン17歳だった。

ある日、父はシカゴに出てミュージシャンと成功するんだと、家の金を全部持って出ていく。
(その後、事件に巻き込まれて射殺されるのだが)トランペットを吹く兄ウィリーも
父の後を追って家を出ていく。更にリアンは離れて暮らす母親の策略で黒人とは伏せて
保安官の弟と結婚させるため家を出されてしまう。バユも必死で止めたのだが無駄だった。

ウィリーはドイツからやってきたユダヤ人のマネージャーを連れて帰ってきたが、どうも
上手くいっていないようだった。腕前が良いわけでも無いのに、自信家でワガママで自分
勝手なウィリーは麻薬に手を染めていた。

ある日、街に帰ってきたリアンを、バユは目撃し、衝撃を受け二人は牧場の空き地の車の
中で密会し体を交わす。それをリアンの母は後から付けてきた車の中から目撃していた。バユを
リアンから引き離すために、彼がリアンに口笛を吹いた、と嘘を言いふらし、白人たちの
怒りを焚きつける。リアンの嫁ぎ先で家政婦をしていた妹の知らせで、ちょうどマネージャー
とシカゴへ帰ろうとしていたウィリーの車に乗り込み、なんとか街を後にすることが出来た。

その後、憧れていた劇場で、たまたま歌った歌が支配人の目に止まり、兄よりも注目され
バユの歌で客が集まるようになり、やがて自分の名前を冠したバンドを持つようになり、兄は
そのバンドマンになっていた。兄はそれが悔しくてならず、一層麻薬にハマって行く。

リアンを一途に愛するバユはリアンに手紙を出すが、リアンの母の策略で届くことは無く、更に
成功してからお金を入れて母に送った手紙は、郵便局を兼ねる雑貨屋の白人に金を抜き取られ、
バユの想いはことごとく伝わることが無かった。母は飲み屋を経営を初めて成功していたのだが、
口笛事件以降人が全く来なくなって、庭の畑で野菜を作って自給自足の生活、どん底の暮らし
だった。

シカゴで成功したバユは自分の楽団を母の飲み屋に連れていき公演して客を呼びたいと
マネージャーに頼むがマネージャーはやめておけと止めるのだった。だがバユは一晩限りと
いう条件で公演をすることになった。

人気バンドと地元の有名歌手が故郷に錦を飾るというので母の店は大入りとなった。兄は
麻薬でヘロヘロだったが、バユを目の敵にするシェリフのところへ行き、バユが帰ってきている
と告げ口する。すると彼は多くの黒人差別主義の白人を集め、飲み屋に乗り込みにくる。

その頃、バユはバンドのバスの中でリアンと密会していた。リアンが産んだ子どもはバユの子だった。
幸い今は黒くない。これで黒い子が生まれたらリアンも生きてはいられなかっただろう。
そこへシェリフとその男たちが押し寄せ、バユを捕まえ、いつもバユとリアンが会っていた
イチイの木に吊るしてしまったのだった。

そして画面は冒頭の時代に戻る。老人ホームに入っている白髪のリアン。そばにいるのは彼女と
バユの息子ジョナサンだった。(彼の妻もいた)痴呆が入ってしまったリアンはバユのレコード
「紙ひこうき」を聞いて涙を流していた。事務所で読んだ大量の手紙は母親と殺された父バユの
愛の交換記録だったのだ。ラストカットはそのホームの屋根にはためく南部連合の旗だった。
冒頭、事務所に手紙を持ってきたのはバユの母だったのだな。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

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マネージャーがユダヤ人でナチスの迫害を受け妻とこどもは眼の前で射殺されたという過去を持つ。
同じ迫害を受けている(いた)黒人とユダヤ人が登場する物語だから、その辺りをもう少し膨らませ
て欲しかった。
更に、冒頭の真犯人を探してほしいというバユの母(であったことは後から想像を巡らせないと
分かりづらい)の望みが解決されないので、バユを殺した男どもへの懲らしめがないため、悲恋
だけで終わってしまいカタルシスが弱い。で、バユの息子ジョナサンは成功したのだが、母と
殺された黒人(恐らく自分の父が黒人であったと初めて知ったのではないか)の父の話を読んでどう
なったのか、そこらあたりを創作とはいえ字幕でもいいから幕引きに相応しい終わり方にして
ほしかったなあ。なんだか、もやもやと不満が残ってしまった。
冒頭に書いたように骨格のプロットは面白い作品だけに、残念だ。

ストーリーは上記に書いた通りなので略します。

<IMDb=★6.8>
<Metascore=62>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:65%  Audience Score:85%>
<映画com=2.0/5>
<Filmarks=3.5/5>






# by jazzyoba0083 | 2024-03-25 22:30 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)

●「ゴジラ-1.0  Godzilla Minus One」(再見)
2023 東宝 TOHOスタジオ、ROBOT 125分
監督・脚本:山崎貴
出演:神木隆之介、浜辺美波、山田裕貴、吉岡秀隆、青木崇高、安藤サクラ、佐々木蔵之介他
                  
                  ~祝!第96回アカデミー賞視覚効果賞受賞~

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<評価:★★★★★★★★★☆>
<感想>
昨年の11月に観て、この度、見事に第96回アカデミー賞視覚効果賞をアジア勢としては、というか
ILM以外では初めて獲得した本作を、その面白さを味わいたく、また視覚効果を確認したくて
記念上映が始まっているシネコンに行ってきた。一番大きな小屋が月曜の昼過ぎで結構の入り。
ウィークデイなのでリタイア族が多いのは仕方がないが、やはりアカデミー賞効果が出ている。

さて、配信系の3時間が普通となった上映時間を、本作は王道の2時間少々に押さえ、緊張と物語の
分かりやすさを追求した構成はお見事だと再確認。初見の時にも感じたようにやはり時代設定が
絶妙だ。個の物語に収斂させた脚本も映画の魅力となっているだろう。
(大筋の感想は初見と変わっていないのでその時の投稿は下に貼っておきます)

山崎監督がオスカー受賞後に語っていたが、VFXのうち水の質感が良かったと。今回それを意識し
観てみたが、おっしゃるとおりゴジラが海にいる時の、また船の航行シーンなど水中も含めて水の
質感は確かにナチュラルで上手く仕上がっていたと感じた。

ラストシーンはいかにも日本製と感じる「浪花節」的ハッピーエンドだが、それもまた分かりやすくて
いいんじゃないかと感じた。観念的内省的に社会を批判するのもいいけど、こういう分かりやすい
描き方、私は好きだ。

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ストーリーと、評価サイトの評価は初見のリンクからご覧ください。



# by jazzyoba0083 | 2024-03-18 12:05 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)